お菓子の名前(日本語)

充填クッキー(じゅうてんクッキー)/スタッフドクッキー/フィルドクッキー

お菓子の名前(外国語)

英語:Stuffed Cookie / Filled Cookie フランス語:Cookie fourré イタリア語:Biscotto ripieno ドイツ語:Gefüllter Keks

お菓子の分類

焼菓子(洋菓子)/クッキー類/充填菓子

どんなお菓子

充填クッキー(フィルドクッキー/スタッフドクッキー)とは、クッキー生地の内部にクリーム、チョコレート、ジャム、ナッツペースト、フルーツフィリングなどの「中身(フィリング)」を詰め込んで焼き上げた、または焼成後に中にフィリングを注入して仕上げた菓子の総称です。2枚のクッキーでクリームを挟む「サンドイッチクッキー」とは異なり、充填クッキーはクッキー生地がフィリングを包み込む形で一体化している点が最大の特徴です。外から見ると一見普通のクッキーのように見えますが、割ったり噛んだりした瞬間に中からフィリングがあふれ出す「サプライズ感」が大きな魅力となっています。

充填クッキーは、その構造上、外側のクッキー生地と内側のフィリングの組み合わせによって無限のバリエーションが生まれます。クッキー生地にはプレーン、チョコレート、抹茶、ココアなどが用いられ、フィリングにはヌテラ(ヘーゼルナッツスプレッド)、キャラメル、ピーナッツバター、クリームチーズ、各種ジャム(いちご、ブルーベリー、アプリコットなど)、カスタードクリーム、チョコレートガナッシュ、ドライフルーツのペースト(いちじく、デーツなど)といった多彩な素材が使われます。外はサクッと、中はとろりとした食感のコントラストを楽しめるのが、このお菓子ならではの醍醐味です。

お菓子の名前の由来

「充填クッキー」という名称は、日本の製菓業界で使われる製造工程に基づいた呼称です。「充填(じゅうてん)」とは、容器や生地の中に液体やペースト状の素材を詰め込む工程を意味し、クッキー生地の中にフィリングを「充填」して成形・焼成することからこの名前がつけられました。食品製造の現場では「充填機」と呼ばれる専用の機械を使って生産されることも多く、工業的・技術的な観点からこの呼称が定着しています。

英語圏では「Stuffed Cookie(スタッフドクッキー)」や「Filled Cookie(フィルドクッキー)」と呼ばれます。「Stuffed」は「詰め物をした」という意味で、料理用語としてはピーマンの肉詰め(Stuffed Pepper)などと同様に、何かの中に別の食材を詰め込んだものを指します。「Filled」はより広義で「満たされた」「充填された」という意味を持ちます。近年、特にアメリカやヨーロッパでは「Stuffed Cookie」がSNSやベーカリーショップで一大トレンドとなっており、巨大なクッキーの中にヌテラやキャラメルをたっぷり詰め込んだ商品が人気を博しています。

お菓子の歴史

充填クッキーの歴史は、クッキーそのものの起源と深く結びついています。クッキーの歴史は、7世紀のペルシア(現在のイラン)にまで遡ります。この地域で砂糖の使用が一般的になったことをきっかけに、甘い小さな焼き菓子が誕生しました。これがイスラム勢力によるイベリア半島征服を通じてヨーロッパに伝わり、14世紀にはヨーロッパ全土で広く親しまれるようになりました。

焼き菓子の中にフルーツやナッツなどのフィリングを詰める技法も、この文化的交流の中で発展してきたと考えられています。特にシチリア島では、9世紀から11世紀にかけてのアラブ人の支配下で、いちじくやナッツを使った充填菓子「チュチダーティ(Cuccidati)」が誕生しました。これはいちじくのペースト、レーズン、くるみ、柑橘類の皮などを薄いクッキー生地で包んで焼いたもので、現在もイタリア系アメリカ人のクリスマスの伝統菓子として受け継がれています。

近代に入り、充填クッキーの歴史で最も画期的な出来事の一つが、1891年のフィグニュートン(Fig Newton)の誕生です。アメリカ・マサチューセッツ州ケンブリッジにあるF.A.ケネディ蒸気パン工場で、ジェームズ・ヘンリー・ミッチェルが発明したクッキー押出機によって、いちじくのペーストをクッキー生地で包んだ製品の量産が可能となりました。ボストン郊外のニュートン市にちなんで「ニュートン」と名付けられたこの製品は、やがてナビスコ(現モンデリーズ・インターナショナル)のブランドとして世界的に知られるようになりました。

