お菓子の名前(日本語)

シュトゥルーデル(シュトルーデル)

お菓子の名前(外国語)

Strudel(ドイツ語:シュトゥルーデル)/ 最も代表的なものは Apfelstrudel(アプフェルシュトゥルーデル=りんごのシュトゥルーデル)。ハンガリー語では Rétes(レーテシュ)、イタリア語では Strudel(ストゥルーデル)、チェコ語では závin(ザーヴィン) または štrúdl(シュトルードル) とも呼ばれる。

お菓子の分類

ペイストリー(焼き菓子)/巻き菓子/ウィーン菓子(ドイツ・オーストリア菓子)

どんなお菓子

シュトゥルーデルは、薄く伸ばした生地(シュトゥルーデルタイク)にフルーツやチーズ、ナッツなどのフィリング(詰め物)をのせ、くるくると巻いてオーブンで焼き上げるヨーロッパの伝統的な焼き菓子です。最も有名なのはりんごを具材とする「アプフェルシュトゥルーデル(Apfelstrudel)」で、オーストリアではウィンナーシュニッツェル(Wiener Schnitzel)やターフェルシュピッツ(Tafelspitz)と並び、国を代表する料理のひとつとされています。

シュトゥルーデルの最大の特徴は、何といってもその生地の薄さにあります。「向こう側が透けて新聞が読めるほど薄く」という言い伝えがあるほどで、オーストリア皇帝の料理人が「生地を通してラブレターが読めなければならない」と言ったという伝説も残っています。この極薄の生地にフィリングを包んで焼くことで、パリパリと軽やかでサクサクした食感と、中からとろりとあふれ出すフルーツの甘酸っぱさが絶妙なコントラストを生み出します。

甘いデザートとしてだけでなく、ほうれん草やキャベツ、ザワークラウト、ひき肉などを具材にした塩味のシュトゥルーデルもあり、軽食や食事として食べられることも少なくありません。オーストリアでは「メールシュパイゼ(Mehlspeise=粉の食事)」と呼ばれ、一品で立派な食事になるものとして親しまれてきました。焼きたてに粉砂糖を振りかけ、バニラソースや生クリーム、アイスクリームを添えて温かいうちに食べるのが伝統的なスタイルです。

お菓子の名前の由来

「Strudel(シュトゥルーデル)」はドイツ語で「渦巻き」や「渦」を意味する言葉に由来しています。中高ドイツ語の “strudel” は「渦巻き」「旋回」「渦流」を表す語で、さらに遡ると古高ドイツ語の “stredan”(「泡立つ」「沸く」「渦を巻く」)から派生したと考えられています。薄い生地でフィリングをぐるぐると巻き込んだ断面が渦巻き模様に見えることから、この名前が付けられました。英語圏でも “Strudel” はドイツ語からの借用語としてそのまま使われています。

なお、ヘブライ語圏では電子メールアドレスに使われる「@(アットマーク)」のことを俗に「シュトゥルーデル(שטרודל)」と呼ぶことがあり、これも渦巻きの形状がお菓子のシュトゥルーデルを連想させることに由来しています。

お菓子の歴史

シュトゥルーデルの起源を辿ると、中東やオスマン帝国の食文化にまで遡ります。オスマン帝国で広く食べられていた「バクラヴァ」や、バルカン半島の「ブレク」といった薄い生地を重ねて作る菓子・料理がその祖先であると考えられています。15世紀半ば、1453年にオスマン・トルコがコンスタンティノープル(ビザンティウム)を征服した時代に、薄い生地を用いた菓子の製法がバルカン半島を経由してハンガリーへ伝わり、さらにハンガリーがオーストリア帝国に組み込まれたことでウィーンへと広まったとされています。

現存する最古のシュトゥルーデルのレシピは1696年に手書きされたもので、ミルヒラームシュトゥルーデル(ミルククリームのシュトゥルーデル)とカブのシュトゥルーデルが記されています。この貴重なレシピは現在もウィーン市庁舎内の図書館(ウィーンビブリオテーク・イム・ラートハウス)に所蔵されています。

18世紀に入ると、シュトゥルーデルはハプスブルク君主国全域で広く知られるようになり、一気に人気を獲得しました。とりわけりんごのシュトゥルーデル(アプフェルシュトゥルーデル)はウィーンの代表的な菓子として定着し、女帝マリア・テレジアが愛したミルヒラームシュトゥルーデルとともに、宮廷から市民にまで広く親しまれる存在となりました。

