お菓子の名前(日本語)
ストロープワッフル
お菓子の名前(外国語)
Stroopwafel(オランダ語)
お菓子の分類
焼き菓子(ワッフル類)/洋菓子/オランダ伝統菓子
どんなお菓子
ストロープワッフルは、オランダを代表する伝統的な焼き菓子です。格子状の模様が入った薄く円形のワッフル生地2枚の間に、キャラメルシロップ(ストロープ)をたっぷりと挟んだお菓子で、サクッとした軽い食感とねっとり甘いキャラメルの組み合わせが特徴です。直径はおよそ8〜10cmのものが伝統的ですが、現在では5cmほどのミニサイズから25cmの大型サイズまで、さまざまな大きさのものが作られています。
オランダでは国民的な人気を誇るお菓子であり、スーパーマーケットやマーケット(市場)、空港の土産物店などどこでも手に入ります。本場オランダをはじめ世界各国では、コーヒーや紅茶を注いだカップの上にストロープワッフルを蓋のように乗せ、蒸気で中のシロップをとろりと温めてから食べるのが定番の楽しみ方として広く知られています。この独特の食べ方は、お菓子そのものの美味しさに加えて、飲み物と一緒にゆったりとしたティータイムを楽しむオランダの文化を体現しています。
日本においても近年の輸入菓子ブームやカフェ文化の広がりにより、業務スーパー、カルディコーヒーファーム、成城石井、無印良品などで手軽に購入できるようになり、認知度が急速に高まっています。
お菓子の名前の由来
「ストロープワッフル」はオランダ語の”Stroopwafel”をカタカナ表記したものです。”Stroop(ストロープ)”は「シロップ」を意味し、”Wafel(ワッフル)”は「ワッフル」を意味します。つまり「シロップワッフル」という、極めてシンプルで分かりやすい名称です。英語では”Syrup Waffle”や”Caramel Waffle”と訳されることもありますが、世界的には”Stroopwafel”というオランダ語の呼称がそのまま通用しています。なお、英語の”waffle”という単語自体がオランダ語からの借用語であることも興味深い点です。
オーストラリアでは、温かい飲み物の上に置いて温める食べ方にちなんで”Coffee Topper(コーヒートッパー)”という俗称で呼ばれることもあります。また、誕生当初はゴーダの町で作られていたことから、「ゴーダ・ワッフル(Goudse wafel)」とも呼ばれていました。さらに、残り物の生地から作った安価な菓子だったことから、「貧乏人のクッキー(armeluis koeken)」という別称もあったと伝わっています。
お菓子の歴史
ストロープワッフルの歴史は、18世紀末から19世紀初頭にまで遡ります。
その起源については諸説ありますが、もっとも広く知られている伝承では、1810年にオランダ南ホラント州の都市ゴーダ(Gouda)で、ヘラルド・カンプハウゼン(Gerard Kamphuisen)というパン職人がパン屋を開業した際に初めて作られたとされています。カンプハウゼンは、パン作りで出た残り物の生地やパン粉を活用し、シロップで甘みをつけて薄く焼いた菓子として販売しました。一説には、1784年にはすでに原型が作られていたとも考えられており、18世紀後半のどこかの時点でその開発が始まった可能性があります。
この菓子についての現存する最古のレシピは”de Kamphuysen siroopwafel”と呼ばれ、1840年にカンプハウゼンの店が記したものです。そのレシピが記された1840年の時点で、ゴーダの街にはすでに約100軒ものパン屋がストロープワッフルを販売していたという記録が残っています。これは、わずか数十年のうちにこの菓子がゴーダ市内で爆発的に普及したことを示しています。
注目すべきは、1870年まではゴーダがストロープワッフルを販売する唯一の都市であったという点です。1870年以降になって初めて他の都市にも広まっていきました。一方で、発祥地ゴーダでは次第にその数を減らしていき、1960年頃には17軒にまで激減し、2010年代半ばにはわずか4軒が残るのみとなっています。しかし、そのうちの1軒は創業以来の伝統を守り続ける老舗であり、1880年に書かれた古いレシピに忠実に従って今も伝統的なストロープワッフルを作り続けています。
20世紀に入ると、工場での大量生産が始まり、オランダ全土のスーパーマーケットや菓子店で広く流通するようになりました。さらに国際的にも認知が進み、アメリカのユナイテッド航空が機内食のスナックとして採用したり、2017年にはイギリスのテレビ番組「グレート・ブリティッシュ・ベイクオフ」のテクニカルチャレンジ課題として取り上げられたりするなど、世界的な注目を集めるようになりました。
発祥の地
