お菓子の名前(日本語)

お菓子の名前(日本語):パウンドケーキ

お菓子の名前(外国語)

お菓子の名前(外国語): 英語:Pound Cake / フランス語:Quatre-quarts(カトルカール) / ドイツ語:Sandkuchen(ザントクーヘン)、Rührkuchen(リューアクーヘン) / イタリア語:Plum cake(プルムケイク)

お菓子の分類

お菓子の分類:洋菓子(焼き菓子)/バターケーキの一種

どんなお菓子

パウンドケーキは、小麦粉、バター、砂糖、卵という4つの基本材料を使って焼き上げるバターケーキの代表格である。見た目は長方形のパウンド型(ローフ型)で焼かれた素朴なケーキで、華やかなデコレーションケーキとは異なり、生地そのものの美味しさで勝負する実力派のお菓子だ。

その最大の特徴は「4つの材料を同量ずつ使う」という極めてシンプルな配合にある。小麦粉、バター、砂糖、卵をそれぞれ同じ重さで混ぜ合わせ、型に入れてオーブンで焼くだけという、基本に忠実であればあるほど美味しく仕上がるケーキである。膨張剤(ベーキングパウダーなど)を使わない伝統的なレシピでは、卵の気泡やバターへの空気の抱き込みだけで生地を膨らませるため、作り手の技術が如実に表れるお菓子でもある。

焼き上がったパウンドケーキは、外側は軽くカリッとした焼き色をまとい、内側はしっとりときめ細やかな生地が広がる。バターの豊潤な香りと卵のコク、砂糖のほのかな甘みが三位一体となった深い味わいは、紅茶やコーヒーとの相性が抜群である。そのまま食べても十分美味しいが、焼き上がりから1〜2日ほど寝かせると、バターが生地全体に馴染んでさらにしっとりとした食感になり、味わいにも奥行きが増す。この「寝かせて美味しくなる」という特性もパウンドケーキならではの魅力である。

お菓子の名前の由来

「パウンドケーキ」という名前の由来は、その材料の計量方法にある。小麦粉、バター、砂糖、卵をそれぞれ1ポンド(pound=約454g)ずつ使って作ることから「パウンドケーキ」と名付けられた。1ポンドは英国の重量単位であり、この名前はまさにイギリス生まれであることを物語っている。

同じお菓子は各国で異なる名前で呼ばれており、その呼称にもお国柄が表れている。フランスでは「カトルカール(Quatre-quarts)」と呼ばれる。これはフランス語で「4分の4」を意味し、小麦粉・バター・砂糖・卵という4つの材料がそれぞれ全体の4分の1ずつを占めるという配合に由来している。英語が重さの「ポンド」に着目したのに対し、フランス語は材料の「割合」に着目しているのが興味深い。カトルカールは特にフランスのブルターニュ地方の郷土菓子として知られている。

ドイツでは「ザントクーヘン(Sandkuchen)」という名前で親しまれている。「Sand」は「砂」、「Kuchen」は「ケーキ」を意味し、「砂のケーキ」という独特の名前は、口の中でほろほろと砂のように崩れる独特の食感に由来するとされている。また、より一般的に「リューアクーヘン(Rührkuchen=かき混ぜるケーキ)」と呼ばれることもある。

イタリアでは「プルムケイク(Plum cake)」と呼ばれる。これは英語の「プラムケーキ」をイタリア語読みしたもので、もともとはプラムやドライフルーツを入れたバターケーキを指していたが、現在のイタリアではプラムが入っていないプレーンなパウンドケーキも含めて「プルムケイク」と呼んでいる。

お菓子の歴史

パウンドケーキの歴史は古く、その起源は18世紀初頭のイギリスにまで遡る。

中世ヨーロッパでは、ケーキを膨らませるためにイースト(酵母)を用いるのが一般的だったが、17世紀後半から18世紀にかけて、卵の泡立てによって生地を膨らませるという新しい製法が登場した。パウンドケーキはこの過渡期に誕生したケーキの一つであり、イーストを使わずに卵とバターの力で生地を膨らませるという、当時としては画期的な技術を取り入れたものであった。

