お菓子の名前(日本語)

フルーツケーキ

お菓子の名前(外国語)

Fruitcake(英語) / Plum Cake(英語・別称) / Cake aux fruits confits(フランス語) / Früchtebrot(ドイツ語)

お菓子の分類

洋菓子 / 焼き菓子(バターケーキ類)

どんなお菓子

フルーツケーキとは、バターケーキやパウンドケーキをベースとした生地に、ドライフルーツや砂糖漬けの果物、ナッツ類、そしてスパイスを練り込んで焼き上げた焼き菓子のことである。多くの場合、ラム酒やブランデーなどの洋酒に漬け込んだドライフルーツが使われ、焼き上がった後にも洋酒を染み込ませて熟成させることで、芳醇な香りとしっとりとした食感が生まれる。英語では一語で”Fruitcake”と表記する場合、保存の効く状態に加工された果物(ドライフルーツ、砂糖漬け、洋酒漬けなど)とナッツ、スパイスを生地に練り込んで焼いたものを指すのが一般的であり、生のフルーツを飾ったデコレーションケーキとは明確に区別される。

日本語でフルーツケーキというと、生の果物をスポンジケーキに飾った華やかなケーキを思い浮かべる人もいるが、菓子業界やギフト市場で「フルーツケーキ」と呼ばれるものは、ドライフルーツを混ぜ込んだ焼き菓子タイプを指すことがほとんどである。ずっしりとした重量感があり、切り分けると断面に色とりどりのドライフルーツやナッツが散りばめられた美しい模様が現れるのが特徴だ。欧米ではクリスマスや結婚式など特別な行事に欠かせない伝統菓子として古くから親しまれており、日本でも贈答用の焼き菓子ギフトの定番として百貨店や洋菓子店で一年を通して販売されている。

お菓子の名前の由来

フルーツケーキという名称は、その名の通り「フルーツ(果物)」と「ケーキ」を組み合わせた極めてシンプルな呼称である。ここでいう「フルーツ」は生の果物ではなく、ドライフルーツや砂糖漬け、洋酒漬けにした保存性の高い加工果実のことを指している。

イギリスでは歴史的に「プラムケーキ(Plum Cake)」という別称でも呼ばれてきた。17世紀頃のイギリスでは、レーズンやカラントなどのドライフルーツ全般を総称して「プラム(Plum)」と呼んでいたため、ドライフルーツを練り込んだケーキはそのまま「プラムケーキ」と呼ばれるようになったのである。したがって、プラムケーキという名前であっても実際にはプラム(西洋すもも)が入っていないこともあり、フルーツケーキとプラムケーキは実質的に同じものを指す言葉として使われてきた。クリスマスに食べられるプラムプディングも同様の名称の由来を持っており、必ずしもプラムそのものが使用されているわけではない。

なお、古代ローマ時代にフルーツケーキの原型とされる食べ物は「サチュラ(satura)」と呼ばれていた。これはレーズン、ザクロの種、松の実などを大麦のマッシュに混ぜて平らな円形に焼いたもので、古代ローマ帝国のレシピ本『アピシウス(De re coquinaria)』にも記載が残されている。

お菓子の歴史

フルーツケーキの歴史は驚くほど古く、その起源は紀元前にまで遡ることができる。

古代エジプトでは、ドライフルーツやナッツ、蜂蜜を混ぜ込んだケーキもしくはパンのようなものが既に焼かれていたと伝えられている。これらは亡くなった人に捧げる供物として使われ、ピラミッドの中にも納められたという。乾燥果実と種子、蜂蜜を使った日持ちの良い食べ物は「死後の世界を旅する際の糧」にふさわしいと考えられていたようだ。この古代エジプトのパンが、後のヨーロッパ各地に広がるフルーツケーキ類の共通の祖先であると目されている。

古代ギリシャには、蜂蜜、レーズン、クルミを練り込んだパンが「プラクース(plakous)」という名で伝わった。続く古代ローマ時代には、ローマ人たちが独自のアレンジを加え、レーズン、ザクロの種、松の実、蜂蜜入りのワインを大麦のマッシュに混ぜて焼いた「サチュラ(satura)」と呼ばれる食べ物を作り出した。このサチュラは祭礼で供される贅沢品であると同時に、日持ちが良く栄養価も高いことから、遠征するローマ兵士たちの携行食としても重宝された。古代ローマ帝国の広範な版図拡大に伴い、このフルーツケーキの原型はユーラシア大陸の西側全域に広まっていったと考えられている。

