お菓子の名前(日本語)
中花(ちゅうか)
別称として「中花まんじゅう」「中華まんじゅう」「中皮(ちゅうかわ)」「中香(ちゅうか)」など、地域によって異なる名称で呼ばれます。
お菓子の名前(外国語)
Chūka / Chuka (英語表記)
和菓子の専門用語であるため、定まった外国語訳はありません。英語圏では「Japanese pan-baked sweet cake with bean paste」や「Chuka manju (Japanese-style pancake folded around red bean paste)」などと説明されることがあります。
お菓子の分類
和菓子 > 焼き物(平鍋もの) > 生菓子(水分量30%以上)
どんなお菓子か
中花(ちゅうか)とは、小麦粉・砂糖・卵を基本材料とした生地を平鍋(鉄板)の上で薄く焼き上げ、餡や求肥を包んで仕上げる和菓子の一種です。和菓子の世界では、この小麦粉・砂糖・卵をベースとした生地のことを「中花種(ちゅうかだね)」と呼び、中花種を用いた焼き菓子を総称して「中花」と呼んでいます。
中花の最も代表的な形態は、丸く焼いた生地でこし餡を挟み、半分に折って三日月形(半月形)に仕上げた「中花まんじゅう(中華まんじゅう)」です。見た目はどら焼きを半分に折ったような形状をしており、しっとりとした薄い焼き皮の中に、なめらかなこし餡がたっぷりと詰まっています。表面には焼き鏝(やきごて)で模様や印を押すのが伝統的な仕上げ方法で、これが中花ならではの風情を醸し出しています。
中花種を用いた和菓子は実は非常に幅広く、中花まんじゅうのほかにも「若鮎(わかあゆ)」や「調布(ちょうふ)」、さらにはどら焼きも広義には中花の仲間に含まれます。若鮎は川魚の鮎をかたどった愛らしい姿が特徴で、中花の生地で求肥を包んだ初夏の銘菓として知られています。調布も同様に、ふわふわの中花生地で求肥を巻いた焼き菓子です。このように、中花は一つの固有のお菓子の名前であると同時に、中花種を使った和菓子全般を指すカテゴリー名でもあるという、やや複雑な位置づけを持っています。
とりわけ北海道では、中花まんじゅうは「中華まんじゅう」の名で古くから親しまれており、冠婚葬祭、特に法事や葬儀の際の引き出物としての文化が色濃く残っています。化粧箱に整然と並べられた中華まんじゅうは、北海道の昭和世代にとって強い郷愁を呼び起こす存在です。一方、東北地方では「中皮(ちゅうかわ)」、新潟県では「中皮まんじゅう」、秋田県では「中花(ちゅうか)」、長野県須坂市では「中華饅頭」といった名称が使われ、全国各地に土地ならではの中花文化が根づいています。
なお、「中華まんじゅう」という名前から中華料理の肉まん(中華まん)を連想する方も多いかもしれませんが、まったく別の食べ物です。中華まんが中国由来の蒸しパンであるのに対し、中花まんじゅうは和菓子の焼き菓子であり、中国の食文化とは一切関係がありません。「中華」の字は「中花」が転じたものであるとされています。
お菓子の名前の由来
「中花」という名前の由来には諸説がありますが、最も有力な説は「中花種」という和菓子用語に由来するというものです。和菓子の世界では、小麦粉・砂糖・卵を基本材料として混ぜ合わせた生地のことを古くから「中花種(ちゅうかだね)」と呼んでいました。この中花種を用いて焼いた菓子であることから、「中花」と呼ばれるようになったと考えられています。
では、なぜこの生地を「中花」と呼ぶようになったのかについては、実のところ確たる定説はありません。一つの俗説として、小麦粉と砂糖を合わせた白い粉の中央に卵をぽとりと落とすと、白い粉の真ん中に黄色い卵黄が落ちる様子がまるで「花」のように見えることから、「中(なか)に花」すなわち「中花」と名づけられたという説がありますが、これは後世の創作的な解釈である可能性も指摘されています。
