お菓子の名前(日本語)
小麦せんべい(こむぎせんべい)/小麦粉せんべい(こむぎこせんべい)
お菓子の名前(外国語)
英語:Wheat Flour Senbei(Wheat Flour Cracker)
日本食品標準成分表(八訂)では、英名として「Wheat flour senbei」と記載されている。海外では「Japanese wheat cracker」と呼ばれることもある。なお、一般的な米を原料とするせんべいは英語で「rice cracker」と訳されるが、小麦せんべいはそれと区別して「wheat flour cracker」と表記される。
お菓子の分類
和菓子(和干菓子類)/焼き菓子
文部科学省の日本食品標準成分表では「菓子類>和干菓子類>小麦粉せんべい」に分類される。煎餅は大きく「米を主材にするもの(米菓煎餅)」と「小麦粉を主材にするもの(小麦粉煎餅)」の二つに大別され、小麦せんべいは後者に該当する。食品成分表ではさらに磯部せんべい、かわらせんべい、南部せんべい(ごま入り・落花生入り)、巻きせんべいなどの細分類が設けられている。伝統的な和菓子のなかでも「干菓子」に位置づけられ、水分量が少なく日持ちが良いのが特徴である。
どんなお菓子?
小麦せんべいとは、小麦粉を主原料として焼き上げた煎餅の総称である。米を主原料とする一般的な煎餅(草加せんべいに代表される醤油味のパリッとした煎餅)とは異なり、小麦粉に砂糖・卵・鉱泉水・ごまなどを加え、型に入れて焼いたり、鉄板で挟み焼きにしたりして作られる。
小麦せんべいの世界は実に幅広く、そのバリエーションは地域や製法によってさまざまである。代表的なものとしては、東北地方の素朴で堅い「南部せんべい」、群馬県磯部温泉の鉱泉水を用いた軽やかな「磯部せんべい」、兵庫県有馬温泉の炭酸泉を活かした薄くパリッとした「炭酸せんべい」、香川県高松市の讃岐三盆を使った上品な甘さの「瓦せんべい」、卵と砂糖をたっぷり使って筒状に巻いた「巻きせんべい」などが挙げられる。
米菓のせんべいが醤油や塩で味付けされた塩気のある味わいが主流であるのに対し、小麦せんべいはほんのりとした甘さを持つものが多い。ただし南部せんべいのように甘さを抑えた素朴なタイプもあり、一口に「小麦せんべい」といっても味わいは千差万別である。口のなかでほろりと崩れるような繊細な食感のものから、ガリガリとした歯応えのあるものまで、実にさまざまな顔を持つお菓子といえる。
お菓子の名前の由来
「せんべい」という名前は漢字で「煎餅」と書く。「煎」は鉄板の上で焼くこと、「餅」は中国語で小麦粉や穀物の粉を水で練って平たく成形した食品全般を指す言葉である。つまり「煎餅」は「粉を練って平たくし、焼いたもの」という意味が原義となっている。
「せんべい」の名前の由来には諸説ある。広く知られているのは、日光街道の宿場町・草加宿(現在の埼玉県草加市)で団子を売っていた「おせん」という老婆にちなむ説である。おせんさんが作って売る餅ということで「せんべい」と呼ばれるようになったとされる。ただし、この説は主に米せんべいに関わるものであり、小麦せんべいにはまた別の文脈がある。
もともと中国から日本に伝わった「煎餅」は小麦粉や米粉を練って油で焼いたものであり、「小麦せんべい」こそがせんべいの原型に近い。737年に書かれたとされる文書『但馬国正税帳』にも「せんべい」の文字が見られ、この時代の「せんべい」は小麦粉を原料としていた可能性が高いと考えられている。したがって、「小麦せんべい」は名前の由来としては最も古い「煎餅」の姿を今に伝えるものともいえるのである。
お菓子の歴史
小麦せんべいの歴史は、日本におけるせんべいの歴史そのものと深く結びついている。