中世に入ると、十字軍の遠征が大きな転機をもたらした。十字軍の兵士たちもまたローマ兵と同様にフルーツケーキを携行食として持参したが、遠征先の中東で柑橘類やデーツ、砂糖、シナモン、ナツメグ、クローブといったスパイス類と出会った。これらの新しい食材はヨーロッパに持ち帰られ、フルーツケーキにも加えられるようになっていった。特に聖地エルサレム周辺からもたらされたスパイスや果物は神聖視され、クリスマスやイースターなどのキリスト教行事において重用されるようになったという見解もある。11世紀頃からフルーツケーキはより現代に近い形へと進化し、イタリアのパンフォルテ、ドイツのシュトーレンなど各国独自のフルーツケーキが誕生し始めた。

15世紀にはマデイラ島やカナリア諸島でサトウキビ栽培が始まり、砂糖の流通が本格化する。16世紀以降、アメリカ大陸やカリブ海地域の植民地化により砂糖が大量に生産されるようになると、果物を砂糖に漬けて保存する方法が普及し、砂糖漬けフルーツ(グラセフルーツ)をふんだんに使ったフルーツケーキが一般にも広まっていった。1490年にはローマ教皇インノケンティウス8世がザクセンの菓子職人に対し、四旬節中のバター使用を認める「バター書簡(Butterbrief)」を発行し、これによりドイツのシュトーレンにバターが使えるようになるなど、宗教的な規制の緩和もフルーツケーキの発展に貢献した。

17世紀のイギリスでは、イースト(酵母)で膨らませたフルーツケーキが作られるようになり、ラム酒やドライフルーツが保存性を高める役割を担った。18世紀初頭にはバターや砂糖をたっぷり使ったフルーツケーキが「罪深い贅沢品」とみなされ、ヨーロッパの一部で禁止された時期もあったが、この禁止は長くは続かなかった。19世紀に入ると、イギリスではフルーツケーキが結婚式や祝日の定番として大流行する。1840年のヴィクトリア女王の結婚式では、白いアイシングで装飾された巨大なフルーツケーキがウェディングケーキとして用意され、以降イギリス王室の結婚式では伝統的にフルーツケーキが供されてきた。ダイアナ妃とチャールズ皇太子の結婚式、キャサリン妃とウィリアム王子の結婚式でもフルーツケーキが登場している。

アメリカには18世紀末頃にイギリスからの入植者によって持ち込まれた。新鮮な果物が手に入りにくい地域では保存性の高いフルーツケーキが特に重宝された。1913年にはテキサス州コーシカナのコリン・ストリート・ベーカリーがフルーツケーキの通信販売を開始し、世界中にフルーツケーキを届ける先駆けとなった。

フルーツケーキにまつわるユニークなエピソードとして、1969年のアポロ11号による月面着陸の際、パイナップルのフルーツケーキが宇宙食として積み込まれたことが知られている。このフルーツケーキは宇宙飛行士のニール・アームストロングやバズ・オルドリンに食べられることなく地球に帰還し、現在はワシントンD.C.の国立航空宇宙博物館に展示されている。

発祥の地

フルーツケーキの厳密な発祥地を一つの国に特定することは難しいが、その原型は古代エジプトから古代ギリシャ、古代ローマへと受け継がれ、ヨーロッパ全域に広まったと考えられている。現在のフルーツケーキの形に最も大きな影響を与えたのはイギリスであり、17世紀から19世紀にかけてイギリスで結婚式やクリスマスの伝統的なケーキとして確立された。そのイギリスからオーストラリア、カナダ、アメリカ、インドなどの旧英国植民地にも伝わり、各地で独自のフルーツケーキ文化が花開いた。ヨーロッパ各国にも類似のお菓子が存在し、ドイツのシュトーレン(ドレスデンが特に有名)、イタリアのパネットーネ(ミラノ発祥)やパンフォルテ(シエナ発祥)、アイルランドのバームブラック、ポルトガルのボーロ・レイなど、いずれもフルーツケーキの仲間として位置づけられている。

有名な商品(メーカー名と商品名と販売価格)

