お菓子の名前(日本語)
シフォンケーキ
お菓子の名前(外国語)
Chiffon Cake(英語)
お菓子の分類
洋菓子/スポンジケーキ(フォームケーキ)の一種
どんなお菓子
シフォンケーキは、絹のように軽くふわふわとした食感を最大の特徴とするスポンジケーキの一種である。中央に穴の空いた円筒形の専用型(シフォンケーキ型/チューブパン)で焼き上げるのが伝統的なスタイルで、その独特のリング形状は見た目にも美しく、一目でシフォンケーキとわかる象徴的なフォルムとなっている。
一般的なバターケーキやスポンジケーキとの最大の違いは、バターを使わずにサラダ油(植物油)を用いる点にある。卵を卵黄と卵白に分け、卵白を角が立つまでしっかりと泡立ててメレンゲを作り、それを卵黄生地に混ぜ合わせることで、驚くほど軽やかでしっとりとした食感が生まれる。バターを使用しないため、動物性脂肪の重たさがなく、口に入れた瞬間にふわりと溶けていくような軽い口当たりが楽しめる。一方で、植物油と卵をたっぷり含んでいるため、パサつきにくくしっとりとした質感が長時間続くという利点もある。
シフォンケーキは、プレーンのまま食べても十分においしいが、そのシンプルな味わいゆえにアレンジの幅がきわめて広い。生地に紅茶やメープルシロップ、抹茶、ココア、コーヒー、フルーツジュースなどを加えたフレーバーバリエーションは無数に存在し、仕上げにホイップクリームを添えたり、アイシングやフルーツでデコレーションしたりと、食べ方の自由度が非常に高いお菓子である。
お菓子の名前の由来
「シフォンケーキ」の「シフォン(chiffon)」は、フランス語で「布きれ」や「ぼろ布」を意味する言葉に由来する。しかし、英語圏においてはフランス語から転じて、薄く透き通るような繊細な絹織物を指す言葉として使われるようになった。ファッションの世界でも「シフォン生地」として知られるとおり、極めて軽く、なめらかで、透けるような繊細さを持つ素材のことである。
考案者であるハリー・ベーカーが、自身の作り出したケーキの食感がまるで絹の織物(シフォン)のように軽く、ふんわりとしていることにちなんでこの名を付けたとされている。実際にシフォンケーキを口にすると、しっかりとした焼き菓子でありながら、まるで空気を食べているかのような軽やかさに驚かされる。この「シフォン=絹のように軽い」というネーミングは、100年近く経った今日でもケーキの特徴をこの上なく的確に表現しており、誰もが納得するお菓子の名前といえるだろう。
なお、シフォンケーキの原型となったとされる「エンジェルフードケーキ(Angel Food Cake)」は、卵白のみを使って焼き上げる白いケーキで、その白さと軽さが「天使の食べ物」にたとえられたことから名付けられたものである。シフォンケーキの名前もまた、こうした「軽さ」や「繊細さ」を比喩的に表現する命名の伝統に連なるものといえる。
お菓子の歴史
シフォンケーキの歴史は、一人のアマチュア料理愛好家による発明と、20年にわたる秘密のレシピという、まるで小説のようなドラマに彩られている。
1927年、アメリカ合衆国カリフォルニア州ロサンゼルスにおいて、保険外交員のハリー・ベーカー(Harry Baker、1883年〜1974年)が、シフォンケーキを初めて考案した。もともとオハイオ州出身のベーカーは、1920年代にロサンゼルスへ移り住み、保険業の傍ら料理を趣味としていた。彼はすでに人気のあったエンジェルフードケーキのレシピをベースに研究を重ね、卵黄と植物油を加えるという革新的なアイデアによって、エンジェルフードケーキにはなかったしっとり感とコクを実現することに成功した。当時、ケーキにバターではなく植物油を使うという発想は製菓の常識を覆すものであり、まさに画期的な発明だった。
ベーカーのシフォンケーキはたちまち評判を呼び、ハリウッドの芸能人のパーティに供され、当時の人気レストラン「ブラウン・ダービー」からも注文が入るほどの人気を博した。しかし、ベーカーはこの秘密のレシピを一切公開しなかった。軽くてしっとりしたこのケーキの製法は一体何なのか、約20年ものあいだ謎に包まれることとなった。
