用語名称(日本語、外国語)
空焼き(からやき)
フランス語:cuire à blanc(キュイール・ア・ブラン)
英語:blind baking(ブラインド・ベーキング)または pre-baking(プリ・ベーキング)
意味
空焼きとは、型に敷いた生地だけを先にオーブンで焼く工程を指します。生地の中に具材やクリームなどのフィリングを入れずに焼くため、「中身を詰めていない」という状態で加熱する点が特徴です。
主な目的は二つあります。
一つ目は、生地の底や側面がしっかり固まって形を保つこと。
二つ目は、後の工程で入れるフィリングが水分を含んで生地を湿らせる(いわゆる「しっとり失敗」)のを防ぐことです。
特に、火の通りが短いカスタードやガナッシュ、フルーツを使ったタルトでは、この工程を挟むことでサクサクとした食感をキープしやすくなります。
実際の作業では、生地を型に敷いた後、底にフォークで穴を数多く開けます。次にオーブンシートやクッキングペーパーを敷き、その上に重しとなるタルトストーン(セラミック製の小石状のもの)、乾燥豆、または米などを入れて焼きます。これにより生地が膨らみすぎたり、側面が崩れたりするのを抑えられます。重しを外した後はさらに短時間焼いて仕上げ、全体を白っぽくまたは軽く色づかせます。温度はレシピにより異なりますが、一般的には170〜190℃前後で15〜25分程度が目安です。重しなしで焼く場合もありますが、底が浮きやすいため注意が必要です。
用語を使う場面・対象となる食品
空焼きは、主にタルトやパイの生地を扱う場面で使われます。
具体的には、以下のようなお菓子作りに欠かせません。
- タルト全般:フルーツタルト、レモンタルト、チョコレートタルトなど。生地を先に焼き固めてから、火を通さないクリームや新鮮なフルーツを詰めます。共焼き(生地とフィリングを一緒に焼く)とは対照的に、空焼きを選ぶことで底のサクサク感をしっかり出せます。
- パイ生地:クリームパイやカスタードパイのように、フィリングが液体状や柔らかい場合。生地が湿気てべちゃっとするのを避けるために有効です。
- その他の焼き菓子:一部のクッキー風タルト台や、事前に形を安定させたい小型のタルトリングを使ったもの。
一方で、スポンジケーキやシュークリームのような膨らみを重視する生地、またはフィリングと一緒に長時間焼くブラウニー・パウンドケーキなどではほとんど使いません。また、お菓子の型そのものを新品時に行う「空焼き」(機械油や汚れ除去、油なじみ目的)もありますが、製菓用語としての「空焼き」は主に生地に対する工程を意味します。
この手法を取り入れると、家庭のオーブンでもプロに近い仕上がりになりやすいです。最初は重しの量や焼く時間の調整に慣れが必要ですが、何度か繰り返せばコツがつかめます。タルト生地を扱うレシピでは、工程表に「空焼きする」と明記されていることが多いので、ぜひ確認しながら挑戦してみてください。