パウンドケーキのレシピが文献に初めて登場するのは1700年代前半のことである。1747年に出版されたハンナ・グラッセ(Hannah Glasse)の著書『The Art of Cookery Made Plain and Easy(料理の技法をわかりやすく簡単に)』にパウンドケーキのレシピが記載されており、これが現存する最も古い記録のひとつとされている。当時のレシピは、現代では考えられないほど長時間にわたって材料を撹拌(かくはん)するよう指示されていたものも珍しくなかった。また、イーストを使うケーキに比べてバターや卵、砂糖を大量に使うため、材料費が高くつき、パウンドケーキは「上等なケーキ」として位置づけられていた。

パウンドケーキが当初使われていた場面として特筆すべきは、結婚式のウエディングケーキとしての役割である。材料をそれぞれ1ポンドずつ(合計約1.8kg)使うと非常に大きなケーキが出来上がるが、これは多くのゲストに振る舞うウエディングケーキを作るために合理的な分量だったのである。砂糖漬けのフルーツの皮(ピール)などを加えて焼き上げたパウンドケーキは、特別な祝いの席にふさわしいご馳走であった。

フランスのブルターニュ地方でも、同時期にカトルカールという同様のケーキが家庭で焼かれていた。フランスではさらに、レモンピールで香りづけしレモン風味の糖衣をかけた「トーフェ(tôt-fait=すぐにできるという意味)」という発展形も生まれている。

19世紀に入ると、ベーキングパウダーが発明され、パウンドケーキの製法にも変化が訪れた。卵の泡立てだけに頼らずとも安定して膨らむようになったことで、家庭でもより手軽に作れるようになった。20世紀前半には、さまざまな洋菓子店がバラエティ豊かなパウンドケーキを販売するようになり、かつては結婚式など特別な場面で食されていたパウンドケーキは、日常のおやつやティータイムに楽しむ身近なお菓子へと変化していった。

日本にパウンドケーキが伝わったのは明治時代以降のことで、西洋菓子の普及とともに広まった。現在では洋菓子店はもちろん、コンビニエンスストアやスーパーマーケットでも手軽に購入できる定番のお菓子として定着している。

発祥の地

パウンドケーキの発祥の地はイギリスとされている。18世紀初頭のイングランドで誕生し、レシピ集に記録が残されるようになった。同時期にフランスのブルターニュ地方でもカトルカールとして同様のケーキが焼かれており、Wikipediaなどの資料では「フランス・ブルターニュ地方、イギリス発祥の家庭向けのケーキ」と記載されている。ただし、現存する文献上ではイギリスの記録が最も古いため、一般的にはイギリスが発祥の地とみなされている。

その後、イギリスの植民地であったアメリカにも渡り、アメリカ南部を中心にパウンドケーキの文化が根付いた。アメリカでは現在もパウンドケーキは非常に人気のある家庭菓子であり、クリームチーズやサワークリームを加えたアメリカ独自のアレンジレシピも数多く存在する。

有名な商品(メーカー名と商品名と販売価格)

パウンドケーキは多くのメーカーや洋菓子店で販売されており、価格帯も幅広い。以下に、日本国内で特に知名度の高い商品を紹介する。なお、価格は2025年〜2026年時点の税込参考価格であり、変動する場合がある。

足立音衛門「栗のテリーヌ」
京都・丹波に本拠を置く栗菓子専門店の看板商品で、3種類の栗がぎっしりと詰め込まれた贅沢なパウンドケーキである。通常価格は1本あたり約5,400円(税込)。最高級ラインの「栗のテリーヌ 天」は1本約12,960円(税込)に達する。要冷蔵で賞味期限は約2週間。栗好きにはたまらない逸品として、百貨店の手土産としても高い人気を誇る。