フルーツケーキは世界各国で製造・販売されており、日本国内にも海外にも数多くの名品がある。以下に代表的な商品を紹介する。なお、価格は変動する場合があるため、購入時に最新情報を確認いただきたい。

帝国ホテル「フルーツケーキ オーチャード」
日本を代表する高級フルーツケーキとして知られる逸品である。「オーチャード(Orchard)」とは「果樹園」を意味し、マンゴー、パイナップル、イチゴ、ブルーベリー、チェリー、クランベリー、オレンジピール、プルーン、キウイフルーツなど計13種類のドライフルーツを、それぞれの果物に合うリキュールやブランデーに2週間以上漬け込んでから焼き上げている。通常の2倍のドライフルーツを使用した約870gのずっしりとした仕上がりで、焼き上がり後にもブランデーを惜しみなく染み込ませ、約1週間寝かせて完成させる。帝国ホテル東京のホテルショップ「ガルガンチュワ」および公式オンラインショップで販売されており、通常価格は税込13,932円、会員価格は税込12,539円(2026年4月時点)。

千疋屋総本店「フルーツケーキ 10個入」 
1834年創業の老舗果物専門店が手がけるフルーツケーキの詰め合わせである。フルーツミックス、オレンジ、ショコラマロン、チェリーの4種類の味わいが楽しめる個包装タイプで、しっとりとした生地に上品な甘さのドライフルーツが散りばめられている。税込3,240円という手頃な価格で、賞味期限は製造日から75日と日持ちも良く、ギフトに最適な一品。公式オンラインストアや日本橋本店で購入できる。

銀座ウエスト「ダークフルーツケーキ」
1947年創業の老舗洋菓子店の人気商品である。上質なバターを使ったしっとりとした生地にドライフルーツを練り込んだ本格的な焼き菓子で、個包装されているため手土産にも便利。8個入で税込1,296円、16個入で税込2,160円と求めやすい価格帯が魅力であり、常温保存で到着から約1ヶ月の賞味期限がある。

コリン・ストリート・ベーカリー(Collin Street Bakery)「DeLuxe® Fruitcake」
1896年創業のアメリカ・テキサス州コーシカナに本拠を置くベーカリーの看板商品であり、世界的に最も有名なフルーツケーキの一つである。ピーカンナッツ、パイナップル、チェリー、パパイヤ、ゴールデンレーズンなどをはちみつの甘い生地に練り込んだ贅沢な一品で、1913年から通信販売を行い、世界中に出荷されている。公式サイトでの販売価格は約36.45ドル(約5,500円前後、レギュラーサイズ)から。

味や食感などの特徴

フルーツケーキの最大の特徴は、バターの豊かなコクと洋酒の芳醇な香り、そしてドライフルーツの凝縮された甘みと酸味が三位一体となった複雑な味わいにある。

生地はバターと砂糖、卵をたっぷり使ったパウンドケーキタイプが基本であり、一般的なスポンジケーキに比べてずっしりと重く、密度の高い食感を持つ。しっかりと焼き込まれた生地はしっとりとしており、洋酒を染み込ませて熟成させたものはさらにしっとり感が増す。口に含むと、まずバターと蜂蜜の甘い香りが広がり、続いてレーズン、オレンジピール、チェリーなどのドライフルーツから放たれるフルーティーな風味が追いかけてくる。ナッツ類のカリッとした食感がアクセントとなり、噛むごとに異なる味と食感のハーモニーが楽しめる。

伝統的なイギリス式のフルーツケーキでは、シナモン、ナツメグ、クローブといったスパイスが生地に効かせてあり、奥深いスパイシーな風味も感じられる。一方、日本の洋菓子店で販売されるフルーツケーキは、スパイスを控えめにし、日本人好みの繊細で上品な甘さに仕上げているものが多い。

フルーツケーキには時間の経過とともに風味が深まる「熟成」という楽しみもある。洋酒をたっぷり含んだフルーツケーキは、焼き上がりから日を追うごとにドライフルーツの風味と洋酒の香りが生地に馴染んで一体化し、よりまろやかで深みのある味わいへと変化していく。帝国ホテルのオーチャードのように、熟成を前提に作られた商品もある。