20世紀以降、食品製造技術の進歩に伴い、充填クッキーはさらに多様化しました。日本では、不二家の「カントリーマアム」(1984年発売)のように生地の中にチョコチップを練り込みつつしっとりした食感を実現した商品や、江崎グリコの「クリームコロン」(1970年発売)のように筒状のワッフル生地の中にクリームを充填した製品が長年にわたって愛されています。

2010年代後半から2020年代にかけて、特にアメリカを中心に「Stuffed Cookie(スタッフドクッキー)」がSNS上で爆発的な人気を獲得しました。分厚いクッキー生地の中にヌテラやピーナッツバターカップ、オレオ、キャラメルソースなどを丸ごと詰め込んだ巨大なクッキーがTikTokやInstagramで話題となり、専門店が次々とオープンしています。2019年にはイタリアのフェレロ社が「Nutella Biscuits(ヌテラビスケット)」を発売し、ハート型のビスケットの中にヌテラを充填した商品がヨーロッパで大ヒットしました。日本では2024年3月に正式に上陸し、コストコなどで販売されています。

発祥の地

充填クッキーの起源を単一の地域に限定することは難しいですが、歴史的な観点から以下のような発祥の系譜を辿ることができます。

クッキーそのものの起源は7世紀のペルシア(現在のイラン)です。フルーツを詰めた焼き菓子の原型はシチリア島(イタリア)で9〜11世紀に発展し、充填クッキーの近代的な大量生産はアメリカ・マサチューセッツ州で1891年に始まりました。現代のSNS発「スタッフドクッキー」ブームはアメリカ全土から世界に広がっています。

有名な商品(メーカー名と商品名と販売価格)

充填クッキーに分類される商品は世界中に多数存在します。以下に代表的な商品を紹介します。

フェレロ社「ヌテラビスケット(Nutella Biscuits)」
サクサクに焼き上げたハート模様のビスケットの中にヌテラを充填した商品です。2019年にイタリアで発売され大ヒットしました。日本ではコストコで20枚×2袋入り(552g)が約1,598円(税込)で販売されています。カルディなどの輸入食品店では3枚入りの小パックも取り扱いがあります。

モンデリーズ・インターナショナル「ニュートン(Newtons)」
旧称「フィグニュートン」として知られる、1891年誕生の元祖充填クッキーともいえるロングセラー商品です。柔らかいケーキ状の生地の中にいちじくのペーストが充填されています。2012年に「Fig」の名称が外され「Newtons」に改称されました。アメリカでは12パック入りが約5〜7ドル程度で販売されています。いちじくのほかにストロベリー、ブルーベリー、アップルシナモンなどのバリエーションがあります。

不二家「カントリーマアム」
日本を代表するソフトクッキーです。クッキー生地の中にチョコチップが練り込まれ、「外はサックリ、中はしっとり」の独特な食感を実現しています。厳密には「中にフィリングを充填する」タイプとは異なりますが、生地内部のしっとりした層が充填クッキー的な構造を持っています。バニラ&ココアの14枚入りが参考価格で約350円前後です。

江崎グリコ「クリームコロン」
筒状に焼き上げた薄いワッフル生地(クッキー生地)の中にクリームを充填した商品です。1970年の発売以来、ロングセラーとして親しまれています。「大人のミルク」味で48g入りが参考価格約200〜250円程度です。賞味期限はメーカー製造日より12カ月です。

味や食感などの特徴

充填クッキーの最大の魅力は、外側の生地と内側のフィリングが織りなす「食感と味のコントラスト」にあります。

外側のクッキー生地は、サクサクとした軽い歯触りのものから、しっとりとしたソフトな食感のものまでさまざまです。型抜きクッキーのようなしっかりした生地を使うタイプでは、パリッとした食感の後にとろりとしたフィリングが口の中に広がります。一方、アメリカンスタイルのソフトクッキー生地を使うタイプでは、ふんわりとした生地を噛むと中から濃厚なチョコレートやキャラメルがあふれ出す贅沢な味わいが楽しめます。

フィリングの味わいについては、チョコレート系(ヌテラ、ガナッシュ、チョコレートスプレッド)は濃厚でリッチな甘さが特徴です。フルーツ系(いちじく、デーツ、ベリー類のジャム)は甘さの中に酸味や果実の風味が感じられます。ナッツ系(ピーナッツバター、アーモンドペースト)はコクのある香ばしさが加わります。クリーム系(クリームチーズ、カスタード)はまろやかで優しい味わいとなります。

温めて食べるとフィリングがとろりと溶けてさらにおいしくなる商品も多く、電子レンジで10〜15秒ほど加熱する食べ方も人気です。

どんな場面やどんな人におすすめ

充填クッキーは、そのバリエーションの豊富さと満足感の高さから、幅広い場面・対象に適しています。

ティータイムのおやつとしては、コーヒーや紅茶との相性が抜群です。フィリングの濃厚な甘さがカフェタイムをより充実したものにしてくれます。手土産やギフトとしても、見た目は普通のクッキーでありながら中を割った時のサプライズ感が喜ばれます。