せんべいの起源は、紀元前202年から紀元後8年頃の中国にまで遡るとされている。当時の中国ではおめでたい日の食事として煎餅が供されていた。日本には飛鳥時代から奈良時代にかけて伝来したと考えられており、737年の文書『但馬国正税帳』には「煎餅」の文字が記載されている。一説には平安時代に空海(弘法大師)が唐から煎餅の製法を持ち帰ったともいわれるが、当時のせんべいは現在の米せんべいとは異なり、小麦粉を練って油で焼いたものであった。10世紀前半に編纂された辞書『和名類聚抄』には、せんべいを「小麦粉を油で熬(い)ったもの」と記載しており、この時代のせんべいが小麦粉製であったことがうかがえる。
一般財団法人製粉振興会の資料によれば、せんべいは弘法大師が中国から持ち帰ったと伝えられるものの、当時の素材は米粉や葛であり、小麦粉を用いたせんべいが作られ始めたのは江戸時代からとされている。江戸時代には小麦粉の生産が本格化し、江戸の市街では小麦粉のせんべいを販売する店がいくつも営業していた。甘い瓦せんべいなども、この時代に登場したとみられている。
南部せんべいの歴史は特に古く、南北朝時代(14世紀)にまで遡る伝承がある。広く知られている「長慶天皇創始説」によれば、南朝の長慶天皇が名久井岳の麓(現在の青森県三戸郡南部町)を訪れた際、家臣の赤松助左衛門がそば粉とごまを手に入れ、自身の鉄兜を鍋の代わりにして焼き上げたものが南部せんべいの始まりとされている。実際にはそば粉や大麦が主原料であった時代が長く、小麦粉が主原料となったのは比較的近世以降のことである。明治10年代には八戸町だけで煎餅店が140店を数え、地域に深く根付いた食文化であったことがわかっている。
磯部せんべいは群馬県磯部温泉で100年以上の歴史を誇り、鉱泉水の炭酸成分を活かした独特の製法が受け継がれてきた。有馬温泉の炭酸せんべいも明治時代末期に誕生し、温泉地の名物として長く親しまれている。瓦せんべいは江戸時代に端を発し、香川県高松市では明治元年(1868年)創業のくつわ堂総本店、神戸では明治6年(1873年)創業の亀井堂總本店が、それぞれ伝統の味を守り続けている。
このように、小麦せんべいは日本各地の風土や文化と結びつきながら、数百年にわたって多彩な発展を遂げてきた和菓子なのである。
発祥の地
小麦せんべいは日本各地でそれぞれ独自に発展してきたため、単一の「発祥の地」を特定することは難しい。しかし、せんべい全体の原型としては中国が発祥とされ、日本には飛鳥時代から奈良時代にかけて伝来した。
代表的な小麦せんべいの発祥地は以下のとおりである。南部せんべいは青森県八戸地域を発祥とし、青森県と岩手県が主な生産・消費地である。磯部せんべいは群馬県安中市の磯部温泉が発祥で、温泉の鉱泉水を使用する。炭酸せんべいは兵庫県神戸市の有馬温泉が発祥の地であり、明治時代末期に誕生した。瓦せんべいは複数の地域に存在するが、特に香川県高松市と兵庫県神戸市のものが有名である。高松では高松城の瓦をかたどったことがその名の由来とされ、神戸では明治6年創業の亀井堂總本店が広く知られている。
有名な商品(メーカー名と商品名と販売価格)
小麦せんべいには、全国的に知られた有名商品が数多く存在する。以下にその代表的なものを紹介する。なお、価格は変動する場合があるため、あくまで参考価格として記載する。
まず、南部せんべいの分野では、岩手県二戸市に本社を構える小松製菓(ブランド名:巖手屋〈いわてや〉)が最大手メーカーとして知られる。看板商品の「南部せんべい 詰合せ 七宝文様」は9種50枚入りで約3,980円(税込・送料無料)。ごませんべいや落花生せんべいなど定番から、りんごせんべいやいかせんべいといった変わり種まで幅広いラインナップを展開している。ひとくちサイズの商品は1袋257円(税込)程度から購入可能である。
次に、磯部せんべいでは群馬県安中市の田村製菓が老舗として名高い。「磯部煎餅」は小麦粉・砂糖・菜種油の3つの素材だけで作られた素朴な味わいが特徴で、賞味期限は60日。同じく安中市の御菓子処 名月堂は130年の歴史を持ち、群馬県産小麦粉100%と磯部鉱泉水で焼き上げる「昔作り 磯部せんべい」が人気である。名月堂の磯部せんべいは8袋16枚入りで864円(税込)から購入できる。安中市のゆもとでは1パック(2枚入り)70円という手頃な価格で販売されている。