どんな場面やどんな人におすすめ

フルーツケーキは、その保存性の高さ、見た目の華やかさ、そして格式ある歴史を持つ焼き菓子として、さまざまな場面で活躍する。

まず、贈答・ギフトの場面に最もふさわしいお菓子の一つである。常温で日持ちするため、お中元やお歳暮、手土産、お礼の品として非常に使い勝手が良い。個包装タイプなら職場での配り物にも適しており、ホール型なら特別感のある贈り物になる。百貨店の菓子売場やオンラインショップで一年中手に入る定番ギフトとして、帝国ホテルや千疋屋などのブランド品は目上の方への贈り物にも安心して選べる。

クリスマスシーズンには、欧米の伝統に倣ってフルーツケーキを楽しむのもおすすめだ。シュトーレンやパネットーネと並んで、少しずつスライスして毎日味わうクリスマスまでのカウントダウンのお供にぴったりである。結婚式やお祝い事にフルーツケーキを用意するのも、イギリスの伝統に根ざした粋な演出となるだろう。

洋酒の風味が効いたフルーツケーキはコーヒーや紅茶との相性が抜群で、大人のティータイムにうってつけである。ウイスキーやブランデーとの組み合わせも絶品で、お酒を嗜む方には特に喜ばれる。一方で、洋酒を使っていない、あるいはアルコール分が飛ばされた商品も多いため、アルコールが苦手な方やお子様でも楽しめるものを選ぶことができる。

甘いものが好きな方はもちろん、普段はあまり甘い物を食べないという方にも、フルーツケーキの複雑で奥深い味わいは新鮮に映ることがある。ドライフルーツの自然な甘みとスパイスの香りは「大人の焼き菓子」と呼ぶにふさわしく、食通の方への贈り物としても好適だ。

材料

フルーツケーキの基本的な材料は以下の通りである。

生地の材料としては、薄力粉(小麦粉)、無塩バター、砂糖(グラニュー糖や三温糖など)、卵が基本となる。これにアーモンドプードル(アーモンドパウダー)を加えるとコクと風味が増す。蜂蜜や水飴を加えることで、しっとり感を高めるレシピも多い。膨張剤としてベーキングパウダーを少量使用する場合もある。

ドライフルーツとしては、レーズン(ラムレーズン)、オレンジピール、レモンピール、ドレンチェリー(砂糖漬けのさくらんぼ)、プルーン、カラント、ドライクランベリー、ドライイチジク、パイナップルの砂糖漬けなどが代表的である。これらのドライフルーツは、事前にラム酒やブランデー、キルシュワッサーなどの洋酒に数日から数週間漬け込んでおくことで、風味が格段に豊かになる。

ナッツ類としては、くるみ、アーモンド、ピーカンナッツ、カシューナッツなどが使われる。スパイスとしては、シナモンパウダー、ナツメグパウダー、クローブ(丁子)、オールスパイスなどが定番で、これらを適量加えることで欧風の本格的な香りが生まれる。

レシピ

ここでは、家庭で作れる基本的なフルーツケーキ(パウンドケーキ型1本分)のレシピを紹介する。

下準備

ミックスドライフルーツ200gを瓶や密閉容器に入れ、ラム酒またはブランデー大さじ3~4を注いでよく混ぜ、ラップをして冷暗所で最低一晩、できれば1週間以上漬け込んでおく。漬け込む期間が長いほど、フルーツに洋酒の風味が染み込んで仕上がりが豊かになる。パウンドケーキ型にオーブンシートを敷いておく。無塩バターと卵は室温に戻しておく。オーブンは170℃に予熱する。

材料

無塩バター 120g、グラニュー糖 100g、卵 2個、薄力粉 150g、アーモンドプードル 30g、ベーキングパウダー 小さじ1/2、洋酒漬けミックスドライフルーツ 200g(漬け汁ごと使用)、くるみまたはアーモンド 40g(粗く刻む)、シナモンパウダー 小さじ1/2、蜂蜜 大さじ1、仕上げ用のラム酒またはブランデー 大さじ2~3。