その後、旧オーストリア=ハンガリー帝国の領域全体に広がり、ハンガリー、チェコ、スロバキア、スロベニア、クロアチア、ルーマニア、イタリア北部(南チロル地方)など各地で独自のバリエーションが生まれました。また、1920〜30年代に中央ヨーロッパからイスラエルへ移住したユダヤ人移民によってイスラエル料理の一部ともなり、アシュケナジ系ユダヤ人の食文化とも深い結びつきを持っています。さらに2003年にはアメリカのテキサス州が公式の州菓子(Official State Pastry)にシュトゥルーデルを指定するなど、大西洋を越えて愛されています。

発祥の地

シュトゥルーデルの発祥地は オーストリア(旧オーストリア帝国、現在のウィーン) とされています。ただし、その製法のルーツは中東(オスマン帝国)にあり、バルカン半島やハンガリーを経由してウィーンに伝わったと考えられています。したがって、厳密には「中東にルーツを持ち、ウィーンで完成した菓子」と表現するのが正確です。

現在では、オーストリアだけでなく、ドイツ(特にバイエルン地方)、ハンガリー、チェコ、スロバキア、スロベニア、クロアチア、イタリア北部(南チロル地方、トレンティーノ=アルト・アディジェ州)など、旧ハプスブルク帝国の広い地域で郷土菓子として親しまれています。イタリアの南チロル地方では「伝統的農産食品(PAT)」として公式に認定されています。

有名な商品(メーカー名と商品名と販売価格)

日本国内でもシュトゥルーデルを味わえる店舗や商品が増えてきています。以下は代表的なものです(価格は変動する場合があります)。

ウィーン菓子 シュトラウス(青森県青森市)「アップフェルシュトゥルーデル」
青森県産のふじりんごにレーズンと胡桃を加え、ウィーン伝統のレシピで焼き上げた本格派です。店頭でのカットケーキは約500〜700円程度、通販では6本入り約2,040円(税込)、1本丸ごとは約3,800円(税込)で購入できます。

ウィーン菓子工房 リリエンベルグ(神奈川県川崎市)「アプフェルシュトゥルーデル」
ウィーンで修行したシェフが手がける名店で、秋から冬にかけて紅玉りんごやブラムリーりんごを使った季節限定のシュトゥルーデルを販売しています。カットで約550円程度、配送用の長さ約22cmの1本は価格未定で予約制です。冷凍での配送にも対応しています。

コストコ(カークランドシグネチャー)「アップルシュトルーデル」
不定期販売で入手困難ながら根強いファンを持つ人気商品です。8個入りで1,498円(税込)、1個あたり約187円と非常にリーズナブルです。しっとりした編み込み生地にたっぷりのりんごフィリングが入っており、トースターで温めるとサクサク食感が楽しめます。

グロス・オーフェン「アップルシュトゥルーデル」
ドイツパンと菓子の専門店で、通販でも購入可能です。伝統的な製法にこだわった本格的な味わいが特徴です。

リンデ(Linde)「アッフェルシュトルーデル(Apfelstrudel)」
通販対応のドイツ菓子店で、冷凍配送に対応しています。

味や食感などの特徴

シュトゥルーデルの味わいは、何層にも巻かれた極薄の生地が生み出すパリパリ、サクサクとした軽い食感が最大の魅力です。パイ生地(パート・フィユテ)を使ったアップルパイとは根本的に異なり、シュトゥルーデルの伝統的な生地(シュトゥルーデルタイク)はグルテン含有量の多い小麦粉、水、少量の油と塩だけで作り、砂糖は加えません。これをしっかりとこねて弾力を出し、手作業で紙のように薄く引き伸ばします。バターは生地の表面に溶かして塗る形で使用するため、パフペイストリーのように何層にも折り込む工程はなく、軽やかでありながらパリッとした独特の食感が生まれます。

フィリングの定番であるりんごは、酸味のしっかりした品種(紅玉、ブラムリー、グラニースミスなど)が好まれます。りんごの甘酸っぱさに、レーズンのフルーティーな甘み、シナモンの温かみのあるスパイシーな香り、くるみやアーモンドのコクが加わり、複雑で奥行きのある味わいとなります。生地の内側に散らしたパン粉をバターで炒めたもの(ケーキクラム)がりんごから出る水分を吸い、生地がべちゃつくことなく仕上がるのも伝統的な技法の妙です。

焼きたてを温かいうちに粉砂糖を振りかけ、冷たいバニラソース(ソース・アングレーズ)やバニラアイスクリーム、泡立てた生クリームを添えて食べるのが伝統的なスタイルです。温かいシュトゥルーデルと冷たいソースの温度差が、口の中で豊かなハーモニーを奏でます。