ストロープワッフルの発祥地は、オランダ南ホラント州の都市ゴーダ(Gouda)です。ゴーダは「ゴーダチーズ」でも世界的に有名な街ですが、実はストロープワッフル発祥の地としても知られています。現在も元祖とされるカンプハウゼン(Kamphuisen Siroopwafelfabriek)が工場兼ショップを構え、工場見学や焼きたてのストロープワッフルの試食を楽しむことができます。ゴーダの街を訪れる観光客にとって、チーズと並ぶ人気の名物となっています。
有名な商品(メーカー名と商品名と販売価格)
ストロープワッフルは、オランダ国内の老舗ブランドから日本国内で買える輸入品、さらに国内製造品まで幅広く展開されています。以下に代表的な商品を紹介します。
カンプハウゼン(Kamphuisen Siroopwafelfabriek)
1810年創業の元祖ストロープワッフルメーカーです。ゴーダの本店で販売されており、現存する最古のレシピに基づく伝統的な味わいが楽しめます。日本でも一部の輸入食品取扱店やオンラインショップで購入可能で、価格は1缶(10枚入り程度)で2,000〜3,000円程度です。
ダールマンズ(Daelmans)
オランダ最大手のストロープワッフルメーカーとして世界的に流通しています。「キャラメルワッフルボックス」は8枚入り230gで、日本国内のカルディやAmazonなどで約900〜1,500円前後で販売されています。キャラメル、ハチミツ、チョコレート、メープルなど複数のフレーバーを展開しています。
デ・ケイザー(de Keijzer)
カルディコーヒーファームを中心に日本で流通しているオランダ産ブランドです。「ストロープワッフル」は8枚入り250gで734円(税込)前後で販売されています。
ホーランドオリジナルワッフル(Holland Original Waffles)
豊産業株式会社が輸入元となっている商品です。「ストループワッフル」は8枚入り250gで約850〜1,000円程度です。袋入り、箱入り、缶入りの3種類のパッケージがあり、贈答用としても利用されています。
業務スーパー(神戸物産)
オランダ産の「ストロープワッフル」が6〜8枚入りで約246円(税込)という非常にリーズナブルな価格で販売されています。チョコレートコーティングタイプの「ストロープワッフルチョコレート」も8枚入り約311円(税込)で展開されています。
無印良品
「世界のお菓子 ストロープワッフル」として1枚入り190円(税込)で販売されています。シナモンを効かせたキャラメルをサンドした本格的な味わいが手軽に楽しめる商品です。
ワーフルハウス(Wafelhuis)
神戸市灘区に実店舗を構える、日本国内で手作りのストロープワッフルを製造・販売している専門店です。オランダ人と日本人が共同で運営しており、シナモン、バニラ、オレンジ、りんご、チョコ、抹茶、いちご、スペクラースなど多彩なフレーバーを1枚270円(税込)で提供しています。日持ちは常温で約2ヶ月あり、ギフトにも適しています。
味や食感などの特徴
ストロープワッフルの最大の魅力は、薄くパリッと焼き上げられたワッフル生地と、その間に挟まれたキャラメルシロップの絶妙なコントラストにあります。
そのまま常温で食べると、ワッフル生地はサクサクと軽い食感で、噛み締めるほどにバターの風味と小麦の香ばしさが広がります。中のキャラメルシロップはやや固めで、しっかりとした甘さとシナモンのスパイシーな香りが口いっぱいに広がります。
一方、温かい飲み物のカップの上に乗せて2〜3分温めると、中のキャラメルシロップがとろりと溶けて柔らかくなり、まるで焼きたてのような食感に変わります。この”サクッ&とろり”という二段階の食感変化こそが、ストロープワッフルならではの醍醐味です。トースターで軽く温めると、表面がさらにカリッとし、中のキャラメルもほどよく溶けて、焼きたてに近い味わいが再現できます。
甘さはかなりしっかりとしており、キャラメルの濃厚な風味にシナモンの香りがアクセントとなっています。コーヒーや紅茶との相性が非常によく、飲み物の苦みやコクがストロープワッフルの甘さを引き立て、互いを補い合う素晴らしいマリアージュが楽しめます。1枚あたりのカロリーは約140〜150kcal程度で、薄いながらもしっかりとした満足感があります。
どんな場面やどんな人におすすめ
ストロープワッフルは、日常のおやつからギフト、旅行土産まで幅広いシーンで活躍するお菓子です。
まず、コーヒーや紅茶が好きな方には特におすすめです。カップの上に乗せて温めるというユニークな食べ方は、ティータイムをちょっとした異文化体験に変えてくれます。忙しい日々のなかで、ほっと一息つきたいときにぴったりです。
甘いもの好きな方、キャラメル味やシナモン味が好きな方にとっても、ストロープワッフルは至福の一枚となるでしょう。しっかりとした甘さは疲れた身体に染み渡り、心を満たしてくれます。