転機が訪れたのは1947年のことである。高齢となったベーカーは、レシピを大手食品メーカーのゼネラルミルズ社に売却する決断を下した。売却額は巨額であったと伝えられており、当時の日本円で1億円とも2億円ともいわれている。ゼネラルミルズ社はレシピを精査・改良し、1948年5月に雑誌『Better Homes and Gardens』に掲載するとともに、自社の有名ブランド「ベティ・クロッカー」名義のパンフレットとして14種類のレシピとバリエーションを公開した。ゼネラルミルズ社はこれを「過去100年で初めての新しいケーキ」と大々的に宣伝し、全米で爆発的なブームを巻き起こした。
ここで初めて世に明かされた秘密、それは「生地に植物油(サラダ油)を加える」というシンプルだが革命的な手法だった。バターを使わずに植物油を使うことで、ケーキに独特のしっとり感と軽やかさが生まれるのである。このレシピにはベーキングパウダーも含まれていたが、実際にはしっかりと泡立てたメレンゲだけでも十分な膨張力があるため、現在ではベーキングパウダーを省略するレシピも多く見られる。
アメリカでのシフォンケーキブームは約10年ほどでピークを過ぎたが、その後も定番のホームメイドケーキとして親しまれ続けた。
日本にシフォンケーキが本格的に紹介されたのは、1980年代頃とされている。愛知県で洋菓子の製造販売を手がける株式会社フレイバーユージの代表者・岩田有司氏が、カリフォルニアでのホームステイ中にシフォンケーキのレシピを入手し、日本人の嗜好に合うように改良してオリジナルレシピとして紹介・販売した。これが日本にシフォンケーキを普及させる大きなきっかけとなった。以降、シフォンケーキは日本の洋菓子文化に深く根付き、本場アメリカ以上に日常的に愛される存在となっている。専門店が各地に誕生し、コンビニエンスストアでもシフォンケーキ商品が定番化するなど、現在では老若男女に親しまれる日本を代表する洋菓子のひとつとなった。
発祥の地
シフォンケーキの発祥地はアメリカ合衆国カリフォルニア州ロサンゼルスである。1927年にハリー・ベーカーがこの地で考案したのが始まりとされている。
アメリカの洋菓子文化の流れのなかで見ると、シフォンケーキは19世紀後半から親しまれていたエンジェルフードケーキの系譜に位置づけられる。エンジェルフードケーキの焼き型(チューブパン)をそのまま受け継いでいることも、その出自を物語っている。シフォンケーキは、フランスやイギリスなどのヨーロッパ発の洋菓子とは異なり、純粋にアメリカで生まれたケーキである点が特徴的である。
日本においては、1980年代以降に愛知県を拠点とするフレイバーユージが普及の先駆けとなった。その後、全国各地にシフォンケーキ専門店が誕生し、北海道から沖縄まで各地でご当地素材を活かしたオリジナルシフォンケーキが作られるようになった。
有名な商品(メーカー名と商品名と販売価格)
シフォンケーキは専門店から大手コンビニエンスストアまで幅広く販売されており、さまざまな価格帯で楽しむことができる。以下に代表的な商品を紹介する(価格は2026年4月時点の参考情報であり、変動の可能性がある)。
FLAVOR(フレイバー)「メープルシフォンケーキ ミドルサイズ」
税込約2,484円。シフォンケーキを日本に広めた先駆者として知られるフレイバーの看板商品である。創業以来の定番フレーバーで、カナダ産メープルシロップのコクのある甘い香りとふわふわの生地が絶妙に調和する。百貨店の催事でも取り扱われてきた、シフォンケーキ界の代名詞的存在である。紅茶シフォンやダブルレモンシフォンなども人気が高い。
六花亭「十勝川西長いもシフォン(バター)」
税込600円。北海道を代表する老舗菓子メーカー六花亭が、十勝産の長芋を生地に練り込んで焼き上げたシフォンケーキである。長芋のもつ自然な粘りがしっとりふわふわの食感を生み出し、季節限定フレーバー(メープル、アップルなど)も登場する。手頃な価格でホール1台が購入できるコストパフォーマンスの高さも魅力である。
菓楽「天使のシフォンケーキ」
税込約745〜880円前後(1ホール、販売店により異なる)。奈良県の菓子メーカー菓楽が製造するシフォンケーキで、プレーン、チョコレート、抹茶、紅茶などの種類がある。全国のスーパーマーケットでも流通しており、口当たりの良いやさしいふわふわ食感が支持されている。お取り寄せランキングでも上位にランクインする人気商品である。
セブン-イレブン「くちどけクリーム&シフォンケーキ」