どんな場面やどんな人におすすめ

シュトゥルーデルは、ヨーロッパの伝統菓子が好きな方や、一般的なアップルパイとは少し違った味わいを楽しみたい方にぴったりのお菓子です。素材のシンプルさとは裏腹に、その味わいは非常に奥深く、お菓子作りの上級者にとっては生地を薄く伸ばす工程そのものが楽しい挑戦になります。

秋から冬にかけての寒い季節は、旬のりんごを使ったアプフェルシュトゥルーデルが最も美味しい時期です。クリスマスマーケットやアドベント(待降節)の時期にはヨーロッパ各地で焼きたてが売られ、温かいシュトゥルーデルとグリューワイン(ホットワイン)の組み合わせは格別です。ハンガリーでは新年やカーニバル(ファルシャング)の時期に食べると幸運や長寿をもたらすとも信じられています。

ホームパーティーのデザートとしても喜ばれますし、午後のティータイムにコーヒーや紅茶と合わせるのもおすすめです。フィロ生地(市販のパート・フィロ)や冷凍パイシートを活用すれば家庭でも手軽に再現できるため、お菓子作り初心者から上級者まで幅広い層にチャレンジしやすいお菓子です。また、りんご以外にもチェリーやアプリコット、カボチャ、ほうれん草など多彩なフィリングが楽しめるため、甘いものが苦手な方にも塩味のバリエーションがおすすめできます。

材料

以下は、伝統的なアプフェルシュトゥルーデル(りんごのシュトゥルーデル)1本分の基本的な材料です。

シュトゥルーデル生地(シュトゥルーデルタイク)

薄力粉 125g、強力粉 55g、卵 1個、塩 小さじ1/2、サラダ油 15ml、ぬるま湯 80ml

フィリング(詰め物)

りんご(酸味のある品種が望ましい)5〜6個、レモン汁 1/2個分、レモンの皮 1/2個分、レーズン 50g、シナモンパウダー 適量、砂糖 50g

パン粉の炒め(ケーキクラム)

パン粉 100g、バター 50g、砂糖 50g

仕上げ

溶かしバター 適量、粉砂糖 適量

バニラソース(任意)

牛乳 500ml、バニラのさや 1本、卵黄 4個、砂糖 100g

レシピ

作り方

  1. シュトゥルーデル生地を作る
    ボウルに薄力粉と強力粉を合わせて入れ、中央にくぼみを作る。そこに卵、塩、サラダ油、ぬるま湯を加え、粉を崩すように混ぜ合わせていく。最初はベタつくが、しばらくこね続けると粘りが出てなめらかな生地になる。台にたたきつけながらしっかりとこね、弾力のある生地に仕上げる。丸くまとめてサラダ油を薄く塗り、ボウルに入れてラップをかけ、室温で30分〜1時間ほど休ませる。
  2. フィリングの準備をする
    りんごは皮を剥き、八等分して芯を取り除き、薄いいちょう切りにする。レモン汁とレモンの皮を加えて混ぜ合わせておく。別の鍋でバターを溶かし、パン粉を加えてこんがりと色よく炒め、さらに砂糖を少しずつ加えながらサラサラになるまで炒める。平らな容器に広げて粗熱を取っておく。
  3. 生地を伸ばす
    台の上に大きめの清潔な布(布巾)を広げて打ち粉をする。休ませておいた生地を布の上に置き、まず麺棒でできるだけ薄くのばす。次に生地を両手の甲にのせ、手の甲を左右に少しずつ広げるようにして、生地の重みを利用しながら慎重に引き伸ばしていく。最終的に60cm×90cm程度の長方形で、向こう側が透けて見えるほどの薄さを目指す。縁の厚い部分はカットしておく。
  4. フィリングを包む
    伸ばした生地の表面全体に溶かしバターをたっぷりと塗る。炒めたパン粉を全面に振りかけ、手前半分にスライスしたりんごを均等に広げる。砂糖とレーズンを散らし、シナモンパウダーをたっぷり振りかける。
  5. 巻く
    手前の生地をりんごにかぶせるようにし、布巾を持ち上げて奥に向かって転がすようにしながら丁寧に巻いていく。少し転がすごとに表面に溶かしバターを塗ると、焼き上がりがより美しくなる。巻き終わったら両端をしっかりつまんで閉じ、余分な生地を取り除く。
  6. 焼く
    オーブンを180℃に予熱する。天板にオーブンシートを敷き、閉じ目を下にしてシュトゥルーデルをのせる。天板に入りきらない場合は馬蹄形に曲げてもよい。表面にナイフの先で数か所穴をあけ、溶かしバターを塗って180℃で25〜30分、表面がこんがりきつね色になるまで焼く。
  7. 仕上げ
    焼きたてを切り分けて粉砂糖を振りかけ、バニラソースまたはバニラアイスクリーム、生クリームを添えて温かいうちに供する。