お子さんのおやつとしては、1個あたりの満足感が高く食べ応えがあるため、少量でも充実したスナックタイムになります。フルーツフィリング入りのものは甘すぎず、自然な果実の風味が楽しめるため、お子さんにも食べやすいです。

ホームパーティーやピクニックでは、数種類のフレーバーを用意して「中身は何でしょう?」と当てっこゲームをしながら楽しむことも可能です。手作りのバレンタインやクリスマスのギフトとしても、見た目のインパクトと手の込んだ印象を与えることができます。

また、お菓子作りが好きな方にとっては、フィリングのアレンジ次第でオリジナリティあふれるクッキーを作れる点が魅力です。SNSにも映えるため、製菓の腕前を発信したい方にもおすすめです。

材料

充填クッキーの基本的な材料は、クッキー生地部分とフィリング部分に大別されます。

クッキー生地の基本材料
薄力粉(200g程度)、無塩バター(100〜120g)、砂糖またはグラニュー糖(60〜80g)、卵(1個)、バニラエッセンス(少々)、塩(ひとつまみ)、ベーキングパウダー(小さじ1/2程度)です。ココア味にする場合はココアパウダーを20〜30g加え、薄力粉をその分減らします。

フィリングの代表的な材料
チョコレート系ではヌテラ、チョコレートガナッシュ(チョコレートと生クリーム)が、フルーツ系ではいちじくペースト、デーツペースト、各種ジャムが、ナッツ系ではピーナッツバター、アーモンドバターが、クリーム系ではクリームチーズと粉砂糖の混合物などがあります。

レシピ

ここでは、家庭で手軽に作れる「ヌテラ入り充填チョコチップクッキー」の基本レシピを紹介します。

材料(約12〜15個分)

クッキー生地として無塩バター120g(室温に戻す)、グラニュー糖50g、ブラウンシュガー50g、卵1個、バニラエッセンス小さじ1、薄力粉220g、ベーキングソーダ小さじ1/2、塩小さじ1/4、チョコチップ80gを用意します。フィリングとしてヌテラ(またはお好みのチョコレートスプレッド)を約180g用意します。

下準備

ヌテラを大さじ1ずつ丸めてクッキングシートを敷いたバットに並べ、冷凍庫で1時間以上凍らせます。これによってクッキー生地で包みやすくなります。

クッキー生地の作り方

  1. まず、ボウルにバターを入れてクリーム状になるまで混ぜ、グラニュー糖とブラウンシュガーを加えてふわっとするまで混ぜ合わせます。卵とバニラエッセンスを加えてよく混ぜます。別のボウルで薄力粉、ベーキングソーダ、塩を合わせてふるい、バターの混合物に加えてゴムベラでさっくり混ぜます。最後にチョコチップを加えて均一に混ぜ込みます。
  2. 成形と焼成として、生地を12〜15等分にして1個分を手のひらで平たくし、中央に凍らせたヌテラのボールを1個置きます。生地でヌテラを完全に包み込むようにして丸めます。クッキングシートを敷いた天板に間隔をあけて並べ、冷蔵庫で30分ほど休ませます。180℃に予熱したオーブンで12〜14分焼きます。端がこんがりと色づき、中央がまだ少しやわらかい状態がベストです。天板の上で5分冷ましてからラックに移します。

ポイント

ヌテラを事前にしっかり凍らせておくことで、焼成中にフィリングが流れ出すのを防げます。焼きすぎるとフィリングが固くなるので、中央が少し生っぽく見えるくらいで取り出すのがコツです。

販売温度帯

充填クッキーの販売温度帯は、フィリングの種類によって異なります。

最も一般的なのは常温販売で、チョコレートスプレッド、ジャム、ドライフルーツペーストなどの水分量が少ないフィリングを使った商品が該当します。ヌテラビスケットやニュートンなどの市販品はすべて常温で流通しています。

一方、生クリームやクリームチーズを使用したフィリングの場合は冷蔵販売が基本です。パティスリーや洋菓子店で販売される手作りの充填クッキーには、冷蔵保存が必要なものもあります。

冷凍販売の例としては、焼成前の冷凍クッキー生地(中にフィリング入り)がベーカリー業務用や一部の通販サイトで販売されています。家庭で焼きたてを楽しめる商品として近年注目されています。