税込約400円前後。コンビニエンスストアのチルドスイーツとして販売されるシフォンケーキ商品で、くちどけの軽いホイップクリームとシフォン生地を組み合わせたカップスイーツである。手軽に本格的なシフォンの食感を楽しめる点が好評で、季節ごとに限定フレーバーも登場する。
ファミリーマート「クリームたっぷりシフォンサンド」
税込約185円。シフォン生地にクリームを挟んだ手軽なサンドスタイルで、200円以下という価格帯で日常的に楽しめるコンビニシフォンの定番商品である。
味や食感などの特徴
シフォンケーキの最大の魅力は、なんといってもその「ふわふわ」かつ「しっとり」とした唯一無二の食感にある。一般的なスポンジケーキと比べてもはるかに軽く、口に含むと空気を食べているかのような軽やかさが広がり、同時にしっとりとした水分感が口の中に残る。これは、バターではなく植物油を使用していることと、たっぷりのメレンゲによる気泡構造という二つの要素によるものである。
味わいの面では、プレーンのシフォンケーキは卵の風味と砂糖のやさしい甘さが中心で、素朴で飽きのこない味わいを持つ。バターを使わないため、バターケーキのようなリッチなコクはないが、その分軽やかで食べ疲れしない。一切れ食べ終えると、もう一切れ手が伸びてしまうのがシフォンケーキの魅力である。
また、生地のキメが細かく均一であるため、フォークを入れたときに弾力のある「ふわっ」とした手応えがあり、切り口はきめ細かい気泡が整然と並ぶ美しい断面を見せる。焼き立てを冷ましたばかりのシフォンケーキは特にみずみずしく、ほのかに温かみのある卵の香りが鼻をくすぐる。冷蔵庫で冷やすとしっとり感がいっそう増し、冷たいシフォンケーキもまた違った魅力がある。冷凍後に半解凍で食べると、アイスケーキのような新しい食感も楽しめる。
どんな場面やどんな人におすすめ
シフォンケーキは、そのやさしい味わいと軽い食感から、非常に幅広い場面・幅広い層の方におすすめできるお菓子である。
まず、日常のおやつとして最適である。バターを使用しないためカロリーが比較的控えめで、脂っこさがないため、午後のティータイムに紅茶やコーヒーと合わせると至福のひとときを過ごせる。甘さが穏やかなので、甘いお菓子が苦手な方にも受け入れられやすい。
ホームパーティーや手土産としても重宝する。見た目が華やかで、ホールのまま持参すればテーブルの主役になり、その場でカットして取り分けることもできる。ホイップクリームやフルーツを添えれば、ちょっとした記念日のケーキとしても十分な華やかさが生まれる。
お子さまからご年配の方まで幅広く楽しめることも大きな特徴である。ふわふわでやわらかい食感は小さなお子さまにも食べやすく、脂肪分が少なくて軽いため、胃もたれしにくく年配の方にも好まれる。食の細い方や、病み上がりの方への差し入れにも喜ばれるだろう。
さらに、お菓子作りの入門としてもシフォンケーキは最適である。使う材料がシンプルで、特別な道具もシフォン型とハンドミキサーがあれば十分にチャレンジできる。メレンゲの泡立て方や混ぜ方のコツを覚えることで、製菓の基本スキルが身につく点も魅力的である。
材料
シフォンケーキの材料は非常にシンプルである。基本のプレーンシフォンケーキ(直径17cmのシフォン型1台分)に必要な材料は以下のとおりである。
卵黄生地の材料として、卵黄を3〜4個分、グラニュー糖を25〜30g、サラダ油(植物油)を30〜50ml、水または牛乳を40〜50ml、薄力粉を60〜90g使用する。メレンゲの材料として、卵白を3〜4個分、グラニュー糖を40〜50g用意する。そのほか、塩をひとつまみ加えると味が引き締まる。
オリジナルのハリー・ベーカーのレシピでは、メレンゲの安定剤として「クリームオブタータ(酒石酸水素カリウム)」を少量使用していたことも知られている。また、ゼネラルミルズ社が公開したレシピにはベーキングパウダーが含まれていたが、しっかりと泡立てたメレンゲの力だけで十分に膨らむため、現在のレシピではベーキングパウダーを省略するものも多い。
特筆すべきは、シフォンケーキにはバターが一切使われないという点である。植物油を用いることで、バターケーキにはない軽やかさとしっとり感が両立する。サラダ油のほか、太白ごま油やグレープシードオイルなど、風味にクセの少ない植物油であれば代用が可能である。
レシピ