「中花」が「中華」と表記されるようになった経緯についても、明確な記録は残っていません。「ちゅうか」という同じ読みであることから、漢字の当て字として「中華」が使われるようになり、次第に広まったと見るのが自然でしょう。北海道では一般的に「中華まんじゅう」と表記されますが、函館市周辺では正統的な「中花まんじゅう」の表記を守り続けている和菓子店も存在します。函館の老舗和菓子店のなかには、「中花」という本来の漢字にこだわりを持ち、あえてこの表記を使い続けているところもあります。
お菓子の歴史
中花がいつ頃から作られ始めたのか、その正確な起源は判明していません。しかし、文献上の記録からある程度の時代考証が可能です。
現存する文献で「中花」に関する最も古い記述は、式亭三馬が著した滑稽本『浮世床(うきよどこ)』(文化10年・1813年刊)の中に見られます。この作品のなかで、カステラなどのお菓子と並んで「ちうか」という名称が登場しており、少なくとも江戸時代後期の文化年間には、中花がお菓子の名前として一般に認知されていたことがうかがえます。
さらに約40年後、嘉永5年(1852年)に刊行された菓子製法書『鼎左秘録(ていさひろく)』には、「中華饅頭(ちうくわまんぢう)」として具体的な製法が紹介されています。この書物によれば、当時の材料は「鶏卵」「白砂糖」「うどん粉(小麦粉)」の三品で、これらをカステラの製法と同様によく混ぜ合わせ、水を加えてどろどろの生地にし、焼いてから餡を包むというものでした。極めてシンプルな記述ですが、現代の中花まんじゅうの基本的な製法と本質的に変わらないことが注目されます。
中花の起源はカステラと深い関係があると考えられています。カステラは天正年間(1573年~1592年)に南蛮貿易を通じてポルトガルから伝わった南蛮菓子の一つですが、中花種の原料構成(小麦粉・砂糖・卵)はカステラと共通しています。カステラがオーブンで焼くのに対し、中花は平鍋(鉄板)で焼くという製法の違いがあり、この焼き方の違いが和菓子独特のしっとりとした風味と食感を生み出しています。カステラの製法が日本に定着した後、それを平鍋で焼くアレンジが生まれ、中花種が成立したのではないかと推測されます。
中花を用いた菓子は、その後全国各地に広まるなかで、それぞれの土地の文化や嗜好に合わせて少しずつ姿を変えていきました。北海道や東北地方ではこし餡を挟んだ半月形のまんじゅうが主流となり、関西以南では求肥を包んだ若鮎や調布が主流となるなど、東西で異なる発展を遂げました。特に北海道では、冠婚葬祭の引き出物として定着し、「葬式まんじゅう」の別名で呼ばれるほど弔事と深く結びつく独特の文化を形成しました。
発祥の地
中花の明確な発祥地は特定されていません。南蛮菓子のカステラをルーツに持つとすれば、ポルトガルとの交易の拠点であった長崎がその起源に関わっている可能性がありますが、確証はありません。実際に長崎県にも「中華饅頭」と呼ばれる菓子が現存しており、南蛮文化との接点を感じさせます。
文献上の初出が江戸の滑稽本であることから、少なくとも江戸(東京)において広く知られていたことは確かです。一方、中花まんじゅうが現在最もよく知られているのは北海道であり、特に道南(函館市)、道東(釧路市)、札幌市などでは、今なお和菓子店の定番商品として製造・販売されています。北海道では明治以降の開拓期に本州からの移住者がこの菓子の文化を持ち込んだと考えられており、冠婚葬祭の引き出物として根づいた経緯があります。
そのほか、新潟県新潟市江南区亀田地区では「中皮まんじゅう」として200年以上の歴史を持つ老舗が存在し、秋田県では白餡と黒餡の「中花」が地方菓子として伝えられ、長野県須坂市では「栗中華」の名で独自の進化を遂げています。東京では老舗和菓子店「とらや」の「残月」が、中花種に類する製法で作られた焼き菓子として知られています。