資生堂パーラー「ブランデーケーキ」
東京・銀座の老舗が手がけるパウンドケーキの名品である。国産小麦粉(北海道産)やバターを使用し、オリジナルブレンドのブランデーを贅沢に染み込ませたしっとりとした生地が特徴。8枚スライスで2,808円(税込)。銀座本店限定の「クラシックブランデーケーキ」は3,780円(税込)。賞味期限は製造日より約120日と日持ちが良く、贈答品として非常に重宝される。

ブールミッシュ「トリュフケーキ」
銀座の本格フランス菓子店ブールミッシュの代表的な焼き菓子で、しっとり焼き上げた生地の中にまるごと一粒のトリュフチョコレートを閉じ込めた個性的なパウンドケーキである。1個入り378円(税込)から購入でき、ミニトリュフケーキ16個入りは3,240円(税込)。2021年にはモンド・セレクション最高金賞を受賞している。

ユーハイム「純正バターパウンドケーキ」
バウムクーヘンで知られるユーハイムが手がけるパウンドケーキのギフトセットである。膨張剤不使用にこだわり、ふんわりバウムクーヘン、しっとりフルーツケーキ、濃厚チョコケーキなど複数のフレーバーを個包装で詰め合わせている。15個入りで4,536円(税込)、1個あたり約216円。

ファミリーマートのパウンドケーキ 
コンビニエンスストアで手軽に購入できる日常的なパウンドケーキとして人気がある。「濃厚チョコパウンド」(約230円)や季節限定フレーバーなど、150円〜250円程度の手頃な価格帯で展開されている。

味や食感などの特徴

パウンドケーキの味わいを一言で表現するなら「バターの芳醇な香りに包まれた、しっとりときめ細やかな甘さ」である。

食感の最大の特徴は、その「しっとり感」にある。バターをたっぷりと使った生地は、焼き上がり直後よりも翌日〜2日後に食べるほうが美味しいとされ、時間の経過とともにバターが生地全体に行き渡り、口に含んだ瞬間にじんわりと溶けていくような、リッチでなめらかな食感が生まれる。この「寝かせる」工程がパウンドケーキの美味しさの秘訣のひとつである。

生地のきめ細かさも大きな特徴で、バターと砂糖をしっかりと撹拌(クリーミング)することで空気を含ませ、均一できめの細かい生地に仕上がる。口の中でほろほろと崩れるような上品な食感は、シフォンケーキやスポンジケーキのふわふわとした軽さとは一線を画す、パウンドケーキ独自の魅力である。

甘さについては、砂糖と同量のバターが入ることでバターの塩味やコクが甘さを引き締め、見た目の素朴さに反して奥行きのある味わいを実現している。プレーンなパウンドケーキには、バニラエッセンスやバニラビーンズが加えられることが多く、甘い香りがさらに風味を引き立てる。

フルーツやナッツ、チョコレートなどの副材料を加えたバリエーションでは、それぞれの素材とバター生地のハーモニーが楽しめる。ドライフルーツ入りのパウンドケーキは洋酒の香りと果実の甘酸っぱさが大人の味わいを演出し、抹茶パウンドケーキはほろ苦い和の風味がバターの甘みと絶妙に調和する。

どんな場面やどんな人におすすめ

パウンドケーキは、そのシンプルな美味しさと実用性の高さから、実に幅広い場面で活躍するお菓子である。

手土産・贈答品として
パウンドケーキは常温で保存でき、日持ちも比較的長い(一般的なプレーンタイプで約1週間)。個包装のスライスタイプなら持ち運びにも便利で、ビジネスシーンでの手土産から友人宅への訪問時の差し入れまで、幅広く使える。見た目も上品で、百貨店ブランドの商品であればフォーマルな場にもふさわしい。

ティータイムのお供として
紅茶やコーヒーとの相性が抜群で、午後のティータイムに一切れのパウンドケーキを添えるだけで、贅沢なひとときが生まれる。自宅でゆっくりくつろぎたいとき、読書やお茶の時間を楽しみたい方に特におすすめである。