海外のお菓子に興味がある方や、普段とは違ったお菓子を試してみたい方にもおすすめです。日本のワッフルとは異なる独特の薄さとパリッとした食感は新鮮な驚きがあります。
手土産やプチギフトとしても優秀です。個包装の製品や缶入りの製品はパッケージが美しく、賞味期限も比較的長いため、職場への差し入れや旅先でのお土産として重宝します。オランダ旅行の定番土産としてはもちろん、日本国内でも輸入食品店などで購入した海外テイストのギフトとして喜ばれます。
子どもから大人まで楽しめるお菓子ですが、濃厚な甘さがあるため、大人向けのティータイムのお供として特に適しています。
材料
ストロープワッフルは、ワッフル生地(外側)とフィリング(キャラメルシロップ、内側)の2つの要素で構成されています。
ワッフル生地の材料は、小麦粉(中力粉または薄力粉と強力粉のブレンド)、バター、ブラウンシュガー(またはグラニュー糖)、卵、牛乳、イースト、塩です。イーストを使用する点が一般的なクッキーやビスケットとは異なる特徴で、これにより生地に独特の風味と軽い食感が生まれます。
フィリング(シロップ)の材料は、ブラウンシュガー(または三温糖)、バター、シロップ(メープルシロップ、モラセス、またはゴールデンシロップなど)、シナモンです。オランダでは伝統的に砂糖大根(ビート)から作られるシロップが使われることが多いですが、家庭で作る場合はメープルシロップで代用されることもあります。
主なアレルゲンとしては、小麦、乳成分、卵、大豆(製品によって異なる)が含まれます。
レシピ
自宅でストロープワッフルを作る場合の基本レシピを紹介します。なお、本格的に作るにはストロープワッフル専用のワッフルメーカー(薄く平らに焼ける格子模様のプレス機)が理想的ですが、一般的なワッフルメーカーでも薄めに焼くことである程度再現が可能です。
材料(約10〜12枚分)
〈ワッフル生地〉小麦粉(中力粉250gと薄力粉250g、または薄力粉のみ500gでも可)、グラニュー糖150g、バター(無塩)250g、卵1個、牛乳60ml、ドライイースト小さじ4〜5、塩ひとつまみ。
〈キャラメルシロップ〉三温糖(またはブラウンシュガー)200g、バター50g、メープルシロップ250ml、シナモンパウダー大さじ2。
作り方
- 最初に、バターを湯せんまたは電子レンジで溶かし、ぬるま湯程度の温度の牛乳にドライイーストを加えて5分ほど置き、イーストを活性化させます。次に、ボウルに小麦粉、砂糖、塩を入れ、溶かしバター、イースト入り牛乳、溶き卵を加えてよく混ぜ合わせます。生地がまとまったら、パン生地を捏ねる要領でしっかりと捏ね、ラップをかけて室温で30分から1時間ほど発酵させます。生地がおよそ2倍に膨らんだら発酵完了です。
- 生地を発酵させている間に、キャラメルシロップを準備します。鍋またはフライパンに三温糖、バター、メープルシロップ、シナモンパウダーを入れ、弱火で混ぜながらフツフツと軽く沸騰するまで加熱します。全体が均一に混ざったら火から下ろし、とろみのあるシロップ状にします。冷めると固くなりすぎるため、使用時は再び温めて柔らかくします。
- 発酵した生地をゴルフボール大に丸め、予熱したワッフルメーカーに置いてプレスします。薄く焼き上がったら取り出し、熱いうちに丸型でくり抜いて端を整え、糸またはナイフを使って素早く水平に2枚にスライスします。片方の断面にキャラメルシロップをたっぷり塗り、もう片方を重ねてサンドします。シロップが冷えると2枚の生地がしっかりと接着され、完成です。
ポイントは、焼きたてで生地が温かく柔らかいうちにスライスすることです。冷めると固くなり、きれいに割れてしまうため、手際のよさが求められます。
販売温度帯
ストロープワッフルは基本的に常温(室温)で販売されます。焼き菓子としての特性上、冷蔵や冷凍での保存は不要で、直射日光と高温多湿を避けた涼しい場所での保管が推奨されています。
一方、マーケットや屋台などで焼きたてを販売する場合は、温かい状態でそのまま提供されます。焼きたての場合、中のキャラメルシロップがとろりと溶けた状態で提供されるため、パッケージ品とはまた異なる格別の美味しさが楽しめます。
日本国内で流通している輸入品はすべて常温流通であり、スーパーマーケットや輸入食品店のお菓子売り場(常温棚)に陳列されています。
主な流通形態
ストロープワッフルの流通形態は多岐にわたります。
日本国内では、個包装タイプ(1枚入り)、袋入りタイプ(8枚入り程度)、箱入りタイプ(8〜10枚入り程度)、缶入りタイプ(10枚入り程度、贈答用)が主に流通しています。販売チャネルとしては、輸入食品専門店(カルディコーヒーファーム、成城石井など)、業務スーパー、無印良品、コストコなどの量販店、Amazonや楽天市場などのネット通販、そして空港の免税店や土産物店があります。