作り方

  1. まず、ボウルに室温に戻した無塩バターを入れ、泡立て器またはハンドミキサーでクリーム状になるまで練る。グラニュー糖を2~3回に分けて加え、白っぽくふんわりとするまで十分にすり混ぜる。ここに溶きほぐした卵を少量ずつ加え、そのつど分離しないようしっかりと混ぜ合わせる。蜂蜜も加えて混ぜる。
  2. 別のボウルで薄力粉、アーモンドプードル、ベーキングパウダー、シナモンパウダーを合わせてふるっておき、これをバター生地のボウルに加えてゴムベラで切るように混ぜる。粉気が少し残る段階で、洋酒漬けドライフルーツを漬け汁ごと加え、刻んだナッツも投入してさっくりと全体に行き渡るまで混ぜ合わせる。
  3. 生地を準備した型に流し入れ、表面をならして中央を少しくぼませる。170℃に予熱したオーブンで約50~60分焼く。途中、表面が焦げそうになったらアルミホイルをかぶせる。竹串を刺して生の生地が付いてこなければ焼き上がりである。
  4. 型から取り出して熱いうちに仕上げ用のラム酒またはブランデーをハケで全体にまんべんなく塗る。粗熱が取れたらラップでぴったりと包み、さらにアルミホイルで二重に包んで冷暗所で2~3日以上寝かせる。寝かせることで洋酒の風味が生地に馴染み、しっとりとした極上の仕上がりとなる。好みで数日おきに洋酒を追加で塗り重ねると、さらに芳醇な味わいが楽しめる。

販売温度帯

フルーツケーキの販売温度帯は常温が基本である。バターや砂糖、洋酒をふんだんに使い、水分活性が低いため、直射日光や高温多湿を避ければ常温での保存・流通が可能である。店頭でも常温の棚に陳列されるのが一般的であり、百貨店のギフト売場や洋菓子店の焼き菓子コーナーで常温販売されている。ただし、夏場など気温が高い時期にはより涼しい場所での保管が推奨される。冷蔵保存すると生地が硬くなる場合があるため、食べる前に室温に戻すとよい。

主な流通形態

フルーツケーキは、その日持ちの良さを活かして多様な形態で流通している。

最も一般的なのは、パウンドケーキ型のホールタイプで、箱入りのギフト仕様で販売されるものである。帝国ホテルのオーチャードのように、一本丸ごと化粧箱に入れた高級感のある仕立てのものが百貨店やホテルショップで取り扱われている。一方で、千疋屋総本店や銀座ウエストのように、個包装のカットタイプを詰め合わせにした商品も多く、配り物や少量ずつ楽しみたい人に好まれている。

通信販売(オンラインショップ)での取り扱いも盛んで、帝国ホテル、千疋屋、銀座ウエストなどの有名ブランドは公式通販サイトを設けている。アメリカのコリン・ストリート・ベーカリーのように、通信販売を事業の柱としているメーカーもある。そのほか、スーパーマーケットやコンビニエンスストアでも手頃な価格帯のフルーツケーキが販売されており、輸入食品店では海外製のフルーツケーキを購入することもできる。クリスマスシーズンにはシュトーレンやパネットーネとともに特設コーナーが設けられることも多い。

価格帯

フルーツケーキの価格帯は、使用する素材の品質やブランドによって幅広い。

スーパーマーケットやコンビニエンスストアで購入できる市販品であれば、数百円から1,000円程度で手に入るものもある。洋菓子店の個包装タイプは1個あたり100円~300円程度、詰め合わせで1,000円~3,000円前後が一つの目安となる。千疋屋総本店のフルーツケーキ10個入は税込3,240円、銀座ウエストのダークフルーツケーキ8個入は税込1,296円といった価格帯が、贈答用として手頃な選択肢である。

高級ホテルや名門ブランドが手がけるホールタイプのフルーツケーキは、5,000円から15,000円程度の価格帯となる。帝国ホテルのオーチャードは通常価格で税込13,932円と、フルーツケーキの中でも最高級クラスに位置する。海外のコリン・ストリート・ベーカリーのDeLuxeフルーツケーキはレギュラーサイズで約36ドル(約5,500円)からとなっている。

日持ち

フルーツケーキは焼き菓子の中でも特に保存性に優れたお菓子である。砂糖と洋酒を多く含むことで水分活性が低く抑えられ、微生物の繁殖が抑制されるためである。

市販の個包装タイプの場合、常温で製造日から1ヶ月~2ヶ月半程度の賞味期限が設定されていることが一般的である。千疋屋総本店のフルーツケーキは製造日から75日、銀座ウエストのダークフルーツケーキは到着から約1ヶ月が目安とされている。帝国ホテルのオーチャードは賞味期限が11日以上のものを発送するとされている(保存料を使わない手作りのためやや短め)。