お菓子作り初心者に
基本のレシピは材料4つで工程もシンプルなため、お菓子作りを始めたばかりの方にとって最適な入門メニューである。材料の計量が同量なので覚えやすく、特別な道具も必要ない。成功体験を得やすいお菓子である一方、極めようとすればするほど奥が深いため、上級者にとっても腕の見せどころとなるお菓子だ。

子どものおやつとして
素朴な甘さと食べやすい形状は子どものおやつにも適している。アレルギーさえなければ、基本の材料がシンプルなので、添加物を気にする保護者にとっても安心感がある。家族で一緒に作る手作りおやつとしても楽しめる。

季節の行事やイベントに
バレンタインデーやクリスマス、お中元やお歳暮など、季節の贈り物にもパウンドケーキは定番の選択肢である。チョコレートやフルーツなど、季節に合わせたフレーバーを選ぶことで、一年を通じてさまざまな楽しみ方ができる。

材料

パウンドケーキの基本材料は、以下の4つである。

薄力粉
パウンドケーキの骨格を形成する材料。きめ細かく軽い食感を出すために、一般的には薄力粉が使用される。ふるいにかけて使うことで、ダマのない滑らかな生地に仕上がる。

無塩バター 
パウンドケーキの風味の要。バターの品質が仕上がりの味に直結するため、良質な無塩バターを使用することが重要である。使う前に室温に戻し、クリーム状になるまで撹拌することで、空気を抱き込み、ふんわりとした生地に仕上がる。

砂糖
甘みを与えるとともに、バターとの撹拌で空気を含ませる役割も果たす。一般的にはグラニュー糖や上白糖が使われるが、きび砂糖や三温糖を使うとコクのある味わいになる。


生地をつなぎ、膨らませる役割を担う。卵の気泡がパウンドケーキのふくらみに大きく寄与する。室温に戻してから使うと、バター生地と分離しにくくなる。

上記の基本4材料に加えて、ベーキングパウダー(膨張剤)を少量加えるレシピも現代では一般的である。また、バニラエッセンスやバニラビーンズ、ラム酒やブランデーなどの洋酒、塩少々を加えることで風味に深みが増す。

レシピ

以下に、家庭で作れる基本のパウンドケーキのレシピを紹介する。

材料(18cmパウンド型1台分)

無塩バター 150g、グラニュー糖 150g、卵(Mサイズ)3個(約150g)、薄力粉 150g、ベーキングパウダー 小さじ1/2(なくても可)、バニラエッセンス 数滴

下準備

バターと卵は室温に戻しておく。薄力粉とベーキングパウダーは合わせてふるっておく。パウンド型にオーブンシートを敷く。オーブンを170℃に予熱する。

作り方

  1. まず、室温に戻した無塩バターをボウルに入れ、泡立て器またはハンドミキサーで白っぽくなるまでしっかりと撹拌する。ここでバターに十分な空気を含ませることが、ふんわりとした仕上がりの鍵となる。クリーム状になったバターにグラニュー糖を2〜3回に分けて加え、そのつど白っぽくふわっとするまでよく混ぜ合わせる。
  2. 次に、溶いた卵を5〜6回に分けて少しずつ加え、そのつどしっかりと混ぜ合わせる。一度に大量の卵を加えると生地が分離してしまうため、少量ずつ加えることが重要である。バニラエッセンスもこのタイミングで加える。
  3. 卵がすべて混ざったら、ふるっておいた薄力粉(とベーキングパウダー)を加える。ここからはゴムベラに持ち替え、生地を底からすくい上げるようにしてさっくりと混ぜ合わせる。練りすぎるとグルテンが発達して硬い仕上がりになるため、粉気がなくなり、生地にツヤが出た段階で混ぜるのをやめる。
  4. 生地をパウンド型に流し入れ、表面をゴムベラで平らにならす。真ん中を少しくぼませておくと、焼き上がりの膨らみが均一になる。170℃に予熱したオーブンで約50〜60分焼く。焼き始めて20分ほど経ったところで、表面に竹串やナイフで中央に一本線を入れると、きれいな割れ目ができる。竹串を刺して生の生地がついてこなければ焼き上がり。
  5. 焼き上がったら型から取り出し、ケーキクーラー(網)の上で粗熱を取る。粗熱が取れたらラップでぴったりと包み、常温で1〜2日寝かせると、バターが馴染んでさらにしっとり美味しくなる。

