用語名称(日本語、外国語)
クグロフ
フランス語:Kouglof、ドイツ語:GugelhupfまたはKugelhopf
意味
クグロフは、フランス東部アルザス地方で生まれた発酵菓子です。イーストを使って生地を発酵させ、独特のクグロフ型と呼ばれる陶器や金属の型で焼きます。この型は王冠のように高さがあり、中央に穴が開いていて、側面に斜めの溝模様が入っているのが特徴です。生地自体はブリオッシュに近い柔らかさで、バターや卵、砂糖を加えてふんわりとした食感に仕上がります。
中にはラム酒に漬けたレーズンを混ぜ、型の底にアーモンドを並べて焼くのが一般的なレシピです。焼き上がったら粉砂糖を軽く振る程度で、甘さは控えめ。アルザス地方ではパン屋や菓子屋の定番として並び、朝食やおやつにそのままかじったり、薄く切ってトーストしてバターを塗ったりして食べます。地域によって微妙に違いがあり、ドイツやオーストリアではバターケーキ生地を使ったバージョンも見られますが、日本でクグロフと呼ばれるものは主にアルザス風の発酵タイプを指します。
名前の由来にはいくつかの説があります。有力なのはドイツ語の「Kugel(球)」と「Hopfen(ホップ、または跳ねる意)」を組み合わせたもの、または中世の帽子「Gugelhuete」に形が似ているからという説です。また、アルザス地方リボーヴィレの陶器職人「クーゲルさん」にちなむという昔話もあります。いずれにせよ、14世紀頃から伝わる伝統的な呼び名で、フランス語圏では「Kouglof」と表記され、発音が少し柔らかくなります。
用語を使う場面・対象となる食品
この用語は、主にヨーロッパ伝統菓子の文脈で登場します。レシピ本や菓子店の商品説明、製菓の教科書などで「クグロフ型を使って焼く」「クグロフ生地を発酵させる」といった形で使われます。対象となる食品は、アルザス地方の代表的な発酵菓子全般です。クリスマスや結婚式、洗礼式などのハレの日に焼かれることが多く、贈答品としても人気があります。
日本では輸入菓子店や専門ベーカリーで本場のものを手に入れたり、ホームベーキングで再現したりする際にこの名前が出てきます。最近では東京駅や駅ビルなどの催事場で「バタークグロフ」や「焼きクグロフ」として期間限定販売される例も増え、日常のおやつや手土産として親しまれています。似た形の型を使う他の菓子(たとえばアメリカのバントケーキ)と区別するときにも便利な呼び方です。
実際に作る際は、専用のクグロフ型が欠かせません。型に生地を流し込んで一次発酵、二次発酵を経てオーブンで焼く工程が基本で、家庭でも再現しやすい点が魅力です。
