お菓子の名前(日本語)

パルフェグラッセ(パルフェ・グラッセ)

お菓子の名前(外国語)

Parfait glacé(フランス語)

お菓子の分類

フランス菓子/冷菓(アントルメグラッセ)/氷菓

どんなお菓子

パルフェグラッセとは、フランス伝統の冷菓(アントルメグラッセ)の一種で、卵黄と砂糖を湯煎で火にかけながら泡立てた「パータ・ボンブ」と呼ばれるベースに、泡立てた生クリームを合わせ、型に流し入れて冷凍庫で凍らせて仕上げるデザートです。アイスクリームのように専用のアイスクリームマシンを使わず、卵と生クリームの起泡性(空気を抱き込む力)だけで、なめらかでクリーミーな口当たりを実現している点が最大の特徴です。

一般的なアイスクリームが撹拌しながら凍らせることで氷の結晶を細かくし、なめらかさを出しているのに対し、パルフェグラッセは泡立てた卵黄と泡立てた生クリームの中に閉じ込められた無数の気泡が、凍結時に氷の結晶が大きく成長するのを防ぐため、撹拌なしでも驚くほどなめらかな食感が生まれます。口に入れた瞬間、ムースのようにふわりと軽く、それでいてコクのあるリッチな味わいがゆっくりと舌の上で溶けていく、まさに「完璧な」デザートです。

フランスのレストランでは、コース料理の締めくくりとしてデセール(デザート)の一品に供されることが多く、フルーツのクーリやソース、生クリーム、ナッツ類などを添えてエレガントに盛り付けられます。パウンド型やセルクル型、ドーム型など、さまざまな型を使って成形でき、切り分けて美しい断面を見せたり、個別のカップに流して一人分ずつ仕立てたりと、プレゼンテーションの自由度が高いのも魅力です。

お菓子の名前の由来

「パルフェグラッセ」という名前は、フランス語の2つの単語から成り立っています。「Parfait(パルフェ)」はフランス語で「完璧な」「完全な」という意味を持つ形容詞で、「Glacé(グラッセ)」は「凍った」「氷の」という意味です。すなわち、パルフェグラッセとは直訳すれば「完璧な氷菓」という意味になります。

「パルフェ」という名が冠された由来については諸説あります。もっとも広く知られているのは、もともとフランスで生クリームをコーヒーに加えて冷やし固めた冷菓が「完璧なコーヒー(café parfait)」と呼ばれたことに始まるという説です。その滑らかで完成度の高い味わいが、食す者に「完璧」という印象を与えたことから、やがてこの種の冷菓全体が「パルフェ」と呼ばれるようになったとされています。

なお、日本で親しまれている「パフェ」は、この「Parfait(パルフェ)」を英語風に読み替えた言葉です。しかし、フランスのパルフェグラッセと日本のパフェは、見た目も構成も大きく異なる別のデザートであり、混同しないよう注意が必要です。

お菓子の歴史

パルフェグラッセの起源をたどると、16世紀のヨーロッパにおける冷菓の歴史にまで遡ることができます。T JAPANに掲載されたパリ在住パティシエ・長江桂子氏の解説によれば、16世紀にイタリアのメディチ家出身のカトリーヌ・ド・メディチがフランス王家に嫁いだ際に、冷菓の文化をイタリアからフランスにもたらしたと伝えられています。17世紀から18世紀にかけて、ヴェルサイユ宮殿をはじめとするフランス宮廷の貴婦人たちの間で冷菓が大いに好まれ、宮廷料理人たちが卵黄や生クリーム、砂糖などを加えた独自のレシピを編み出しました。これがやがて「パルフェ」と呼ばれる冷菓の原型となったとされています。

19世紀に入ると、フランスの製菓技術が大きく発展し、冷菓の分野でもさまざまなバリエーションが生まれました。パルフェグラッセは、卵黄に熱いシロップを注ぎ込んで泡立てる「パータ・ボンブ」の技法が確立されたことで、現在の形に近いレシピが完成したと考えられています。1892年にフランスで出版された料理書に「parfait」の名を冠したレシピが掲載されていることが確認されており、19世紀後半にはすでにフランスの菓子文化のなかで確固たる位置を占めていたことがうかがえます。

20世紀以降、パルフェグラッセはフランスのレストランやパティスリーにおける定番デセールとして定着しました。特にヌーヴェル・キュイジーヌの時代には、より軽やかで洗練された冷菓としてレストランのコース料理に頻繁に登場するようになり、その地位はさらに確かなものとなりました。日本においても、フランス菓子を学んだパティシエたちが帰国後にパルフェグラッセを紹介し、近年ではアントルメグラッセ(アイスケーキ)の専門店やフランス菓子店を中心に認知が広がっています。

