用語名称(日本語、外国語)

香煎(こうせん)

英語では「roasted barley flour」または「parched barley flour」と訳されます。

意味

香煎とは、オオムギ(またはハダカムギ)の玄穀をじっくり焙煎したあと、挽いて粉末にしたものです。別名として「はったい粉」「麦こがし」「煎り麦」「おちらし粉」などがあり、地域によって呼び方が異なります。

色は灰褐色で、きな粉に似ていますが、原料が大豆ではなく大麦なので、風味もまったく違います。焙煎の工程で生まれる香ばしさと、穀物本来のほのかな甘みが特徴です。消化がよく、昔から子どもからお年寄りまで親しまれてきました。

茶道の文脈では、香りを楽しむために煎じた穀物やハーブ類を指す場合もありますが、お菓子の世界では主に大麦の焙煎粉を意味します。

用語を使う場面・対象となる食品

香煎は、和菓子の原料として欠かせない存在です。特に、砂糖を混ぜて型で押し固める「麦落雁(むぎらくがん)」や、仙台の郷土駄菓子「こうせん菓子」の主材料になります。こうせん菓子は、香煎に白砂糖を加えて練り、木型で成形した素朴な干菓子で、香ばしい味わいがそのまま楽しめます。

昔ながらの食べ方では、香煎に砂糖を加えて熱いお湯で練り、割り箸でかき混ぜて食べる「はったい」として親しまれました。家庭で簡単に作れるおやつとして、昭和の頃まで行商人が街で売る姿も見られたそうです。
また、麦手餅(むぎてもち)のような季節の和菓子では、もち生地やあんの上に香煎をまぶして風味付けします。現代では、ホットケーキやクッキーの生地に少量加えて香ばしさをプラスするアレンジも増えています。

このように、香煎はシンプルな素材ながら、和菓子の味わいに深みを加える重要な役割を果たします。地域ごとの郷土菓子や、日常のおやつに今も根強く使われ続けている伝統的な用語です。

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