オランダ国内では、スーパーマーケット(Albert Heijn、Jumboなど)でのパッケージ販売が一般的ですが、街角のマーケットや屋台での焼きたて販売もオランダならではの風物詩です。ゴーダの元祖カンプハウゼンのように工場兼店舗で直売する形態もあります。
日本国内で手作りのストロープワッフルを販売している専門店としては、神戸の「ワーフルハウス(Wafelhuis)」が知られており、実店舗販売のほかオンラインショップでの通信販売も行っています。
価格帯
ストロープワッフルの価格は、ブランドや販売チャネル、パッケージ形態によって大きく異なります。
日本国内で手に入る主な商品の価格帯は以下のとおりです。業務スーパーの「ストロープワッフル」は6〜8枚入りで約246円(税込)と最も手頃で、1枚あたり約30〜40円です。カルディのデ・ケイザーは8枚入り250gで約734円(税込)、1枚あたり約90円です。ダールマンズのキャラメルワッフルボックスは8枚入り230gで約900〜1,500円、1枚あたり約110〜190円です。ホーランドオリジナルワッフルは8枚入り250gで約850〜1,000円、1枚あたり約100〜125円です。無印良品の「世界のお菓子 ストロープワッフル」は1枚入りで190円です。
国内手作り品のワーフルハウス(神戸)は、1枚270円(税込)です。
元祖カンプハウゼンの缶入り製品は、輸入品として2,000〜3,000円程度で販売されています。
全体として、日本国内での購入価格帯は1枚あたり30円から270円程度と幅広く、日常のおやつとして気軽に楽しめるリーズナブルなものから、ギフト向けのプレミアムな商品まで揃っています。
日持ち
ストロープワッフルは焼き菓子であるため、比較的日持ちするお菓子です。
市販のパッケージ品の場合、製造日から約7ヶ月〜1年程度の賞味期限が設定されているものが一般的です。たとえば、ホーランドオリジナルワッフルの賞味期限は「製造日より1年」とされています。業務スーパーの商品は約7ヶ月です。
手作り品の場合はやや短くなり、ワーフルハウスの製品では常温で約2ヶ月が目安とされています。
保存は直射日光と高温多湿を避け、涼しい場所で行うのが基本です。開封後はできるだけ早めに食べることが推奨されていますが、密封容器やジッパー付きの袋に入れて保管すれば、しばらくの間は品質を保てます。いずれの場合も冷蔵保存は基本的に不要で、常温保存で問題ありません。
日持ちの良さは、海外旅行のお土産や贈答品として重宝される大きな理由のひとつです。
アレンジ・バリエーション
ストロープワッフルには、伝統的なキャラメル&シナモン味を基本としつつ、さまざまなアレンジやバリエーションが存在します。
フレーバーのバリエーション
伝統的なキャラメル&シナモンに加えて、ハチミツ、チョコレート、メープルなどのフィリングを挟んだものがダールマンズなどの大手メーカーから販売されています。ワーフルハウスでは、バニラ、オレンジ、りんご、抹茶、いちご、スペクラース(オランダのスパイスクッキー風味)など、日本の食材や嗜好に合わせた独自のフレーバーを展開しています。
コーティング系のバリエーション
ワッフルの片面または全体をチョコレートでコーティングしたものがあります。業務スーパーの「ストロープワッフルチョコレート」はその代表例です。ダークチョコレート、ミルクチョコレート、ホワイトチョコレートなど、チョコレートの種類によっても風味が変わります。
食べ方のアレンジ
温かい飲み物のカップの上に乗せて温めるオランダ式の食べ方が基本ですが、そのほかにもトースターで1〜2分軽く温めて表面をカリッとさせる方法、電子レンジで10〜20秒加熱してシロップをとろりとさせる方法などがあります。アイスクリームを挟んでストロープワッフルアイスサンドにするアレンジや、ヌテラ(チョコレートスプレッド)を挟むアレンジも人気です。砕いてアイスクリームやヨーグルトのトッピングにしたり、ティラミスやパフェのパーツとして使ったりするカフェ風のアレンジも広がっています。
類似の菓子
オランダ国内ではシロップの代わりにハチミツを使った「ホーニングワッフル(honingwafel)」やシロップクッキーの「ストロープクーケン(stroopkoeken)」が存在します。また、北フランスのリール(Lille)には「ゴーフル・フレ・リロワーズ(gaufre fourrée lilloise)」という、薄いワッフル2枚にカソナード(粗糖)とバニラのフィリングを挟んだ菓子があり、ストロープワッフルと構造的に共通する点が見られます。