発祥の地

パルフェグラッセの発祥はフランスです。16世紀にイタリアから冷菓の文化がフランスに伝来したのをきっかけに、フランスの宮廷料理人たちが独自に発展させたデザートであり、パリをはじめとするフランス各地のレストランやパティスリーで長く愛されてきました。特定の都市や地方に限定された郷土菓子というよりは、フランスの菓子文化全体のなかで発展してきた宮廷由来の冷菓といえます。

有名な商品(メーカー名と商品名と販売価格)

パルフェグラッセは、日本国内でも本格的なフランス菓子を提供するパティスリーを中心に、さまざまな商品が販売されています。以下に代表的なものを紹介します。

和楽紅屋(わらくべにや)
パティシエ辻口博啓氏が手掛ける和スイーツブランドです。自由が丘本店では「パルフェグラッセ ルビー」(あまおう苺とルビーチョコレートのパルフェグラッセ、税込648円)や宇治抹茶を使ったパルフェグラッセを、土・日・祝限定で販売しています(2024年の情報)。和素材とフランス伝統の冷菓技法を融合させた独自の味わいが特徴です。

パティスリー パクタージュ(Patisserie PARTAGE)
東京都町田市玉川学園に店舗を構える本格フランス菓子店です。「パルフェ・グラッセ・シャルロット・フレーズ」(税込4,300円)や、ダックワーズ生地でパルフェグラッセをサンドした「GLACE【アイスサンド】」(税込4,900円)など、通販にも対応した冷凍商品を展開しています。

MAISON GIVRÉE(メゾンジブレー)
アントルメグラッセの第一人者として知られるシェフ・江森宏之氏が手掛けるアイスケーキ専門ブランドです。「パルフェグラッセ(4種セット)」(税込4,300円〜4,644円程度、送料別)として、季節ごとに変わるフレーバーのパルフェグラッセをセットで販売しています。旬のフルーツを活かした華やかなラインナップが人気です。

A TABLE!〜EPICERIE FINE〜
お取り寄せ専門の本格フレンチ惣菜・スイーツブランドで、「パルフェグラッセ3種アソートメント(ショコラ、フランボワーズ、ヌガー)」を税込2,850円(送料込)で販売したことがあります。冷凍発送で届くため、自宅で本格フランスの冷菓を手軽に楽しめる商品として注目されました。

味や食感などの特徴

パルフェグラッセの最大の魅力は、アイスクリームとムースの中間を思わせる独特の食感にあります。一般的なアイスクリームに比べて空気の含有量が多いため、口に入れた瞬間にふわりと軽く溶けていき、それでいて卵黄と生クリームがもたらす濃厚なコクが後味として長く残ります。「冷凍庫から出してすぐでもやわらかい」と表現されることが多く、カチカチに凍り付くことがないのは、パータ・ボンブと泡立てた生クリームの組み合わせによるものです。

味わいのベースとなるのは、卵黄のまろやかな風味とバニラの甘い香り、そして生クリームのミルキーなコクです。バニラ味のクラシックなパルフェグラッセは、シンプルでありながら奥深い味わいがあり、フルーツのクーリ(ソース)やベリーの酸味を合わせることで、より味の広がりが楽しめます。チョコレート、コーヒー、キャラメル、ピスタチオ、フランボワーズ、抹茶など、フレーバーのバリエーションも豊富で、それぞれの素材の持ち味が凍らせても損なわれにくいのは、パルフェグラッセ独特の製法ならではの利点です。

食感の面では、「シルクのようになめらか」「雲のように軽い」といった表現がしばしば使われます。口の中の温度でゆっくりと溶けていくので、舌の上でフレーバーが徐々に広がり、一般的なアイスクリームとは異なるエレガントな余韻が楽しめます。

どんな場面やどんな人におすすめ

パルフェグラッセは、その上品な見た目と洗練された味わいから、さまざまな場面でのデザートとしておすすめできます。

ホームパーティーや特別なディナーのデセール(食後のデザート)として提供すれば、ゲストに驚きと感動を与えることができます。型に入れて冷凍しておき、食前にスライスするだけで美しい盛り付けが完成するため、ホスト側の負担が少ないのも大きな利点です。

お中元や暑中見舞い、誕生日のギフトとしても最適です。近年はパティスリーの通販サイトで冷凍発送される商品も増えており、「いつもとは違う特別なアイススイーツ」として喜ばれるでしょう。