このように、中花は特定の一地域から発祥して全国に広まったというよりも、南蛮菓子の技術を基盤に各地で自然発生的に広まり、それぞれの土地の文化と融合しながら多様な形態に発展したと理解するのが適切でしょう。
有名な商品(メーカー名・商品名・販売価格)
中花および中花まんじゅう(中華まんじゅう)に関連する有名な商品を以下に紹介します。なお、価格は調査時点のものであり、変動する場合があります。
千秋庵総本家(函館市)「中花饅頭」
函館を代表する老舗和菓子店が手がける伝統的な一品です。一枚一枚手焼きで丁寧に焼き上げたしっとりした皮と、上品な甘さのこし餡が特徴です。函館では「中花」の正字表記にこだわりを持つ名店として知られています。
和創菓ひとひら(函館市・吉田食品)「中花まんじゅう」
楽天市場などの通販でも購入できる函館の人気商品です。北海道産の小豆を使った自家製こし餡が評判で、7個入りの化粧箱で3,500円(税込・送料別)、8個入り2,500円(税込)で販売されています。賞味期限は常温保存で30日間と比較的長く、贈答用としても重宝されています。
菓子処松屋(釧路市阿寒町)「中華まんじゅう」
釧路地方を代表する中華まんじゅうの名店です。3個入り化粧箱で1,512円(税込)ほどで販売されており、1個あたり378円程度です。原材料は小豆、卵、小麦粉、砂糖、蜂蜜、液糖、酒、重曹とシンプルで、賞味期限は常温で約14日間です。
札幌餅の美好屋(札幌市)「中華まんじゅう」
札幌市民に親しまれている老舗の製品です。4本入り(1本160g)で楽天市場やYahoo!ショッピングで通販購入が可能です。原材料は北海道産小麦粉「ネージュ」、砂糖、卵、こし餡、蜂蜜、膨張剤で、冷凍での賞味期限は15日、解凍後は4日間です。
とらや(東京都)「残月」
室町時代後期から続く老舗和菓子店「とらや」の焼き菓子です。厳密には「中花まんじゅう」とは呼ばれませんが、中花種に類する製法で焼き上げた生地に生姜風味の餡を包んだもので、中花の系譜に連なる菓子とされています。5個入り1,944円(税込)、10個入り3,672円(税込)で、製造日より21日間の賞味期限です。
盛進堂製菓舗(長野県須坂市)「栗中華」
中華饅頭の生地に栗の甘露煮をまるごと一粒入れた須坂の銘菓です。テレビ番組「秘密のケンミンSHOW」で取り上げられたことでも知られています。1個313円(税込)で、賞味期限は約1週間です。
小林源吉商店(新潟市江南区)「中皮まんじゅう」
創業200年以上の歴史を誇る亀田地区の老舗菓子店が作る新潟版の中花です。白餡を用いた地域独自のスタイルが特徴で、地元では亀田名物として親しまれています。
味や食感などの特徴
中花(中花まんじゅう)の味わいは、素朴ながらも奥深い和菓子の魅力に満ちています。
まず生地(中花種)についてですが、小麦粉・砂糖・卵というシンプルな材料構成ゆえに、素材の質がそのまま味に直結します。卵と砂糖の甘い風味、小麦粉のほのかな穀物の香りが一体となり、焼き上げることで砂糖の香ばしいカラメル風のニュアンスが加わります。生地は鉄板の上でじっくりと焼かれるため、表面にはきれいな焼き色がつき、この焼き色部分に凝縮された香ばしさが中花の味わいのアクセントとなっています。
食感に関しては、どら焼きの生地に似ていますが、一般的に中花まんじゅうの皮はどら焼きよりも薄く、ふんわりというよりはしっとりとした質感が特徴です。口に含むとまず皮のしっとり感が感じられ、すぐに中の餡の甘みが広がります。皮と餡の一体感が高く、噛むほどに素朴な甘さが口いっぱいに広がっていきます。
中の餡は、こし餡を使用する地域が圧倒的に多く、舌触りのなめらかさが際立ちます。北海道産の上質な小豆を用いたこし餡は、豆の風味を残しつつもすっきりとした甘さで、皮の味わいとの調和が見事です。新潟では白餡を用いるスタイルが一般的で、小豆とは異なるあっさりとした上品な甘さが楽しめます。
