用語名称(日本語、外国語)
和三盆(わさんぼん)、和三盆糖(わさんぼんとう)、唐三盆(とうさんぼん)
英語ではWasanbon sugarと表記されることが多いです。
意味
和三盆は、日本独自の伝統的な含蜜糖の一種です。
主に香川県と徳島県で生産され、在来種のサトウキビ「竹糖(ちくとう・たけとう)」を原料とします。
この竹糖は茎が細く生産量が少ないため、大量生産には向きませんが、独特の風味を生み出します。
製法は手作業中心で、白下糖(あめ色の粗糖)から始まります。盆の上で水を加えて練る「研ぎ」という工程を繰り返し、糖蜜を抜きながら粒子を細かくしていきます。昔は盆の上で3回ほど研いだことに由来して「和三盆」と呼ばれるようになりました。
現在も伝統的なものは5回前後繰り返し、全体で1週間程度かかります。この過程で粒子が極めて細やかになり、しっとりとした質感と上品な甘さが生まれます。
特徴は、普通の上白糖と比べて口の中でするっと溶ける滑らかな食感と、くどさのないまろやかな甘さ、後味のすっきり感です。
わずかに残る糖蜜の風味が、素材の味わいを引き立てる役割も果たします。江戸時代後期に四国で生まれた技術で、200年以上の歴史を持ち、国産の高級砂糖として知られています。
用語を使う場面・対象となる食品
和三盆は、主に和菓子の材料として使われます。
特に粒子が細かいため、口溶けを重視する干菓子(打ち物や羽子板形のもの)に最適です。そのまま固めて食べる干菓子自体も「和三盆」と呼ばれることがあり、木型で成形した上品な一口菓子として茶道や贈答品に登場します。
そのほか、饅頭や最中、羊羹、ぜんざいなどの餡作りにも用いられます。
洋菓子ではマドレーヌやプリン、焼き菓子に一部置き換えると風味が優しく仕上がります。お料理では隠し味として煮物やソースに少量加えるケースもあります。分量の20〜100%程度を和三盆に置き換えると、素材の持ち味を活かした仕上がりになると言われています。
産地によって微妙に風味が異なり、讃岐(香川県産)と阿波(徳島県産)で味わいの違いを楽しめる点も魅力です。
日常のグラニュー糖の代用としてではなく、特別な場面で使う高級素材という位置づけが一般的です。