主な流通形態

充填クッキーは、多様な流通形態で消費者の手に届いています。

市販の袋入り・箱入り商品としては、スーパーマーケット、コンビニエンスストア、ドラッグストアなどで広く販売されています。ヌテラビスケットはコストコやカルディなどの輸入食品店で取り扱いがあります。ニュートンはアメリカのスーパーを中心に流通していますが、日本では一部の輸入食品店や通販サイトで入手可能です。

パティスリー・ベーカリーでの対面販売も重要な流通形態です。近年のスタッフドクッキーブームにより、専門店で1個ずつ手作りされた大型の充填クッキーが販売されるケースが増えています。

通信販売(EC)も拡大しており、Amazon、楽天市場などの大手通販サイトや、個人パティシエによるオンラインショップでオリジナルの充填クッキーが購入可能です。ギフトセットとして包装された商品も人気があります。

価格帯

充填クッキーの価格帯は、商品の種類や販売形態によって幅があります。

市販の大量生産品(スーパー・コンビニ向け)としては、1袋あたり200〜600円程度が一般的です。グリコのクリームコロンは48g入りで約200〜250円、不二家のカントリーマアムは14枚入りで約350円前後です。ヌテラビスケットはコストコの40枚入りで約1,598円(1枚あたり約40円)です。

専門店やパティスリーの手作り品としては、1個あたり300〜800円程度が目安です。アメリカのグルメスタッフドクッキー専門店では、1個あたり4〜8ドル(約600〜1,200円程度)の価格帯が一般的です。

ギフト用の詰め合わせ商品は、内容量やブランドにより1,000〜5,000円程度の幅があります。

日持ち

充填クッキーの日持ちは、フィリングの種類と保存条件によって大きく異なります。

市販の常温保存品(ヌテラビスケット、ニュートン、クリームコロンなど)は、製造日より6カ月〜12カ月程度の賞味期限が設定されていることが一般的です。グリコのクリームコロンは製造日より12カ月、ヌテラビスケットは製造日より概ね数カ月程度です。

手作りの充填クッキー(ジャムやチョコレートフィリング入り)は、常温で3〜5日程度が目安です。密閉容器に入れて涼しい場所で保存します。クリームチーズや生クリームを使ったフィリングの場合は冷蔵保存で2〜3日程度が限度です。

冷凍保存であれば、焼成後の充填クッキーは約1カ月程度保存可能です。食べる際は常温で自然解凍するか、電子レンジで軽く温めるとおいしくいただけます。

アレンジ・バリエーション

充填クッキーは、生地とフィリングの組み合わせ次第で無限のアレンジが可能です。

フィリングのバリエーション
チョコレート系ではヌテラ、ミルクチョコガナッシュ、ホワイトチョコガナッシュ、抹茶チョコなどがあります。フルーツ系ではいちじく、デーツ、レモンカード、ラズベリージャム、アプリコットジャム、りんごのコンポートなどが使えます。ナッツ系ではピーナッツバター、アーモンドバター、ピスタチオクリーム、ヘーゼルナッツペーストなどが人気です。和風素材ではあんこ(こしあん・つぶあん)、白あん、栗きんとん、黒ごまペースト、ゆず味噌などを使うと独自の風味が楽しめます。その他にもビスコフスプレッド、クリームチーズ+砂糖、マシュマロ(スモア風)、キャラメルソースなど多彩な選択肢があります。

クッキー生地のバリエーション
プレーンバター生地のほかに、ココア生地、抹茶生地、レッドベルベット生地、オートミール生地、ピーナッツバター生地、スパイス入り生地(シナモン、ジンジャー、ナツメグ)などがあります。

形状のバリエーション
丸型(最も一般的)のほか、三日月型(フルーツフィリング入りのルゲラハ風)、棒状(フィグニュートン型)、筒型(クリームコロン型)、ハート型(ヌテラビスケット型)、花型(型押しクッキー)などがあります。

季節・イベント限定のアレンジ
クリスマスにはスパイス入り生地にドライフルーツとナッツのフィリング(チュチダーティ風)、バレンタインにはチョコレート生地にラズベリーガナッシュ、ハロウィンにはパンプキンスパイス生地にクリームチーズフィリング、春にはいちご生地にホワイトチョコフィリングなど、季節に合わせたアレンジが楽しめます。

食べ方のアレンジ
電子レンジで10〜15秒加熱してフィリングをとろとろにする温めアレンジ、アイスクリームを添えてデザートプレートにする食べ方、砕いてアイスクリームやヨーグルトのトッピングにする活用法なども人気です。

免責事項

商品紹介等については、公式サイトおよび公開情報を基に作成しております。
記載内容は掲載時時点での参考値です。商品仕様は予告なく変更される場合があります。
購入・ご利用の際は必ず最新のパッケージ表示または公式情報をご確認ください。特に食物アレルギーをお持ちの方は原材料を十分にご確認の上お求めください。
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