一方、若鮎や調布といった求肥を包んだタイプの中花は、皮のしっとり感に加えて求肥のもっちりとした食感が加わり、豊かなコントラストが生まれます。求肥の弾力ある噛みごたえは食べ応えがあり、餡のタイプとはまた異なる満足感があります。あんこが苦手な方でも楽しめる和菓子として重宝されています。
全体的に、中花は派手さや主張の強さよりも、素材の良さをそのまま生かした穏やかで上品な味わいが身上の和菓子です。お茶請けとしてはもちろん、コーヒーや牛乳との相性も良く、世代を問わず愛される懐の深さがあります。
どんな場面やどんな人におすすめか
中花(中花まんじゅう)は、さまざまな場面でその真価を発揮する和菓子です。
まず、北海道を中心とした伝統的な場面として、法事や葬儀の引き出物(引き菓子)が挙げられます。化粧箱に美しく並べられた中花まんじゅうは、弔事の席にふさわしい落ち着いた品格を備えています。近年ではこうした慣習は徐々に薄れつつありますが、北海道の年配の方々にとっては変わらぬ定番として根強い支持があります。
日常のお茶請けとしても中花は優秀です。素朴で飽きのこない味わいは、緑茶やほうじ茶はもちろん、抹茶との相性も良く、日本茶を楽しむひとときのお供に最適です。しっとりとした食感は口当たりが柔らかいため、ご年配の方や小さなお子様にも食べやすいお菓子です。
手土産や贈答品としてもおすすめです。とりわけ北海道に縁のある方への贈り物としては、懐かしさを呼び起こす特別な一品となるでしょう。常温保存が可能で日持ちも比較的良いため(商品により2週間~30日程度)、遠方への発送にも適しています。
和菓子好きの方はもちろん、和菓子にあまりなじみのない若い世代にもぜひ試していただきたい一品です。特に若鮎タイプの中花は、鮎をかたどった愛らしい外見がSNS映えすることもあり、初夏の手土産として喜ばれること請け合いです。
また、日本の地方菓子に興味がある方にとって、中花は各地の食文化の違いを味わえる格好のテーマとなります。北海道の中華まんじゅう、新潟の中皮まんじゅう、長野の栗中華、東京のとらやの残月など、同じ中花種をベースにしながらも土地ごとに異なる形態・味わいの菓子を食べ比べることで、日本の和菓子文化の豊かさと多様性を実感できるでしょう。
材料
中花まんじゅうの基本的な材料は非常にシンプルです。
生地(中花種)の材料は、薄力粉(小麦粉)、砂糖(上白糖またはグラニュー糖)、卵(全卵)の三つが基本です。これに加えて、蜂蜜、みりん(または水飴)を加えることでしっとり感や風味を向上させるレシピも多くあります。膨張剤として重曹(炭酸水素ナトリウム)を少量加えることも一般的で、これにより生地にほどよいふくらみと独特の風味が生まれます。
餡は、一般的にこし餡が使われます。小豆を炊いて裏漉しし、砂糖を加えて練り上げた自家製のこし餡を使う和菓子店が多く、餡の質が商品の味を大きく左右します。北海道の製品では北海道産小豆を使用するのが定番です。新潟の中皮まんじゅうでは白餡(白いんげん豆を原料とした餡)を使うのが特徴的です。
求肥を包むタイプ(若鮎・調布など)では、白玉粉(もち米を水挽きした粉)または餅粉に砂糖と水を加えて練り上げた求肥を用います。
まとめると、主な材料は以下のとおりです。薄力粉、卵、砂糖、蜂蜜、重曹(膨張剤)、水、こし餡(小豆、砂糖)。求肥入りタイプの場合はこれに白玉粉、砂糖、水飴が加わります。
レシピ(中花まんじゅうの基本的な作り方)
家庭でも比較的簡単に作ることができる中花まんじゅうのレシピを紹介します。フライパンがあれば特別な道具は不要です。
材料(約8~10個分)
生地:卵 2個、砂糖 100g、蜂蜜 大さじ1、薄力粉 120g、重曹 小さじ1/2、水 大さじ1~2
餡:こし餡 300g(市販品でも可)
作り方
- こし餡を準備します。こし餡を30g~35gずつに分けて丸めておきます。市販のこし餡を使えば手軽です。