販売温度帯

シュトゥルーデルの販売温度帯は商品の形態によって異なります。街のベーカリーやパティスリーの店頭では、焼きたてを 常温 で販売するのが一般的です。カフェやレストランでは焼きたてを温かい状態で提供することが多いです。通販やお取り寄せの場合は 冷凍 での配送が主流で、届いてから自然解凍またはオーブンで温め直して食べるスタイルが一般的です。コストコなどの大型量販店では 常温(ベーカリーコーナー) で販売されています。

主な流通形態

日本国内におけるシュトゥルーデルの主な流通形態は以下のとおりです。ウィーン菓子やドイツ菓子を扱う専門パティスリーでの店頭販売が最も一般的で、秋から冬にかけての季節限定品として販売されるケースも多く見られます。オンラインショップによる通販(冷凍配送)も広がっており、遠方からでも購入可能です。コストコでは不定期にベーカリーコーナーで大容量パックが販売され、人気のため入荷と同時に売り切れることも少なくありません。輸入食品では、冷凍シュトゥルーデルや冷凍フィロ生地が一部の輸入食品店やオンラインショップで購入できます。また、本場のカフェ・コンディトライ(ウィーンやドイツのカフェ)ではメニューの定番として常時提供されています。

価格帯

日本国内では、パティスリーの店頭でカット1ピースあたり 約500〜800円 程度が目安です。通販での1本(ホール)購入では 約1,500〜4,000円 程度が相場となっています。コストコの8個入りパックは約1,498円(1個あたり約187円)と非常にリーズナブルです。本場ウィーンのカフェでは、バニラソースや生クリーム付きのプレートで 約4〜7ユーロ(約650〜1,100円程度) で提供されることが多いです。自宅で手作りする場合は材料費のみで済むため、りんごの品種にもよりますが 500〜1,000円程度 で1本分が作れます。

日持ち

焼きたてのシュトゥルーデルは水分の多いフルーツフィリングを含むため、日持ちはあまり長くありません。常温では焼いた当日中が最も美味しく、翌日以降は生地のサクサク感が失われていきます。冷蔵保存の場合は 2〜4日程度 が目安です。冷凍保存であれば 2〜3週間程度 日持ちし、通販商品の中には冷凍で 約3か月 保存可能なものもあります。食べる際はオーブンやオーブントースターで温め直すと、焼きたてに近いサクサクの食感が蘇ります。コストコのアップルシュトルーデルの消費期限は加工日を含めて 4日間 とされており、食べきれない分は冷凍保存が推奨されています。

アレンジ・バリエーション

シュトゥルーデルは「製法の一種」であり、フィリングを変えることで無数のバリエーションが楽しめる懐の深いお菓子です。

甘いバリエーション
最もポピュラーな「アプフェルシュトゥルーデル(りんご)」のほか、「トプフェンシュトゥルーデル(クワルクチーズ)」はオーストリアで特に愛されています。クワルク(トプフェン)のさわやかな酸味と甘さのバランスが絶妙な一品です。「ミルヒラームシュトゥルーデル(ミルククリーム)」は女帝マリア・テレジアが好んだとされ、パンの角切りをミルクとクリームの甘い液に浸したフィリングをまろやかに焼き上げます。「ヴァイクセルシュトゥルーデル(サワーチェリー)」はチェリーの酸味がさわやかな夏向きのバリエーションです。そのほか、あんず(アプリコット)、プラム、桃、ルバーブ、ケシの実(モーンシュトゥルーデル)、くるみ(ヌスシュトゥルーデル)なども伝統的なバリエーションとして知られています。

塩味のバリエーション
ほうれん草のシュトゥルーデル、キャベツのシュトゥルーデル(ハンガリー系ユダヤ料理として特に有名)、ザワークラウトのシュトゥルーデル、カボチャのシュトゥルーデル、じゃがいものシュトゥルーデルなどがあります。肉を使ったフライシュシュトゥルーデル(Fleischstrudel)やルンゲンシュトゥルーデル(Lungenstrudel=肺を使ったもの)は、スープに浮かべて食べる料理としても親しまれています。

現代的なアレンジ
市販のフィロ生地やパイシートを代用して手軽に作る方法も広まっています。フィリングにカスタードクリームを加えたもの、チョコレートやナッツペーストを巻いたもの、季節のベリーを使ったもの、さらにはチーズとハムを包んだブランチ向けのアレンジなど、自由な発想でさまざまな楽しみ方ができます。温め直す際にバニラアイスクリームを添えるのは定番ですが、キャラメルソースやチョコレートソースをかけるモダンなスタイルも人気です。

免責事項

商品紹介等については、公式サイトおよび公開情報を基に作成しております。
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