炭酸せんべいの分野では、兵庫県神戸市の有馬温泉にある三津森本舗が「元祖 炭酸せんべい」として知られる。手焼き炭酸煎餅は34枚入りで約1,300円。自動機焼きの炭酸煎餅は810円から1,800円程度、クリームを挟んだ「クリーム炭酸ア・ラ・カルト」は900円から2,200円程度で販売されている。
瓦せんべいの分野では、神戸市の亀井堂總本店(明治6年創業)が代表格であり、「瓦せんべい 小瓦」は16枚箱入りで約1,200円、30枚箱入りで約2,268円、72枚箱入りで約5,444円。賞味期限は150日と長い。香川県高松市の宗家くつわ堂(明治10年創業)の瓦せんべいも有名で、小瓦せんべいは788円から5,400円(税込)まで各種サイズが揃う。讃岐特産の和三盆を使用した上品な甘さが魅力である。
味や食感などの特徴
小麦せんべいの味と食感は、種類によって驚くほどの幅がある。共通するのは、小麦粉由来のやさしい風味と、米菓とは異なる独特の口あたりである。
南部せんべいは、小麦粉と水と塩というシンプルな材料から生まれる素朴な味わいが魅力である。ごまや落花生が加わることで香ばしさが増し、カリカリ・ガリガリとした硬めの歯応えが楽しめる。縁に「みみ」と呼ばれる薄く焼かれた部分があり、このカリッとした食感が特に好まれている。青森県産の南部せんべいは比較的薄めでほんのり塩味、岩手県産のものは少し厚みがありほんのり甘い傾向があるのも面白い点である。
磯部せんべいと炭酸せんべいは、鉱泉水や炭酸水の力で生地が軽やかに膨らみ、口のなかでほろりと溶けるようなソフトな食感が特徴である。特に炭酸せんべいは非常に薄く、パリッと割れる繊細さがあり、あっさりとした甘さで後味が軽い。磯部せんべいは鉱泉水のミネラルがほのかに香り、上品な風味を醸し出している。
瓦せんべいは卵と砂糖がふんだんに使われているため、こっくりとした甘さと香ばしさが際立つ。食感はサクサクとしており、やや厚みのあるものはザクザクとした噛み応えもある。高松の瓦せんべいは讃岐三盆の上品な甘さ、神戸のものは卵の風味が豊かで、それぞれに個性がある。
巻きせんべいは薄い生地を筒状に巻いたもので、軽くてサクサクとした食感が楽しめる。中にクリームや有平糖を挟んだものもあり、洋菓子に近い華やかさがある。
どんな場面やどんな人におすすめ
小麦せんべいは、その種類の豊富さから、さまざまな場面や人におすすめできる万能なお菓子である。
まず、お土産や贈答品としての利用が最も一般的である。磯部せんべいや炭酸せんべいは温泉地の定番土産として人気が高く、旅の思い出を共有するのにぴったりである。瓦せんべいは賞味期限が長く個包装の商品も多いため、職場への配りものとしても重宝する。南部せんべいの詰め合わせは、東北地方の味を伝える贈り物として根強い支持を集めている。
日常のお茶請けとしても小麦せんべいは優秀である。素朴な味わいの南部せんべいは緑茶やほうじ茶との相性が抜群であり、甘みのある瓦せんべいや炭酸せんべいは紅茶やコーヒーとも合う。油で揚げていないタイプが多いため比較的カロリーが控えめで、健康を気にする人のおやつとしてもおすすめできる。
子どもからお年寄りまで幅広い年齢層に親しまれるのも小麦せんべいの魅力である。柔らかめの炭酸せんべいや磯部せんべいは歯の弱い高齢者にも食べやすく、堅焼きの南部せんべいは噛む力を鍛えたい子どもや、しっかりとした食べ応えを求める人に向いている。小麦アレルギーがない限り、万人に楽しめるお菓子である。
海外の方への手土産にも適している。「Japanese wheat cracker」として、日本の伝統的な食文化を伝えることができる。
材料