- 生地を作ります。ボウルに卵を割り入れ、砂糖を加えてよく混ぜます。白っぽくもったりするまでしっかりと泡立てることがポイントです。蜂蜜を加えてさらに混ぜます。
- 重曹を少量の水で溶いて卵液に加えます。
- 薄力粉をふるい入れ、ゴムベラで切るようにさっくりと混ぜ合わせます。混ぜすぎるとグルテンが出て硬い生地になるため注意が必要です。生地がなめらかになったら、ラップをして30分ほど休ませます。生地の硬さは「とろとろ」とゆっくり流れ落ちる程度が目安で、硬すぎる場合は水を少量ずつ足して調整します。
- フライパンを弱火で温め、薄く油を引きます(テフロン加工の場合は油なしでも可)。お玉で生地をすくい、直径10cm程度の楕円形に流し入れます。弱火でじっくりと焼き、表面にぷつぷつと気泡が出て乾いてきたら裏返し、さっと焼きます。焼き色は片面だけしっかりつけるのが伝統的な仕上がりです。
- 焼き上がった生地が温かいうちに、焼き色のついた面を外側にして、丸めておいたこし餡を中央にのせ、半分に折りたたんで三日月形に成形します。生地が冷めると割れやすくなるため、温かいうちに手早く仕上げます。
- 完成した中花まんじゅうは、乾燥を防ぐためにラップで包むか、密閉容器に入れて保存します。
コツとポイント
生地を休ませることで粉のダマがなくなり、なめらかに焼き上がります。火加減は終始弱火を守ることが大切で、強火にすると焦げてしまい、中花らしいしっとりとした食感が損なわれます。焼き上がった生地は乾きやすいので、焼けた順に濡れ布巾をかけておくと作業がしやすくなります。
販売温度帯
中花まんじゅうは基本的に常温で販売されます。和菓子店の店頭では、ショーケースや棚に常温のまま陳列されているのが一般的です。
ただし、近年はインターネット通販の普及に伴い、冷凍での販売・配送を行う店舗も増えています。たとえば札幌餅の美好屋では冷凍便で全国発送を行っており、冷凍での賞味期限は15日、解凍後は4日間という設定です。冷凍販売は遠方への贈答や長期保存のニーズに対応するための措置であり、解凍後は常温で食べるのが基本です。
冷蔵販売はあまり一般的ではありません。冷蔵すると生地が硬くなりやすいため、常温で保存し、なるべく早くいただくのが最もおいしい食べ方とされています。
主な流通形態
中花まんじゅうの主な流通形態は以下のとおりです。
和菓子専門店での対面販売
地元の和菓子店で一つずつ手焼きされた中花まんじゅうを、バラ売りまたは化粧箱入りで購入するスタイルです。特に北海道や東北地方では、冠婚葬祭用の箱入り商品として注文を受けて製造するケースが多く見られます。
インターネット通販
楽天市場、Yahoo!ショッピング、各店舗の自社ECサイトなどで全国配送に対応している店舗が複数あり、北海道外にいても中花まんじゅうを手軽に入手できるようになっています。
スーパーマーケット
スーパーの和菓子売り場でも地域によっては取り扱いがありますが、以前に比べると見かける機会は減ってきているとの声もあります。特に北海道のスーパーでは、かつては定番商品として陳列されていましたが、食の多様化に伴って扱いが少なくなりつつあるようです。
百貨店の和菓子売り場
とらやの「残月」のように中花系の高級焼き菓子が贈答用として販売されています。
若鮎や調布といった中花種を使った季節の和菓子は、初夏(5月~8月頃)の限定商品として和菓子店や百貨店で販売されることが多いです。
価格帯
中花まんじゅう(中華まんじゅう)の価格帯は、店舗や地域、商品のサイズによって幅がありますが、おおむね以下の範囲に収まります。
バラ売り(1個あたり)の場合、150円~400円程度が一般的な価格帯です。地元の和菓子店で購入するバラ売りの場合は比較的手頃で、通販で購入する場合は送料が加算されるため、1個あたりの実質的なコストはやや高くなります。
