用語名称(日本語、外国語)

凍餅(しみもち)、凍み餅(しみもち)

外国語表記ではShimimochiと記されることが多く、英語圏ではfrozen mochi(凍ったもち)やdried frozen rice cake(乾燥させた凍りもち)と説明される場合があります。

意味

凍餅(しみもち)は、冬の自然な寒さだけを使って作る伝統的な保存食です。もち米やうるち米を主な原料に、よもぎやごんぼっぱ(牛蒡の葉)などの草を混ぜて餅をこね、適度な大きさに切ってわらで編みます。その後、水に浸してから1月から2月ごろの氷点下の屋外に吊るし、寒風にさらして凍結と解凍を繰り返しながらゆっくり乾燥させます。この工程で水分が抜け、完成したものはカチカチに硬くなり、約1年ほど保存できるようになります。

福島県の会津地方や阿武隈山地を中心に、東北地方や信州地方で古くから作られてきました。江戸時代中期にさかのぼる400年以上の歴史があり、当時の農家が余った米を無駄にせず、冬を越すための知恵として生み出したものです。草を入れることで餅が割れにくくなり、緑色や独特の香りも加わります。添加物を一切使わない自然な製法が、今でも地域の食文化として受け継がれています。

用語を使う場面・対象となる食品

凍餅は日常の保存食として幅広く使われます。食べる前には冷水に1時間以上浸して柔らかく戻し、甘醤油を塗って焼いたり、煮物に加えたり、炭火で香ばしく仕上げたりするのが定番です。シンプルな味わいなので、朝食やおやつ、食事の副菜にぴったりで、もちの歯ごたえと草の風味が特徴です。

お菓子として登場する場面では、福島の名物「凍天(しみてん)」が特に知られています。これは水で戻した凍餅を、ほのかに甘いドーナツ生地で包んで油で揚げたものです。外側はカリッと軽やか、中はもちもちとした食感が楽しめ、洋菓子と和菓子の良いところを組み合わせた一品になっています。お土産やおやつとして親しまれ、コーヒーやお茶にもよく合います。また、最近ではホットケーキミックスで絡めて揚げたり、さまざまなアレンジレシピでも使われています。

対象となる食品は、主に草を混ぜたもちを原料とした保存食全般です。地域によって米の種類や入れる草が少しずつ違うため、味わいに個性が出ますが、基本は冬の寒さで作る硬いもちという点で共通しています。

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