小麦せんべいの基本材料は非常にシンプルである。共通して使われる主原料は小麦粉と水(または鉱泉水・炭酸水)であり、ここに砂糖、塩、卵、ごま、食用油(菜種油やサラダ油など)といった副材料が種類に応じて加わる。
南部せんべいの材料は、小麦粉、水、塩が基本で、ここにごまや落花生、くるみなどのトッピングが加わる。非常にシンプルな構成で、素材そのものの味が活きる。磯部せんべいは小麦粉、砂糖、菜種油、そして磯部温泉の鉱泉水(炭酸を含む)という4つの素材だけで作られる。炭酸せんべいも小麦粉、砂糖、でんぷん、炭酸水(有馬温泉の温泉水)が基本材料である。瓦せんべいは小麦粉、砂糖、卵が主要な材料であり、ごまや膨張剤が加わることもある。
いずれの場合も、使用される小麦粉は薄力粉が中心であり、グルテンの少ないさっくりとした仕上がりを目指している。温泉地の小麦せんべいでは、鉱泉水に含まれる炭酸ガスが天然の膨張剤の役割を果たし、軽やかな食感を生み出している点が大きな特徴である。
レシピ(家庭で作れる基本の小麦せんべい〜南部せんべい風〜)
家庭でも簡単に作れる、南部せんべい風の小麦せんべいのレシピを紹介する。
材料(3〜4枚分)
薄力粉100g、塩ひとつまみ(小さじ1/3程度)、砂糖小さじ1、水約80ml(1/3カップ程度)、白ごままたは黒ごま適量。
作り方
- ボウルに薄力粉、塩、砂糖を入れて軽く混ぜ合わせる。ここに水を少しずつ加えながら、箸やヘラで混ぜていく。粉気がなくなったら手でこね、ひとまとまりにする。生地がベタつく場合は粉を少量追加し、硬すぎる場合は水を少し足して調整する。耳たぶよりやや硬めの生地を目安とする。
- まとまった生地を3〜4等分にし、それぞれを丸める。クッキングシートの上に生地を置き、上からラップを被せて麺棒で薄く丸く伸ばす。厚さは2〜3mm程度が目安である。伸ばした生地の上にごまを散らし、軽く押さえて密着させる。
- フライパンを中火〜弱火で温め、油を引かずに生地を並べる。蓋をして2〜3分焼き、裏面にうっすらと焼き色がついたら裏返してさらに2〜3分焼く。両面にきれいな焼き色がつき、カリッとした手応えになったら完成である。
焼きたてはやや柔らかいが、冷めるとパリッとした食感になる。バターやマーガリンを塗ったり、水飴を挟んだりしてアレンジしても美味しい。
販売温度帯
小麦せんべいは基本的に常温で販売される。水分量が少ない干菓子であるため、冷蔵や冷凍の必要はなく、直射日光や高温多湿を避けた場所で保管すれば品質を保つことができる。店頭では常温の棚に並べられることがほとんどで、土産物店、スーパーマーケット、コンビニエンスストア、百貨店の和菓子売り場など、いずれも常温陳列である。
ただし、クリームを挟んだタイプ(炭酸クリームせんべいなど)は、夏場には涼しい場所での保管が推奨される場合がある。また、有馬温泉の「なま炭酸せんべい」のように、焼きたてのしっとりした状態で提供される特殊な商品は、店頭でのみ販売され、持ち帰りには向かないものもある。
主な流通形態
小麦せんべいの流通形態は多岐にわたる。最も一般的なのは、産地の製造元が直営店舗や土産物店で販売する形態である。磯部せんべいは磯部温泉の温泉街に並ぶ各製菓店で、炭酸せんべいは有馬温泉の店舗で、南部せんべいは青森・岩手のスーパーマーケットや土産物店で、それぞれ日常的に購入できる。
近年はオンライン通販が大きな流通チャネルとなっている。巖手屋(小松製菓)や三津森本舗、亀井堂總本店などの主要メーカーは公式オンラインショップを運営しており、楽天市場やAmazon、Yahoo!ショッピングなどの大手ECサイトでも購入可能である。全国どこにいても各地の小麦せんべいを取り寄せられるようになったのは、近年の大きな変化といえる。
百貨店の物産展やアンテナショップも重要な流通経路である。各地の銘菓として催事に出品されることが多く、普段は手に入りにくい商品を購入できる貴重な機会となっている。