フランス菓子やスイーツに関心が高い大人の方、アイスクリームは好きだけれどもう少し上品で洗練された味わいを求めている方に特におすすめです。また、アイスクリームマシンを持っていなくても家庭で本格的な冷菓を手作りしたい方にとって、パルフェグラッセは最適なレシピのひとつです。泡立てて混ぜて凍らせるだけというシンプルな工程は、お菓子作り初中級者でも取り組みやすい内容です。

夏場のデザートとしてはもちろん、クリスマスや年末年始のスペシャルデザートとしても重宝します。フランスではクリスマスの食卓にアントルメグラッセ(アイスケーキ)が登場することも多く、パルフェグラッセはまさにその伝統に連なるデザートです。

材料

パルフェグラッセの基本的な材料は非常にシンプルです。バニラ味のクラシックなパルフェグラッセを例にとると、以下の通りです(パウンド型1本分の目安)。

卵黄は3〜4個分(約50〜60g)を使用します。パルフェグラッセの骨格となるコクと風味を担う主要な素材です。グラニュー糖は30〜50g程度で、卵黄と合わせて泡立てる際に使用します。水は20〜30g程度で、砂糖と合わせてシロップを作る場合に使います(レシピによっては牛乳を代わりに使うこともあります)。生クリーム(乳脂肪分35〜42%のもの)は200〜250gほどで、泡立ててパータ・ボンブに合わせます。バニラビーンズは1/2本程度を使い、生クリームに加えて香りを移します。

フレーバーによっては、これらの基本材料にチョコレート、コーヒーエキス、フルーツのピュレ、リキュール(グランマルニエ、キルシュなど)、ナッツペーストなどが追加されます。

レシピ

以下に、バニラのパルフェグラッセの基本的な作り方を示します(パウンド型1本分)。

作り方

  1. まず、バニラビーンズ1/2本を縦に裂いてサヤから種をしごき出し、生クリーム200gに加えます。この生クリームをハンドミキサーで6〜7分立てに泡立て、ラップをかけて冷蔵庫で保管しておきます。
  2. 次に、ボウルに卵黄50gとグラニュー糖30gを入れ、泡立て器で白っぽくもったりするまでしっかりと混ぜ合わせます。ここに温めた牛乳30gを加えて混ぜます。
  3. このボウルを湯煎にかけ、絶えず泡立て器で混ぜながら卵黄に火を通していきます。ヘラですくった生地を指でなぞり、跡がくっきり残る程度(約80〜83℃)まで加熱したら、湯煎から外します。
  4. すぐにハンドミキサーの高速で2〜3分間一気に泡立て、大量の空気を含ませます。白っぽくなり、筋が見えるようになったら中速に落とし、キメを整えながら室温まで冷まします。持ち上げてトロリと落ちてくる状態が目安です。このとき温度が高いまま次の工程に進むと、せっかく泡立てた生クリームの気泡が壊れてしまうため、しっかりと冷ましましょう。
  5. 冷蔵庫から生クリームを取り出し、泡立て器で軽く混ぜてキメを整えます。生クリームの1/3量を卵黄のアパレイユ(泡立てた卵黄生地)に加えて泡立て器でなじませ、次に残りの生クリームを全量加えます。気泡をつぶさないように泡立て器で優しく混ぜ、仕上げにゴムベラに持ち替えてムラなく合わせます。
  6. ワックスペーパーやラップを敷いたパウンド型に流し入れ、表面をならしてラップで覆い、冷凍庫で最低4〜6時間、できれば一晩しっかりと凍らせます。
  7. 食べる際は型から取り出し、お湯で温めた包丁で好みの厚さにスライスして皿に盛り付けます。フルーツのクーリ、ベリーの果実、ミントの葉、砕いたナッツなどを添えれば、華やかなデセールの完成です。

販売温度帯

パルフェグラッセは冷凍食品に分類されます。製造後は−18℃以下の冷凍状態で保存・販売されるのが基本です。パティスリーの店頭では冷凍ショーケースに陳列されるか、注文後に冷凍庫から取り出して販売される形態が一般的です。通販の場合はクール便(冷凍便)で発送されます。

食べる際は、冷凍庫から出してすぐに食べても柔らかい食感を楽しめますが、5〜10分ほど常温に置いてからカットすると、よりなめらかな口どけになります。完全に解凍してしまうと形が崩れ、再凍結すると食感が損なわれるため、解凍後は早めにお召し上がりください。

主な流通形態

パルフェグラッセの主な流通形態としては、まずフランス菓子専門のパティスリーやアントルメグラッセ(アイスケーキ)専門店での店頭販売が挙げられます。ホールサイズ(パウンド型やドーム型)からカットピース、個食サイズのカップ入りまで、店舗によってさまざまな形態で提供されています。

