用語名称(日本語、外国語)
軽羹(かるかん)
英語では「karukan」や「steamed sweet confection made from grated yam and rice flour」と表現される
意味
軽羹とは、山芋(自然薯や大和芋など)をすりおろしたものに、うるち米を原料とした米粉(かるかん粉や上新粉で代用可能)と砂糖、水を加えて練り、蒸し上げた和菓子を指す。生地は純白で、ふんわりと軽やかな食感が特徴だ。蒸す過程で空気を含み、材料の重量より軽くなる点から名付けられたとされる。
本来は棒状の棹菓子(棹物)で、羊羹に似た見た目ながら、羊羹より柔らかく軽いため「軽い羹(ようかん)」という意味で「軽羹」と書く。羹(かん)は中国由来の言葉で、汁物や蒸した柔らかい食品を表す。近年は生地で餡を包んだ饅頭状の「かるかん饅頭(軽羹饅頭)」が一般的になり、お土産として親しまれている。プレーンな棒状のものは切り分けて食べる形が多い。
主な材料は山芋、米粉、砂糖。水を加えて生地を練るため、粘り気のある山芋がふんわりとした独特の食感を生む。味は上品で優しい甘さで、クセが少なく食べやすい。
用語を使う場面・対象となる食品
軽羹という用語は、主に鹿児島県や九州南東部(大分県、宮崎県など)の郷土和菓子を指す際に使う。対象となる食品は、山芋をたっぷり使った蒸し菓子全般で、棒状のプレーンな軽羹や、餡入りのかるかん饅頭が代表的だ。
使う場面としては、日常のおやつから贈答品まで幅広い。昔は薩摩藩の殿様菓子として格式高い位置づけで、婚礼や年始、賀儀などの冠婚葬祭で登場した。現在も引き出物や供物、法事の菓子として選ばれることが多い。また、帰省時の手土産、お中元・お歳暮、企業訪問時の菓子折りにも利用される。鹿児島では県民のソウルフードの一つとして、家庭で作られることもある。
最近では関東や関西の和菓子店でも生菓子として扱われるようになり、茶席や季節の贈り物に取り入れられる例が増えている。変種として、抹茶を加えたものや果実風味のものも見られるが、基本は山芋の風味を活かしたシンプルな蒸し菓子だ。
軽羹は、ういろうや羊羹と同じ蒸し菓子の仲間に入るが、山芋の粘りと米粉の組み合わせで独自の軽い口当たりを実現している。鹿児島のシラス台地で育つ自然薯が原料として適していた歴史的背景もあり、地域の食文化を象徴するお菓子と言える。