包装形態としては、簡素な袋入り(南部せんべいの10〜20枚入りなど日常用)から、化粧箱入りの贈答用、個包装タイプの配りもの向けまで、さまざまなバリエーションが存在する。
価格帯
小麦せんべいの価格帯は、種類や商品の位置づけによって幅がある。
日常的なおやつとして購入する場合、南部せんべいは1袋(10枚前後入り)で200円から500円程度が相場であり、非常に手頃である。磯部せんべいは1パック(2枚入り)70円から購入可能で、箱入りでも864円からと比較的リーズナブルな価格設定となっている。
贈答用の詰め合わせになると、1,000円から5,000円程度が主流の価格帯である。巖手屋の詰め合わせは3,980円から5,980円、亀井堂總本店の瓦せんべいは1,200円から5,444円程度、三津森本舗の炭酸せんべいも810円から3,140円程度と、贈り先や予算に応じて幅広い選択肢がある。宗家くつわ堂の瓦せんべいは788円から5,400円(税込)まで各種サイズが揃っている。
全体としてみると、1枚あたりの単価は30円から100円程度であり、和菓子のなかでは比較的手頃な価格帯に位置するお菓子である。
日持ち
小麦せんべいは水分量が少ない干菓子であるため、一般的に日持ちが良いのが大きな特長である。
南部せんべいは保存性が非常に高く、かつては保存食や野戦食としても利用されていた。ただし、時間の経過とともに油脂の酸化が進むため、風味は徐々に落ちる。市販品の賞味期限は概ね60日から90日程度に設定されていることが多い。磯部せんべい(田村製菓)の賞味期限は60日、亀井堂總本店の瓦せんべいは150日と比較的長い。炭酸せんべいは薄くて繊細な分、湿気を吸いやすいため、開封後は早めに食べ切ることが推奨される。
いずれの場合も、直射日光を避け、高温多湿の場所を避けて保管すれば、賞味期限内は品質を保つことができる。開封後は密閉容器や乾燥剤とともに保存し、できるだけ早く食べ切るのが美味しくいただくコツである。
アレンジ・バリエーション
小麦せんべいのアレンジとバリエーションは驚くほど豊かであり、伝統的な食べ方から現代的なアレンジまで幅広く楽しめる。
南部せんべいのアレンジ
最も有名なのは「せんべい汁」で、醤油仕立ての汁に煮込み専用のせんべいを入れて煮る東北地方の郷土料理である。すいとんに似たもちもちとした食感になり、冬の定番として親しまれている。また、白せんべいに水飴を挟んだ「飴せん」は津軽地方の人気の食べ方で、パリッとした食感と水飴のねっとりとした甘さの組み合わせが絶妙である。赤飯を挟んだ「せんべいおこわ」もある。さらに、パン代わりにトースターで温めてバターやマーガリンを塗って食べる人もおり、朝食としても親しまれている。近年では、リンゴ、かぼちゃ、イカ、ココアなどを練り込んだフレーバーの南部せんべいや、クッキー風の生地で作られたものも登場している。
炭酸せんべい・磯部せんべいのアレンジ
クリームサンドが代表的である。薄い炭酸せんべいでチョコレートクリーム、レモンクリーム、イチゴクリームなどを挟んだ商品は定番のお土産品となっている。三津森本舗の「クリーム炭酸ア・ラ・カルト」のように、複数の味を楽しめる詰め合わせも人気が高い。
瓦せんべいのアレンジ
サイズのバリエーションが特徴的で、宗家くつわ堂には通常サイズのほかに特大・特々大といった大きなサイズがあり、割って家族で分け合う楽しみがある。近年では抹茶味やチョコレートがけのものなど、現代風にアレンジされた商品も見られるようになっている。
家庭でのアレンジ
基本の小麦せんべいの生地にカレー粉を加えてスパイシーに仕上げたり、チーズを載せて焼いたり、砕いてサラダやスープのトッピングにするなど、さまざまな工夫が可能である。南部せんべいのみみ(型からはみ出した縁の部分)を集めたおやつも地元では人気があり、独特のカリカリ食感が楽しめる。
