用語名称(日本語、外国語)
イギリスパン(英語:English bread / Pullman loaf に近い形状の食パン)
意味

イギリスパンとは、日本の製パン業界で用いられる呼称で、主に角型の型に入れて焼き上げる山のない食パンを指す。しっかりとした外皮(クラスト)と、やや引き締まった内相(クラム)が特徴である。
一般的な日本の「食パン」との違いは、配合と焼成方法にある。イギリスパンは、砂糖や油脂を控えめにした配合で作られることが多く、小麦本来の風味と発酵による香りを重視する。対して、日本で広く流通する山型食パンやリッチな配合の食パンは、甘みや柔らかさを強調した仕上がりになる。
名称に「イギリス」と付くが、これは日本独自の呼び方であり、イギリスで一般的にこの名称が使われているわけではない。形状としては、イギリスのサンドイッチ用食パンであるプルマンローフ(Pullman loaf)に近いが、日本のイギリスパンはそれを参考にしつつ独自に発展したものと考えられる。
また、焼成時に蓋をして焼くことで上面が平らになり、均一な厚みにスライスしやすい点も特徴の一つである。このため、トーストやサンドイッチ用途に適している。
用語を使う場面・対象となる食品
イギリスパンという用語は、主に以下のような場面で用いられる。
・ベーカリーの商品名や分類
パン屋では、甘さ控えめで歯切れのよい食パンを区別するために「イギリスパン」と表示することがある。購入者に対して、軽いトースト向きの食感であることを伝える役割を持つ。
・製パン現場での配合・製法の区別
職人同士の会話では、「イギリスパン配合」「イギリスパン生地」といった形で、砂糖や油脂を抑えたリーンな生地を指す言葉として使われる。これにより、ブリオッシュのようなリッチ生地と区別される。
・サンドイッチ・トースト用途
クラストがややしっかりしているため、トーストすると香ばしさが際立つ。ハムやチーズ、卵などを挟むサンドイッチにも適しており、水分の多い具材でもパンが崩れにくい。
・給食や業務用パンの分類
学校給食や業務用の現場では、甘さを抑えた食事用パンとしてイギリスパンが採用されることがある。味の主張が穏やかなため、ジャムやバター、惣菜と合わせやすい。