販売温度帯

パウンドケーキの販売温度帯は常温が基本である。バターと砂糖を多く含む焼き菓子であるため、水分量が比較的少なく、常温での保存・販売に適している。店頭では常温の焼き菓子コーナーに陳列されていることが一般的だ。

ただし、生のフルーツをトッピングしたものや、クリームを使用したもの、また足立音衛門の「栗のテリーヌ」のように栗が大量に使われた商品など、水分量の多い素材を含むパウンドケーキは冷蔵で販売される場合もある。夏季には品質保持のため冷蔵販売に切り替える店舗もある。通販では常温便が一般的だが、商品によっては冷蔵便で配送されることもある。

主な流通形態

パウンドケーキの流通形態は多岐にわたる。

最も伝統的な形態は、洋菓子店やパティスリーでの**ホール販売(1本売り)**である。長方形のパウンド型で焼かれた1本まるごとの商品で、自宅用やギフト用として購入される。価格帯は店舗やブランドによって大きく異なるが、1本あたり1,000円〜10,000円以上まで幅がある。

百貨店やギフト市場では、個包装のスライスタイプが主流である。1切れずつ個別包装されており、複数のフレーバーを詰め合わせたギフトセットとして販売されることが多い。ユーハイムやブールミッシュの商品がこの形態の代表例で、手土産やお中元・お歳暮としての需要が高い。

スーパーマーケットやコンビニエンスストアでは、個食サイズのパウンドケーキが手頃な価格で販売されている。ファミリーマートの各種パウンドケーキや業務スーパーのパウンドケーキなど、日常のおやつとして気軽に楽しめる商品が数多く流通している。

また、製菓材料店やオンラインショップではパウンドケーキミックス粉も販売されており、手作りパウンドケーキを楽しむ層にも対応した流通形態が確立されている。

価格帯

パウンドケーキの価格帯は、購入先や品質によって非常に幅が広い。

日常的な価格帯(100円〜500円程度)
コンビニエンスストアやスーパーマーケットで販売される個食タイプのパウンドケーキがこの価格帯に該当する。ファミリーマートのパウンドケーキは150円〜250円程度、業務スーパーでは大容量のものが200円前後で購入できる。

中価格帯(500円〜3,000円程度)
洋菓子店やパティスリーで購入するホールのパウンドケーキ、あるいは百貨店ブランドの小ぶりなギフト商品がこの範囲である。資生堂パーラーのブランデーケーキ(2,808円)やブールミッシュのミニトリュフケーキ詰め合わせ(1,620円〜3,240円)などが代表的。

高価格帯(3,000円〜10,000円以上)
厳選素材を使用した高級パウンドケーキがこの価格帯となる。足立音衛門の「栗のテリーヌ」(約5,400円〜)、「栗のテリーヌ 天」(12,960円)などの高級品がある。なお、ギネス認定の「世界一高価なパウンドケーキ」(仙台市の「YOU&G」が販売する古山果樹園とろももパウンドケーキ)はレギュラーサイズで88,000円という破格の価格である。

日持ち

パウンドケーキは焼き菓子の中でも比較的日持ちの良いお菓子である。これは、バターと砂糖をたっぷり使用しているため水分活性が低く、微生物が繁殖しにくい環境が保たれるためである。

手作りのプレーンタイプ
常温保存で約1週間が目安。ラップでしっかりと包み、直射日光や高温を避けて保存する。室温20℃前後が理想的な保存環境である。夏場(室温25℃以上)は冷蔵庫での保存が推奨されるが、冷蔵するとバターが固まって食感がやや硬くなるため、食べる前に室温に戻すとよい。

