用語名称(日本語、外国語)

杏(あんず)

Apricot(英語)/Abricot(フランス語)

意味

杏とは、バラ科サクラ属の果実で、やや酸味のある甘さと芳香をもつ果物を指す。生食も可能だが、日本では酸味が強い品種が多いため、主に砂糖とともに加工され、菓子材料として利用されることが多い。

果肉は橙色で、加熱するとやわらかくなり、鮮やかな色合いと独特の甘酸っぱい風味が引き立つ。この性質から、ジャムやコンポート、ピューレなどに加工されるほか、乾燥させたドライフルーツとしても流通している。

また、杏の種子の中にある仁(じん)は「杏仁(きょうにん)」と呼ばれ、中華菓子で用いられる杏仁霜や杏仁豆腐の原料となる。ただし、苦味種の杏仁には天然の有毒成分(シアン化合物を生じる成分)が含まれるため、食品としては適切に加工・精製されたものが使用される。

用語を使う場面・対象となる食品

杏という用語は、洋菓子・和菓子の両方で幅広く使用される。具体的には以下のような場面で登場する。

・ジャムやコンフィチュール
杏ジャムは酸味と甘味のバランスが良く、パンや焼き菓子のフィリング、ナパージュ(艶出し)として用いられる。タルトやアプリコットパイの仕上げにもよく使われる。

・焼き菓子(タルト、ケーキ)
フレッシュまたはシロップ漬けの杏をタルトに並べて焼き上げる「タルト・アブリコ」などが代表的。焼成により酸味が和らぎ、コクのある味わいになる。

・ゼリー・ムース・冷菓
杏のピューレはゼリーやムースに加工され、さっぱりとした後味のデザートに仕上がる。ヨーグルトや他のフルーツとの相性も良い。

・和菓子
甘露煮や蜜漬けにした杏が、羊羹や寒天菓子のアクセントとして用いられる。甘酸っぱさが味の変化を生む役割を担う。

・ドライフルーツ菓子
乾燥杏は、そのまま菓子として食べられるほか、チョコレート掛けや焼き込み素材としても利用される。

・中華菓子
杏仁として加工されたものが、杏仁豆腐や焼き菓子に使用される。杏の果実とは用途が異なるが、同じ植物由来の素材として関連づけられる。

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