用語名称(日本語、外国語)
脱酸素剤(だつさんそざい)
英語では主に「oxygen absorber」(酸素吸収剤)または「oxygen scavenger」(酸素捕捉剤)と表記されます。
商品名として三菱ガス化学の「エージレス(AGELESS)」が世界的に知られています。
意味
脱酸素剤は、密封された包装袋や容器の中の酸素を化学反応で吸収・除去する小さなパック状の資材です。袋内の酸素濃度を0.1%以下に下げ、食品の酸化による変色・風味劣化・油脂の酸化臭、カビや好気性菌の繁殖、害虫の発生を抑えます。
主な仕組みは鉄粉の酸化反応を利用したもので、鉄が酸素と結びついて酸化鉄になる過程で周囲の酸素を取り込みます。一部のタイプは酵素や有機化合物を用いた非鉄系もあります。
水分活性(Aw値)に応じて種類を選び、乾燥剤とは役割が異なり、湿気を吸うのではなく酸素だけを対象にします。開封前は反応せず、袋を開けて空気に触れると働き始めます。
用語を使う場面・対象となる食品
お菓子製造の個包装や箱詰め工程で、ガスバリア性の高いフィルム袋(アルミ蒸着袋など)に商品と一緒に封入し、熱シールで密閉します。
主に酸化しやすい油脂分を含むものや、しっとり感を保ちたい半生菓子に使われます。
具体的な対象例として、
- 焼き菓子:クッキー、マドレーヌ、パウンドケーキ、フィナンシェ
- 半生菓子:カステラ、どら焼き、饅頭、バームクーヘン、月餅
- その他:ナッツ類、米菓、羊羹、コーヒー豆や海苔などの乾物系お菓子
これにより、保存料を減らしても賞味期限を延ばせ、風味や食感を長く保てます。たとえばしっとりした焼き菓子では油脂の酸化を防ぎ、ナッツでは香ばしさを守ります。真空包装と組み合わせる場合もありますが、柔らかいお菓子がつぶれないよう注意が必要です。
脱酸素剤は食品衛生法で認められた資材で、直接食べられませんが、誤飲防止のため「食べられません」と多言語で印刷されています。
使用後は廃棄し、再利用できません。
選ぶ際は食品の水分量や保存温度に合ったタイプ(自力反応型・水分依存型など)をメーカーカタログで確認すると効果的です。