洋酒(ブランデーやラム酒)入りのタイプ
アルコールの防腐効果により、常温で1〜2週間程度日持ちする場合もある。資生堂パーラーのブランデーケーキは製造日より約120日という長い賞味期限を実現している。

フルーツや生の素材入りのタイプ
バナナや生のフルーツなど水分の多い素材を含むパウンドケーキは、常温で3〜4日程度と短めになる。冷蔵保存しても4〜5日程度で消費するのが望ましい。

冷凍保存
パウンドケーキは冷凍保存にも適しており、スライスして一切れずつラップで包んでからジッパー付き保存袋に入れて冷凍すれば、約1か月保存可能である。解凍は冷蔵庫で自然解凍するか、常温で30分〜1時間ほど置くとよい。

アレンジ・バリエーション

パウンドケーキの魅力の一つは、そのシンプルな基本レシピをベースに、実に多彩なアレンジが可能な点である。

フルーツ系のアレンジ
ドライフルーツ(レーズン、クランベリー、オレンジピール、レモンピールなど)をラム酒に漬け込んで生地に混ぜ込む「フルーツパウンドケーキ」は、ヨーロッパの伝統的なバリエーションの代表格である。バナナを練り込んだ「バナナパウンドケーキ」はしっとり感が増し、完熟バナナの自然な甘さがバターと絶妙に調和する。りんごやブルーベリー、いちじくなど季節のフルーツを使ったアレンジも人気が高い。

ナッツ・チョコレート系のアレンジ
くるみやアーモンド、ピスタチオなどのナッツを刻んで加えたものは、ザクザクとした食感がアクセントになる。栗をふんだんに使った栗のパウンドケーキも人気である。ココアパウダーやチョコレートを練り込んだ「チョコレートパウンドケーキ」は、濃厚でリッチな味わいに仕上がる。マーブル模様に仕上げるマーブルパウンドケーキも見た目の美しさから根強い人気がある。

和素材のアレンジ
抹茶パウンドケーキは日本ならではのバリエーションである。抹茶のほろ苦さとバターの甘みが上品にマッチし、甘納豆やあんこを組み合わせるとさらに和の趣が深まる。ほうじ茶、きなこ、黒ごま、さつまいも、ゆずなどの和素材も好相性で、日本のパティスリーでは独自の和風パウンドケーキが数多く生み出されている。

洋酒を使ったアレンジ
ブランデーやラム酒、グランマルニエ(オレンジリキュール)などの洋酒を生地に加えたり、焼き上がりに刷毛で塗ったりすることで、芳醇な香りと大人の味わいが加わる。洋酒は風味を向上させるだけでなく、防腐効果によって日持ちを良くする効果もある。

焼き方・仕上げのバリエーション
表面にアイシング(粉砂糖と水やレモン汁を混ぜたもの)をかけたグレーズドパウンドケーキや、表面にスライスアーモンドやくるみを散らして焼くもの、さらにはカラメルやメープルシロップを染み込ませたものなどがある。フランスのウィークエンド・シトロン(Week-end citron)は、レモン風味のパウンドケーキにレモンのアイシングをかけたもので、パウンドケーキの発展形として広く親しまれている。

型の違いによるバリエーション
伝統的なパウンド型(長方形のローフ型)のほか、クグロフ型で焼けばクグロフ風のパウンドケーキに、マフィン型で焼けば小さなカップケーキ風に仕上がる。型の素材もステンレス、ブリキ、アルミ、シリコン、ガラスなどさまざまで、素材によって焼き上がりの焼き色や食感に微妙な違いが出るとされている。

免責事項

商品紹介等については、公式サイトおよび公開情報を基に作成しております。
記載内容は掲載時時点での参考値です。商品仕様は予告なく変更される場合があります。
購入・ご利用の際は必ず最新のパッケージ表示または公式情報をご確認ください。特に食物アレルギーをお持ちの方は原材料を十分にご確認の上お求めください。
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