ここでは、基本のプレーンシフォンケーキ(直径17cmのシフォン型1台分)の作り方を紹介する。
準備
オーブンを170℃に予熱しておく。薄力粉は事前にふるっておく。卵は卵黄と卵白に分け、卵白は使用直前まで冷蔵庫で冷やしておくとメレンゲが安定しやすくなる。なお、シフォンケーキ型には油を塗ったり紙を敷いたりしない。生地が型にしっかり張りつくことで膨らみが保たれるためである。
作り方
- 卵黄生地を作る。ボウルに卵黄とグラニュー糖を入れ、白っぽくもったりするまで泡立て器でよく混ぜる。サラダ油を少しずつ加えながら混ぜ、続いて水(または牛乳)を加えてさらに混ぜる。ふるっておいた薄力粉と塩を加え、粉気がなくなるまでなめらかに混ぜ合わせる。ただし、混ぜすぎてグルテンが出ると生地が重くなるため、粘り気が出ない程度にとどめることが大切である。
- メレンゲを作る。別の清潔なボウルに冷やしておいた卵白を入れ、ハンドミキサーで泡立て始める。軽く泡立ったところでグラニュー糖を2〜3回に分けて加えながら、角がしっかりと立つまで泡立てる。ボウルを逆さにしても落ちない程度の固さが目安である。ただし、泡立てすぎるとメレンゲがぼそぼそになってしまうので注意が必要である。
- 卵黄生地とメレンゲを合わせる。メレンゲの3分の1量を卵黄生地のボウルに加え、泡立て器でしっかりと混ぜ合わせる。ここでは泡が多少消えても構わないので、均一になるまでしっかり混ぜることがポイントである。残りのメレンゲを2回に分けて加え、今度はゴムベラに持ち替えて、ボウルの底からすくい上げるようにさっくりと切り混ぜる。白い筋が残らなくなるまで混ぜるが、泡を潰さないよう手早く丁寧に行う。
- 焼成する。生地をシフォンケーキ型に流し入れ、型を数回テーブルに軽く打ちつけて大きな気泡を抜く。予熱した170℃のオーブンで約30〜40分焼く。竹串を刺して生地がついてこなければ焼き上がりである。
- 冷却する。焼きあがったら型ごと逆さまにし、ワインボトルやペットボトルの口に中央の穴を差し込んで、完全に冷めるまでそのまま置く。逆さにすることで、ケーキが自重でしぼむのを防ぐことができる。完全に冷めたら、ケーキナイフやスパチュラを型の内側に沿わせてゆっくりと生地を剥がし、中央の筒部分と底部も同様に外して型から取り出す。
販売温度帯
シフォンケーキの販売温度帯は、商品の形態によっていくつかに分かれる。
プレーンタイプやフレーバータイプのシフォンケーキ(クリームなし)は、常温で販売されるのが一般的である。直射日光や高温多湿を避ければ、常温のまま店頭に並べることが可能で、パン屋やケーキ工房の店頭、スーパーマーケットの焼き菓子売り場などで常温陳列されている姿をよく目にする。
生クリームやカスタードクリームを挟んだもの、フルーツを使用したものなどは冷蔵(チルド)で販売される。コンビニエンスストアのスイーツコーナーに並ぶシフォンケーキ商品は、ほとんどがこの冷蔵販売の温度帯に該当する。
お取り寄せ用や長期保存を想定した商品の中には、冷凍で販売されるものもある。冷凍シフォンケーキは自然解凍してから食べるのが基本で、半解凍状態で食べるとアイスケーキのような食感が楽しめるため、あえて冷凍で販売する専門店も存在する。
主な流通形態
シフォンケーキはさまざまな流通形態で消費者の手に届いている。
洋菓子専門店やシフォンケーキ専門店における店頭販売が、最も伝統的かつ高品質な流通形態である。ホールでの販売が基本で、焼きたてのふわふわ感を最大限に味わえる。カットしてバラ売りする店舗もある。
スーパーマーケットやコンビニエンスストアでの販売は、シフォンケーキをもっとも身近な存在にしている流通形態である。個食サイズにカットされ、クリームやフルーツと組み合わせたスイーツ商品として販売されるケースが多い。
インターネット通販(お取り寄せ)は、地方の名店の味を全国どこでも楽しめる流通形態として人気が高い。冷凍便や冷蔵便で配送され、ギフトBOX入りの商品も充実している。楽天市場やYahoo!ショッピングなどのECモールを通じた販売が活発に行われている。
百貨店の催事やイベント出店も重要な流通チャネルである。人気のシフォンケーキ店が期間限定で出店し、行列ができるほどの人気を集めることも珍しくない。
価格帯
シフォンケーキの価格帯は、販売チャネルと商品の形態によって幅がある。