贈答用の化粧箱入りの場合、3個入りで1,500円~2,500円程度、7個入りで3,000円~4,000円程度、10個入りで3,500円~5,000円程度が目安です。
とらやの「残月」のような高級路線の製品では、5個入り1,944円(1個あたり約389円)、10個入り3,672円(1個あたり約367円)となっており、ブランド価値も加味された価格設定です。
長野県須坂市の盛進堂「栗中華」は1個313円(税込)で、栗が丸ごと一粒入っていることを考えると価格に見合った満足感があります。
全体として、中花まんじゅうは和菓子のなかでは比較的求めやすい価格帯の商品が多く、日常のお茶請けから贈答用まで幅広い価格帯の選択肢がある和菓子といえます。
日持ち
中花まんじゅうの日持ち(賞味期限)は、製造方法や使用する原材料、保存料の有無によって店舗ごとに異なりますが、おおよその目安は以下のとおりです。
常温保存の場合、概ね1週間~30日間の幅があります。和創菓ひとひら(函館)の中花まんじゅうは常温保存で30日間、菓子処松屋(釧路)の中華まんじゅうは常温で約14日間、ひとひらのSTORES販売品は常温で21日間、盛進堂(須坂)の栗中華は約1週間です。とらやの残月は製造日より21日間です。
冷凍保存が可能な製品もあり、冷凍の場合は15日~30日程度の賞味期限が設定されています。解凍後は3~4日以内に食べるのが推奨されています。
いずれの場合も、生地の乾燥を防ぐことが品質維持のポイントです。直射日光や高温多湿を避け、常温(25℃以下)で保存するのが基本です。個包装されている製品は比較的日持ちが良く、個包装されていないものは乾燥しやすいため早めに食べきることが推奨されます。食べきれない場合は冷凍保存し、自然解凍してからいただくと風味が損なわれにくいとされています。
アレンジ・バリエーション
中花は全国各地で多彩なバリエーションを生み出してきた、発展性の高い和菓子です。
地域別のバリエーション
北海道の「中華まんじゅう」はこし餡を半月形の生地で挟んだ定番スタイルで、最も広く知られています。函館では「中花まんじゅう」の名で、ハスカップ餡や黒豆を使った変わり種も登場しています。千秋庵総本家が展開する「中花三兄弟」はこしあん・ハスカップあん・黒豆の3種を揃えたユニークな商品です。
新潟県の「中皮まんじゅう」は白餡を使うのが特徴で、小豆餡とは異なるまろやかな甘さが魅力です。亀田地区を中心に200年以上の歴史を持つ老舗が複数存在し、今も地元の名物として愛されています。
長野県須坂市の「栗中華」は、中花の生地で栗の甘露煮をまるごと一粒包み込んだ豪快な一品です。中花まんじゅうの素朴な味わいに栗の風味とほくほくした食感が加わり、秋冬の手土産として特に人気があります。
具材のバリエーション
伝統的なこし餡のほかに、つぶ餡、白餡、うぐいす餡(青えんどう豆の餡)、栗餡、さつまいも餡など、さまざまな餡を包んだバリエーションが各地の和菓子店で考案されています。また、求肥を包んだ「若鮎」や「調布」は中花の重要なバリエーションであり、餡とは異なるもっちりとした食感が楽しめます。
形のバリエーション
基本の三日月形(半月形)のほか、若鮎では鮎の形に成形して焼き鏝で目や鰭を描き入れ、調布では長方形に巻く形が定番です。京都の和菓子店では、季節ごとに異なる意匠の中花菓子を展開しているところもあります。
現代的なアレンジ
生地に抹茶やココアを混ぜ込んだ変わり種や、餡の代わりにクリームチーズやカスタードクリームを挟んだ洋風アレンジも見られるようになっています。家庭で手作りする場合は、市販のホットケーキミックスを使って中花風の生地を焼き、好みの餡やクリームを挟むという手軽なアレンジも楽しめます。
季節限定のバリエーション
春には桜あん入りの中花、夏には若鮎(求肥入り中花)、秋には栗入り中花、冬にはゆず餡入り中花など、四季の素材を取り入れた季節感あふれる展開が各地の和菓子店で行われています。