一方、たっぷりの洋酒に漬け込んで作られた伝統的なフルーツケーキは、適切に保存すれば数ヶ月から数年にわたって保存が可能とされている。洋酒に浸したリネン(布)で包んで保管する方法が古くから知られており、時間の経過とともに熟成が進んで風味が深まるという特性がある。アメリカのミシガン州には1878年に焼かれたフルーツケーキが家宝として保存されている家族がおり、2017年には南極探検隊のロバート・スコットの遠征(1910年頃)で残されたとみられる106年前のフルーツケーキが「ほぼ食べられる状態」で発見されたというエピソードもある。これらはフルーツケーキの驚異的な保存性を物語る逸話として広く知られている。

アレンジ・バリエーション

フルーツケーキは世界各地で独自の進化を遂げており、多彩なバリエーションが存在する。

シュトーレン(Stollen) 
ドイツを代表するフルーツケーキの仲間で、酵母で発酵させたバターリッチな生地に柑橘ピール、レーズン、アーモンドを練り込んで焼き上げ、表面に粉砂糖をたっぷりとまぶしたものである。特にドレスデンのドレスドナー・シュトーレンは法律で配合が定められた伝統品として世界的に有名で、クリスマスの4週間前(アドヴェント)から少しずつスライスして食べる習慣がある。

パネットーネ(Panettone) 
イタリア・ミラノ発祥のクリスマス菓子で、天然酵母で発酵させたブリオッシュのようなふわふわの生地にドライフルーツを散りばめたドーム型のパンである。フルーツケーキの仲間でありながら、軽やかでエアリーな食感が特徴的で、バターの香りが芳しい。

パンフォルテ(Panforte)
イタリア・トスカーナ州シエナの伝統菓子で、13世紀にまで遡る歴史を持つ。ナッツや砂糖漬けフルーツをスパイスの効いた生地で固めた、非常に密度が高くねっとりとした食感の平たいケーキである。

ブラックケーキ(Black Cake)
カリブ海地域、特にジャマイカで親しまれているフルーツケーキの一種で、細かく刻んだフルーツのラム酒漬けとカラメルや糖蜜を生地に混ぜ込むことで、名前の通り濃い焦げ茶色に仕上がるのが特徴である。何週間、時には何ヶ月も前からフルーツをダークラムに漬け込んで準備する手間のかかったケーキで、クリスマスやお祝い事のテーブルを飾る。

バームブラック(Barmbrack/Bara Brith)
アイルランドやウェールズの伝統的なフルーツブレッドで、紅茶にドライフルーツを浸してから生地に練り込んで焼くのが特徴である。アイルランドではハロウィンの行事食として知られ、ケーキの中に指輪やコインなどの小物を入れて、見つけた人の運勢を占うという風習がある。

日本国内でのアレンジ
洋酒に漬け込まず和素材を取り入れたフルーツケーキも見られる。抹茶や柚子を生地に加えたもの、和栗や干し柿など和の乾燥果実を使ったもの、日本酒や梅酒で漬けたドライフルーツを使用したものなど、日本の食文化と融合した独創的なバリエーションが洋菓子店やホテルから発信されている。また、マジパンやフォンダン(糖衣)でコーティングしたイギリス式の本格デコレーションフルーツケーキをクリスマスケーキとして提供する店舗もあり、近年は欧米のクラシックなスタイルへの関心も高まっている。

ホームメイドの場面では、基本のレシピを応用して好みのドライフルーツやナッツの組み合わせを試すことで、オリジナルのフルーツケーキを楽しむことができる。チョコレートチップを加えたショコラフルーツケーキ、クリームチーズを練り込んだリッチタイプ、全粒粉やオーツ麦を使ったヘルシータイプなど、アレンジの幅は無限に広がっている。

免責事項

商品紹介等については、公式サイトおよび公開情報を基に作成しております。
記載内容は掲載時時点での参考値です。商品仕様は予告なく変更される場合があります。
購入・ご利用の際は必ず最新のパッケージ表示または公式情報をご確認ください。特に食物アレルギーをお持ちの方は原材料を十分にご確認の上お求めください。
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