コンビニエンスストアで販売される個食タイプのシフォンケーキスイーツは、150〜400円程度が中心的な価格帯である。手軽に楽しめるデイリースイーツとして位置づけられている。
スーパーマーケットで販売されるホールのシフォンケーキは、500〜1,000円程度の価格帯が主流である。菓楽の「天使のシフォンケーキ」のように、ホール1台が800円前後で購入できる商品はコストパフォーマンスが高い。
洋菓子専門店やシフォンケーキ専門店のホール商品は、1,500〜3,500円程度の価格帯が多い。フレイバーのメープルシフォンケーキのような有名店の商品は2,000〜2,500円前後が目安となる。素材や製法にこだわった高級路線の商品では4,000〜5,000円を超えるものもある。
お取り寄せの場合は送料が加算されるため、商品代金に加えて800〜1,200円程度の配送コストを見込む必要がある。
日持ち
シフォンケーキの日持ちは、保存方法と商品の種類によって異なる。
プレーンタイプ(クリームなし)のシフォンケーキの場合、常温保存で1〜2日程度が目安である。直射日光や高温多湿を避け、涼しい場所で保管する。夏場は特に傷みやすいため注意が必要である。冷蔵保存の場合は2〜5日程度持つが、冷蔵庫内は乾燥しやすいため、ラップでしっかりと包むか密閉容器に入れて保存することが大切である。冷凍保存の場合は2週間〜1か月程度保存が可能で、1カットずつラップで密封してから冷凍すると便利である。食べる際は常温で2〜3時間自然解凍するとふわふわの食感が戻る。
クリームやフルーツを挟んだものは常温保存には適さず、冷蔵保存で当日中から翌日中に食べきるのが原則である。
市販品については、メーカーが設定した賞味期限・消費期限に従うのが基本だが、六花亭の「十勝川西長いもシフォン」のように冷蔵で2日間という設定の商品もあれば、常温で1週間以上の日持ちを実現した長期保存タイプの商品もある。
シフォンケーキの食べごろは、焼き上がりから半日〜1日経過した頃とされている。焼き立てはまだ卵の焼けた匂いが強く出る場合があるため、しっかりと冷まして落ち着かせてから食べると、風味がまろやかになりベストな状態で味わえる。
アレンジ・バリエーション
シフォンケーキは、そのシンプルな構成ゆえにアレンジの幅がきわめて広く、数え切れないほどのバリエーションが存在する。
生地のフレーバーバリエーション
紅茶(アールグレイ)シフォン、メープルシフォン、抹茶シフォン、ココア(チョコレート)シフォン、コーヒーシフォン、レモンシフォン、オレンジシフォン、バナナシフォン、かぼちゃシフォン、ほうじ茶シフォンなどが定番人気である。水の代わりにジュースや茶葉を煮出した液を用いることで、手軽にフレーバーを変えることができるのがシフォンケーキの利点である。刻んだドライフルーツやナッツ、チョコチップなどを生地に混ぜ込む方法も広く行われている。
米粉を使用した米粉シフォンケーキ
小麦粉の代わりに国産米粉を使うことで、もちもちとした独特の食感が生まれ、グルテンフリーを求める健康志向の消費者にも対応できる。米粉シフォンケーキの専門店も各地に誕生しており、新しい潮流となっている。
デコレーションのバリエーション
シンプルにホイップクリームを添えたり、ホール全体に生クリームを塗ってデコレーションケーキに仕上げたりすることができる。季節のフルーツを飾れば、誕生日ケーキとしても十分に華やかに仕上がる。粉砂糖を表面にふりかけるだけでも、エレガントな印象を与えることができる。
マーブルシフォンケーキ
プレーン生地にココアを溶かしたものを垂らし、箸で1〜2回軽くかき混ぜてから型に入れて焼くことで、美しいマーブル模様に仕上がる。見た目の美しさとチョコレートの風味が加わり、プレゼントにも喜ばれるアレンジである。
カップシフォンケーキやシフォンカップケーキ
紙カップで小さく焼き上げるスタイルも人気である。配りやすく、パーティーやイベントでの差し入れに最適で、一人分ずつの食べきりサイズが衛生面でも好まれる。
トッピングの工夫
ホイップクリームのほかにカスタードクリーム、チョコレートソース、キャラメルソース、メープルシロップ、ジャム、アイスクリームなどを添えることで、味わいの変化を楽しめる。シフォンケーキ自体の味がシンプルであるがゆえに、どんなトッピングとも相性が良いのが大きな強みである。