近年はオンラインショップでの通販も広がりを見せており、冷凍宅配便を利用した全国配送に対応する店舗が増えています。ギフト向けのアソートセットや季節限定フレーバーの詰め合わせなど、お取り寄せ商品としての展開も活発です。

レストランやカフェにおいては、コースのデセールやアラカルトメニューとして提供されるケースがあります。この場合は一人前ずつ盛り付けられ、ソースやフルーツ、飾りを添えた状態で提供されるため、パティスリーで購入するものとは異なるプレゼンテーションを楽しめます。

大手コンビニエンスストアやスーパーマーケットで「パルフェグラッセ」の名を冠した商品が常時販売されるケースは現時点では少なく、主にパティスリーや専門店を中心とした流通が主流です。

価格帯

パルフェグラッセの価格帯は、商品の形態や店舗のグレードによって幅があります。個食サイズ(1人前カップ入りや小型のもの)であれば、おおよそ500円〜800円程度が目安です。和楽紅屋のパルフェグラッセ ルビーが1個税込648円であることが、ひとつの参考になります。

パウンド型などのホールサイズやセット商品になると、3,000円〜5,000円程度の価格帯が中心です。パティスリー パクタージュのパルフェ・グラッセ・シャルロット・フレーズが税込4,300円、メゾンジブレーのパルフェグラッセ4種セットが税込4,300円〜4,644円程度となっています。

お取り寄せ向けの送料込みセットでは、2,850円(A TABLE!の3種アソートメント)から5,000円前後が一般的な価格帯です。高級パティスリーやレストランの特別なパルフェグラッセの場合は、さらに高価格帯になることもあります。

日持ち

パルフェグラッセは冷凍保存が基本であり、適切な冷凍状態(−18℃以下)を維持すれば、製造日からおおよそ2週間〜1ヶ月程度の賞味期限が設定されていることが一般的です。ただし、店舗や商品によって異なるため、購入時に必ず表示を確認してください。

冷凍庫での保存中も、長期間放置すると霜がつき、風味や食感が劣化する可能性があります。生クリームと卵を主体としたデリケートなお菓子であるため、できるだけ早めにお召し上がりになることをおすすめします。一度解凍したものの再冷凍は、食感が大幅に損なわれるため避けてください。

アレンジ・バリエーション

パルフェグラッセはベースのレシピがシンプルであるがゆえに、フレーバーや仕上げのバリエーションが非常に豊富です。

フレーバーのバリエーション
チョコレート(ショコラ)やコーヒー(カフェ)といった王道のものに加え、ピスタチオ、キャラメル、プラリネ、ヌガー(ナッツとドライフルーツ入り)、抹茶、フランボワーズ、苺(フレーズ)、パッションフルーツ、マンゴーなど、多種多様な素材を取り入れることができます。リキュールを加えるアレンジも人気で、グランマルニエ(オレンジリキュール)やキルシュ(さくらんぼの蒸留酒)、ラム酒などを少量加えると、大人の風味が加わるとともに、アルコールの効果で凍ってもやわらかさが保たれるという利点もあります。

形状のアレンジ
パウンド型で作ってスライスするクラシックなスタイルのほかに、プリン型やマフィン型を使って個食サイズに仕立てたり、棒を刺してアイスバー風にしたり、ダックワーズやサブレなどの焼き菓子で挟んでアイスサンドにしたりと、さまざまな楽しみ方があります。パティスリー パクタージュの「GLACE【アイスサンド】」は、サクサクのサブレでパルフェグラッセをサンドした好例です。

仕上げ・デコレーションのバリエーション
チョコレートコーティングを施して光沢のある仕上がりにする方法や、泡立てた生クリームを絞ってデコレーションする方法、フルーツのクーリ(ソース)をかける方法、砕いたナッツやメレンゲのかけら、エディブルフラワー(食用花)を散らす方法など、見た目の華やかさを演出する手段は無限大です。

近縁のバリエーション
パルフェグラッセと類似した冷菓にいくつかの種類があります。「スフレグラッセ」は卵白で作るメレンゲをベースにした冷菓で、パルフェグラッセが卵黄のパータ・ボンブをベースにするのに対し、よりエアリーで軽い食感が特徴です。「ボンブグラッセ」はパータ・ボンブをベースにした冷菓で、ボンブ(爆弾)型のドーム型に凍らせるのが伝統的なスタイルです。「ヌガーグラッセ」はパルフェグラッセの一種で、ナッツ類やドライフルーツ、蜂蜜などを加えてヌガーの風味を再現したものです。これらは製法や使用する素材に微妙な違いがあり、フランス菓子の世界では明確に区別されています。

免責事項

商品紹介等については、公式サイトおよび公開情報を基に作成しております。
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